私が学部3年生を対象に行っている地域空間構成論の講義ファィルの中から、任意にピックアップした写真を用いながら、 街のランドスケープ・デザイン、すなわちTown Scapeやその周辺の体験などについて述べてゆきたい。
紀元前1世紀から紀元後5世紀の帝政ローマ時代、広大な領土を支配する方法として、ローマ人は延々と軍事道路を建設してきた。All roads lead to Rome. 「すべての道はローマに通じる」という諺にもあるように、みちはローマの歴史そのものである。
翻って現代ではどうかと考えれば、みちが持つ役割は、軍事から生活のための流通や交通手段として、利用機能こそ変わったが、みちが持っている重要性は変わらない。そんなローマ市内を歩いていたら、堂々とみちをキャンバスとし、アートを制作している光景に出会った。おそらくこれも大道芸の一つなのだろう。画材は、パステルを使用しているので、雨が降れば作品は、流れて消えてゆく。
帝政ローマ時代ならば、みちは一人の支配者のものだが、現在の民主主義国家にあっては、みちは俺たち市民ものである。使うのは俺たちの権利だ、と感じさせられるぐらいに堂々と描いている。そんなことに誰も文句は言わないし、作品を楽しみながらよけて歩いてゆく。これが同じく民主主義国家日本だった、お節介な人達が即座に警察や自治体に通報して、関係者が飛んでくるかもしれない。
みちは、その国の民度や国民意識を表すインデックスだと思われた。みちは国民意識の表現体なのである。
1980年代ローマ市内
NikonF,Nikkor-H,AutoF3.5/28mm,エクタクローム.
CanoScan9950F
紀元前1世紀から紀元後5世紀の帝政ローマ時代、広大な領土を支配する方法として、ローマ人は延々と軍事道路を建設してきた。All roads lead to Rome. 「すべての道はローマに通じる」という諺にもあるように、みちはローマの歴史そのものである。
翻って現代ではどうかと考えれば、みちが持つ役割は、軍事から生活のための流通や交通手段として、利用機能こそ変わったが、みちが持っている重要性は変わらない。そんなローマ市内を歩いていたら、堂々とみちをキャンバスとし、アートを制作している光景に出会った。おそらくこれも大道芸の一つなのだろう。画材は、パステルを使用しているので、雨が降れば作品は、流れて消えてゆく。
帝政ローマ時代ならば、みちは一人の支配者のものだが、現在の民主主義国家にあっては、みちは俺たち市民ものである。使うのは俺たちの権利だ、と感じさせられるぐらいに堂々と描いている。そんなことに誰も文句は言わないし、作品を楽しみながらよけて歩いてゆく。これが同じく民主主義国家日本だった、お節介な人達が即座に警察や自治体に通報して、関係者が飛んでくるかもしれない。
みちは、その国の民度や国民意識を表すインデックスだと思われた。みちは国民意識の表現体なのである。
1980年代ローマ市内
NikonF,Nikkor-H,AutoF3.5/28mm,エクタクローム.
CanoScan9950F