◇尻啖え孫市(1969年 日本 104分)
英題 The Magoichi Saga
原作/司馬遼太郎『尻啖え孫市』
監督/三隅研次 脚本/菊島隆三
撮影/宮川一夫 美術/西岡善信 音楽/佐藤勝
出演/中村錦之助 栗原小巻 本郷功次郎 中村賀津雄 勝新太郎 志村喬 内藤武敏
◇錦之助、FA
東映からフリー宣言した錦之助が最初に撮ったものらしいんだけど、なんだか、中村兄弟の芸競べみたいな印象だったわ。ていうか、なんでこの映画が大映なんだろ~っていう素朴な疑問も。
聞くところによれば、佐藤勝も大映では唯一の作品らしいし、そういうことでいえば、なんだか無戸籍な感じがして、雑賀孫市の映画にふさわしいような気もしないではない。
史実の孫市ってのはとってもふしぎな人間で、5人くらいが孫市に比せられるんだけど、ほんとの孫市が誰だったのかといえば、よくわからない。司馬遼太郎の小説があまりにも強烈だったものだから、どうしてもそちらに引き摺られちゃうし、この映画もそれを原作にしてるんで、余計に信長とわたりあったような印象になってる。
でもまあ、孫市が世襲名だとすればなんとなく解決するわけだし、雑賀党の党首が常に孫市を名乗ったんだとすればもっと明解になる。そういう観点に立った上で、この映画を観るのがいいかもね。
で、錦之助が白塗りをやめたのはいいとしても、やはりズボンなのね。破れ傘刀舟みたいだわ。烏の張りぼては意味があったのかって合戦もあるけど、登場人物の中では、中村賀津雄がなんだかいつもの好青年と違ってて好い感じだ。
ただ、勝新太郎の信長はいただけないけど。
ま、足フェチの物語ってのが、いかにも司馬遼太郎の原作らしくて好い。