◇39 刑法第三十九条(1999年 日本 133分)
監督/森田芳光 音楽/佐藤俊彦
出演/鈴木京香 堤真一 岸部一徳 吉田日出子 山本未來 勝村政信 國村隼 江守徹
◇リアルさに拘ったの?
とはあんまりおもえないんだけどな~。
実際に「刑法第39条」を主題にしていて、そこにおける問題について提起しようとしているのであれば、もうすこし現実味が欲しかったような気がしないでもない。
たしかに、筋運びは面白い。でも、堤真一がひとり芝居の役者をしているという背景のせいもあってか、どうしようもなく大仰な面が多々見られるし、かとおもえば、他の出演者たちは逆にもごもごと台詞を濁していて、粘着性の高い表情と動作で演じようとしているように感じられる。このギャップはどういうことなんだろね。
演出とすれば、うん、わからなくはないけど、主題が主題だけに、もっと地味な性質の犯人像を持ってきて、徹底したリアリズムに訴えるべきだったんじゃないかっておもうんだけど、どうなんだろね?
だって、ヒロインの鈴木京香の眼鏡もなんだかあざとさばかりが鼻についてくるような印象だったし。