Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

PEN LIFE662. 世界遺産

2013年06月26日 | Shonan coast
 出張から帰って、月曜日からの三日間は、授業、会議・打ち合わせの連続で空き時間がなく、さすがに疲れました。それだけなら良いのだが、自分の仕事である論文と本の企画が一向に進まないので少し気分もイライラしている。こうなると夏休みに頑張るほかない。
 出張時に筑波大の世界遺産専攻の先生と歓談していた頃、富士山が世界遺産に登録された。日本人の心のシンボルであることは認めるが、世界遺産とは、世界の人々にとっての評価基準であり、日本人の支持や心情は関係ない。だから、私は富士山が世界の人々が後世に伝えたい遺産であるかははなはだ疑問である。その程度の火山なら世界に沢山あるし、世界の人々の評価基準を、日本人だけの属地的な基準にすり替えてしまうといった具合に、実にやることが田舎芝居的である。
 私が富士山への評価が低いのは、世界と比較して自然環境自体にさしたる特徴もないことだ。例えばシチリア島の活火山であるエトナ山、イランのダマバンド山、スマトラのシナブン山、カナリア諸島のテイデ山、カムチャッカ半島のクリュチェフスカヤ、トルバチック、クロノツカヤといった具合に、富士山の形状であるコニーデ型火山は世界に数多い。 個人的にはクロノツカヤなんか日本の富士山より美しいと思う。 そのカムチャッカ半島には300の火山があり、そのうち29が活火山であり、全く手つかずの自然環境が残され、当然のことながら1996年世界遺産に指定されている。
 それに対して富士山は、一つだろう!、それに形状平凡で休火山であり、 山麓部はゴルフ場だの別荘だのと開発が進み、大いに自然が欠如し、山小屋はボロく汚く、ゴミが多い。多いから持ち帰りをPRするなんていうのは、滑稽でしかない。そんなところが何故世界遺産なのだかよくわからない。そうおもうならば、北アルプスの山小屋を見習って欲しいと私は思いますね。
 だから世界遺産基準も随分甘くなった。そうなると次は世界遺産グレードという評価基準をつくるほかない。世界の人々が後世に残すべきと評価できる遺産はグレードが高く、富士山のように国内の属地的支持しかなく自然の変化で変わるものは、グレードを最下位にするといった具合にだ。もちろん世界遺産というのは、政治的な要因も絡んでいるとは思われるが。
 それにしても2倍のテレコンバータを使用すると、色をはじめ画質が少し落ちますね。

鎌倉高校前
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG 75-300mm,
ISO1000, 焦点距離140mm,露出補正−0,f5.5,1/2000.2倍テレコンバータ使用
コメント
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