Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE102. 男の遊びスタイル

2010年10月29日 | Kyoto city
 江戸時代に全国何処の街にでも存在し、そして現代に至って滅びた街に遊郭がある。食べて、飲んで、エッチして、といった当時の男の遊びのライフスタイルが、和の文化とともにあったわけだ。当時のプロの女達は男のあしらい方が旨いから、心置きなくリラックスできるのだろう。あの近代の地味な和の美意識にこだわった永井荷風は、そんな吉原や玉乃井の遊郭に通い詰めた小説家だった。
 そんなとき、女達はどうしたのだろうか。まあ美味しい料理に眼を奪われ、旦那や姑の悪口のダベリングにうつつをぬかしていたのかもしれない。
 現代では、男の遊びスタイルは滅び、女の遊びスタイルだけが盛んにばっこしており、男はそれに付き合わさせられるという、つまらない社会になったわけだ。社会全体が女性化しているといってもよいだろう。現にテレビをつければ料理番組やお店紹介街歩きで溢れている。
 京都にも島原という旧遊郭の街がある。今に残る建物の内部に入れば、斬新奇抜な和の色遣いであったり、螺鈿を緻密に施したりといった具合に工芸品の極地的な美しさに漂っている。もちろん現代の解釈では、これは遊郭ではなく当時の京料理を楽しみながら芸妓を呼び文化を楽しむために文人達が集まったサロンであったという説の方が有力である。この空間の構成をみれば確かにその説の通りなのだが、実際のところはわからない。万事女性優位現代社会ならではの解釈である。
 そんなことを考えていると、「遊郭をデザインしたいですぅー!」、といった提案を、卒業制作にだしてくるアホな学生はいないものかと思う(笑)。

伊勢おはらい町、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/30,絞りf5.6,焦点距離16mm,ISO1600,iFINISH
コメント
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