Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE91. 帰る楽しみ

2010年10月12日 | field work
 燕山荘の朝飯は午前5時だった。朝飯を終えてもまだ雨だった。山荘の周囲はガスっていて何も見えない。昨日一日晴天が続いたので、雨といっても満足の下山である。雨具で身支度を調え、ぼんやりとした風景を楽しみながら合戦小屋まで降りてきたら、雨はやんでしまった。
 合戦小屋からは、長く急で単調なくだりがひたすら続く。こうした下山時にステッキは大変有効である。これ一本で足にかかる負荷や疲れ方がまったく違うからだ。
 涸沢からの下りであれば、途中の風景が美しいのだが、燕岳の単調な風景の下りが4時間以上続くときは、麓で温泉に入る楽しみをイメージしながら下る他ない。ひたすら忍耐である。
 麓の有明荘で温泉に入り、髭を剃り、着替えると、そのサッパリ感が大変心地よい。後は帰るだけだ。夕飯は京都に帰ってから食べようなどと考えていると、登山でも旅でも、出かける楽しみと帰る楽しみとがあるのだろう。
 今回の山行きでオリンパスペンと高倍率ズームレンズといった小さい機材が大活躍するので、撮影機材はこれでよいではないかという結論になり、他のデジタル一眼レフやあまたの数ほどあるレンズそのものに興味がなくなってくる。発色やボケ味に関してはFUJI+カールツァイスに及ばないが、それでもオリンパスペンは、大変小さい上に結構使えるわけだから、長く続いた写真熱も、フィルム時代のオリンパスペンEES、XA4、そしてデジタルオリンパスペンという遍歴の節目に帰ったというべきか。これまた帰る楽しみというべきだろうか。

合戦小屋、撮影日2010年9月20日
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/F4-5.6
シャッター1/80,絞りf5.3,焦点距離39mm,ISO400,iFINISH
コメント
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