Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング198. 手が早くなる!

2019年10月02日 | drawing

 だんだんクロッキーが下手になってくる。二次元の中に空間感を認識したり、若いときのような形態を執拗に追いかけるといった情熱は失せ、手が勝手に動いているときもある。もっと人体を子細に観察して勉強して考えろよ!、と自分に言い聞かせているが・・・、言い聞かせるだけ(笑)。

 なにしろ1ポーズ5分間、かっては何時間も勉強したかのような集中力が働いたこともあったが、今は手慣れてしまって3分で描きあげているときもある。手が早くなる!、というのはクロッキーの副産物だが。

 ただ人間は、手を動かして外的世界の物事を考えている。テキスト、記号や図で、数式で、スケッチでといった具合にである。手を動かして外的世界を記録し、表現し、頭の中の経験的な蓄積情報と照らし合わせ、こりゃ愚作だ!、と評価もする。手と頭とは常に交信しているわけだ。いやもう少し正確にいうならば、頭で考えたことを、テキスト、記号。図、崇信、スケッチで表現してみて、頭の中の考え方と比較しているといったほうがよいか。

 画家パブロ・ピカソは92歳まで現役で活動し、Wikでは「1万3500点の油絵素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶芸を制作し、最も多作な美術家であると『ギネスブック』に記されている」と記載されている。生涯2度結婚し3人の女性との間に4人の子供をもうけており、最後は65歳でフランソワーズ・ジローとの共同生活で息子と娘を設け、その後73歳でジャクリーヌ・ロックと結婚とある。まあ社会の制度に乗らなかった仕事であったこと、そして女がいたから、まあ手が早い!、というべきか、それで仕事をする意欲もあったと私は理解しているけど。

 そうなると人間は、社会制度、つまり何時間働けとか、定年は何歳だといった制度的しがらみ以外の仕事を持つべきなのだろう。ピカソもプラド美術館の館長を勤めたことがあり、彼の場合、社会制度に組み込まれたのは僅かの期間だった。

 手は頭の延長であるとする認識、社会制度に乗らないこと、女を絶やさないこと、つまり手が早くなること!、私の生活をみても世界をみても、そんな教訓しかないよ。


クロッキー帳NO45.

コメント
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