◇マトリックス レザレクションズ(The Matrix Resurrections)
作る意味があったんだろうか?
想像はできる。ワーナー・ブラザーズが『マトリックス4』を作れといい、ウォシャウスキー姉妹は断わっていたものの、ついに姉妹をはずしてでもワーナーは新作を作るということになり、そういうことなら自分たちが作って、今後一切、ワーナーには口を出させないようにしたいとおもったものの、リリー・ウォシャウスキーはどうしてもメガホンを取る気にならず、ラナ・ウォシャウスキーだけが犠牲になるつもりで監督をひきうけたってなところだろう。
それにしても、結局は、これも映画の中の企画会議で言われていたものだけど、1の繰り返しにならざるをえず、いってみれば、リメイクに毛の生えたようなものにしかならないだろうと、そのとおり、1の設定をちょっと変えて、3で死んだはずのキアヌ・リーブスとキャリー=アン・モスが機械によって蘇生され、またもや延髄を繋がれてマトリックスの世界に入り込まされてるっていう話で、ここからふたたび抜け出していくっていうだけの代わり映えのしない物語になっちゃってた。
とはいえ、そうか、髪の毛といい、サングラスといい、ピルといい、今回は青が基調なのね。
結局のところ、この作品が示したものは、人間の未来はもはや機械に支配されるよりほかにないんじゃないのかっていう話になって、それをあくまでも抵抗し続けるのがネオなんだって話なわけで、これって1だけでも充分だったんじゃないかな~。