◇自虐の詩(2007年 日本 117分)
監督 堤幸彦
出演 阿部寛、中谷美紀、西田敏行、遠藤憲一、カルーセル麻紀、名取裕子、竜雷太
◇卓袱台返し
現在のつましくも涙ぐましいヒモと貢ぎ女の生活でナンセンスなくりかえしギャクが続けられる一方、中谷美紀が学生だった頃や阿部寛と出会った頃の感傷的な生活が対比されていくわけだけれども、これといって斬新な物語が展開するわけではないのはまあ仕方ないんだろうし、それを期待して観ているわけでもなかったな~っていう自分に気づいたりする。
関係ない話だけど、この映画が制作される前、とある映画監督と話をしていて、この原作漫画の話が出た。ぼくはまったく知らなくて、そのとき初めて『自虐の詩』という4コマ漫画があって、卓袱台をひっくりかえすのが趣味のようなヒモと定食屋で働く内縁の妻の話があるのを知った。それで、なんともおもしろいから映画にしたいんだって聞かされた。そのときは単に「ふ~ん」とおもっただけだったんだけど、かれが監督していたらどうだったろうなってときどきおもう。あと、おぼえているのは、そのとき「主役は阿部にしたいんだよ」っていってたことだ。偶然だね。