◇うつくしいひと(2016年 日本 39分)
監督 行定勲
出演 橋本愛、姜尚中、高良健吾、石田えり
◇ストーキングにはならないのか?
現実にこんな男がいてみたまえ。怖いぞ。
たとえば、ぼくがこの大学教授らしき男のような立場だったら、どうするよ。
昔、横恋慕していた女性がいて、しかもその人は自分の親友が妻にした人で、ただ、幸か不幸かその親友は他界してしまっていて、で、過去を棄てるつもりで何十年も上京したままだったんだけど、たまさか、学会かなにかわからないけれども熊本へ帰省することがあって、いい機会だとおもいたち、その好きだった人を物陰から眺め、さらに好きだった人の娘が働いている古本屋にそっと入り、自分が誰かも語らずにつれだし、いや、連れ回し、彼女の写真を撮ったりするのだ。つきまといだぞ、怖くないか。ところが、こんなちょっとというか、かなり非常識な男が娘を連れ出したというのに、いなくなった娘をおいかけて、娘の母親と娘に惚れている男が駈けつけたとき、なにもかも納得し、すべてが氷解するなんて、まじか。
なんていうか、こんな素敵な(ではなく)男の純情としては限りなく美しい(あ、いかん)こんなわがまま満載でも怒られないなんてなんて羨ましい(とかいってる場合ではない)物語は、ちょっとひくな、僕としては。ていうか、まかりまちがえば、ものすごく危ない老いらくの恋だが、これでいいのか?