◇女王フアナ(2001年 スペイン 115分)
原題/Juana la Loca
監督・脚本/ビセンテ・アランダ 音楽/ホセ・ニエト
出演/ピラール・ロペス・デ・アジャラ、ダニエレ・リオッティ、ジュリアーノ・ジェンマ
◇1506年、カスティーリア
イザベル1世の娘フアナが母親の後を継いでカスティーリアの女王となったのが1506年。相容れないような、でも相容れたいと願っていた夫との生活はほぼ10年足らずで、即位後まもなく死別し、もともと不安定だった精神状態がいっそう錯乱し、夫への狂恋はやがて心すべてを蔽い尽くし、完全に正気を失う。
この狂ってゆく過程を描いているのがこの作品なんだけれども、なんというか救いがないというのか、夫への嫉妬と王位への執着とで蔽われている世界なものだから、美しい映像や音楽とは裏腹に、その物語についてはとてもではないけれども疲れる。