◎黄泉がえり(2003年 日本 126分)
原作/梶尾真治『黄泉がえり』
監督/塩田明彦 脚本/犬童一心 斉藤ひろし 塩田明彦
撮影/喜久村徳章 美術/新田隆之 スタイリスト/宇都宮いく子 小倉久乃
特殊効果/浅野秀二 3DCG/中島征隆 CGI/横石淳 音楽/千住明
主題歌/RUI(柴咲コウ)『月のしずく』作詞Satomi 作曲松本良喜
出演/草なぎ剛 竹内結子 石田ゆり子 伊東美咲 忍足亜希子 長澤まさみ 田中邦衛
◎熊本県阿蘇地方
まあ、いろんな理由はあるんだけど、ぼくはこの映画が好きだ。
なぜか、ひとつだけ、理由をいおう。自主製作映画の匂いがするからだ。塩田明彦という監督は立教大学のパロディアス・ユニティーの出身らしく、早稲田大学の映画制作グループひぐらし出身の山口貴義の『恋のたそがれ』や『ヤマトナデシコ』の撮影や照明を担当したりしつつ『月光の囁き』でデビューしたんだけど、ちょっとふしぎな映画を撮ったりする。
で、この映画だ。
柴咲コウの『月のしずく』もとってもいいし、出演者たちの瑞々しさも好感がもてる。
なにより、良質なリアルさとでもいうんだろうか、ファンタジーはどれだけ人物の感情を抑えるかに懸かっている面があって、ことに、邦画で死人が蘇るという妙な感激による悲劇を描こうとすれば、必然的に感情は昂ぶるものなんだけど、それを最低限に抑えている演出には好感が持てる。
ふとおもいだしたときに観たくなる映画はあんまりないけど、これはそういう貴重な1本かもしれないね。
あ、ぼくにとって。