コシナのレンズマウントが届いたので、カールツァイス・ディスタゴン25mmをOM-Dに付けてみた。このレンズは、元々Fuji Fine Pix S5proに使っていたものであり、今回OM-Dで初めて試してみた。
コシナのレンズマウントだから、鏡胴など同じ塗装であり見映えは申し分ない。ただし、標準レンズ代わりに使うには、長さがマウント部も含めてオリンパスの75-300mmに匹敵するのだから、大きいことは確かだ。確かに貫禄がありすぎる。PEN E-P3にも付けたが、よい感じだったのは意外。ただしレンズのお化け状態。
でっ、写りは抜けがよく、上品に線の細いシャープさであり大変申し分ない。それは、どうだシャープだろう!、という写り方というよりは、静かな大人の写り方といったらよいだろうか。もちろんボケ方も美しいし、トーンが綺麗だと思われる。おそらくフィルムで撮影すれば、良い結果をもたらすかもしれない。
ここまで写れば使えるとおもいながら、それでも本来が広角レンズだから、ピントリングの大変僅かな動きで焦点が遠くに移動してしまう。だからパンフォーカスで使用するのが良いのだろう。F8に合わせる1.5m~無限までピントが合ってしまう。0.17Mまで近寄れるので、近接撮影の時はボケ味を楽しむことになるのだろう。つまりほとんどピント合わせ不用なレンズのようだ。オートフォーカスの煩わしさがないのは気持ちよいが、いつも焦点が合うというのは少し変な感じでもある。
オリンパスの単焦点レンズの方が、OM-DやPENには、最適化された写りをするようである。またライツのレンズの方がOM-Dとは相性が良い写りだ。私はOM-Dで使用した場合にライツ:ツァイスの比較をすると、写りの良さが目に見えるという点でライツに軍配をあげるだろう。
それにしても、このレンズを一度もフルサイズで使用したことがない。ニコンD800Eあたりのフルサイズ機で大いに実力を発揮しそうだが、私の志向性が変わりマイクロフォーサーズに走ってしまった。まあD800あたりが中判機材だと思える頃には使うかもしれないね。大変優れた名レンズの資質を十分に持つが、あまりにも遅く生まれてきたが故に使い道のない不運なレンズでもある。
京都市
OLYMPUS OM-D E-M5 Carl Zeiss Distagon25mm/f2.8ZF
ISO500,露出補正-0.3.f8,1/125.