◇アンダーグラウンド
まあとにかく騒々しい映画だったわ。エミール・クストリッツァがなにかいいたいんだかよくわからないんだけど、とにかくコメディといえばコメディだけどね~。
反ナチスの地下組織の親友同士がナチの将校に尻をふってる女優をとりあったことからその片割れを地下に封じ込め、横流しの武器を作らせてしこたまもうけてゆくっていうのは、わからないでもないけど、けっこうちからづくな展開でだんだん苦しくなってくる。
ぎりぎりのところでむりやりこの筋立てのために地下に入れてあった戦車がぶっぱなして新たな展開になるんだけど、ここまで長過ぎないかなあ。
ラザフ・リストフスキーの息子が河で溺れたとき、井戸に身を投げた嫁の幽霊と出会い、河の彼方へ消えていくときのタンゴ調の曲はよかった。全体を包んでるリリー・マルレーンを除けばだけど。
まあ、ミリャナ・ヤコヴィッチの濡れ場と演技はよかったけどね。第三章戦争の劇的な展開の中で、車椅子に乗ったまま弟に殴り殺されたミキ・マノイロヴィッチとまとめて殺され、灯油ごと燃やされた際、逆に磔りつけられたキリスト像のまわりを永遠に回り続けることになるんだけど、そこへユーゴ内戦の小隊長になってるラザフ・リストフスキーと巡り合うくだりは、最後の流れてゆく小さな土地の上での幻想の結婚式と同じくらい良い撮影だった。