首里の散歩道
首里駅から首里城に向かって最初の横断歩道を渡ると街区一体が道流路的な扱いになっており、その道流路の中ほどに住宅街へ続く道がある。右手に首里そばと城壁を眺めつつ首里三箇と呼ばれる泡盛の酒蔵に通じる道だ。やがて崎山町のボーンターン積みの石垣を通り過ぎると、眼下に那覇の街の眺望がひらける。ここから城南小学校を巻くように坂道をあがるとカトリック首里教会にいたる。さらに植栽の続く道をゆくと、ほどなくウチャヤウドゥンシイジンと呼ばれる首里城時代の迎賓館跡にたどり着く。ここから坂道を下り石畳みの道を抜けると3件目の酒蔵に行き当たる。その先は首里城公園である。
時間があるときに訪れる首里の散歩道だ。泡盛と王朝文化を感じながら、アップダウンがあり突然眺望が開けたりして変化がある。首里そばで早めのお昼とし、午後は映画でも見て夜のフライトまでの時間をつぶすかーー。
牧志市場の徘徊
国際通りから市場本通へはいり、ほどなく小さな路地をみつけて裏道を歩く。やがて公設市場の脇を抜ける。夕方この界隈に行くとシャッターを降ろしている店が多い。おそらく朝の商いなのだろうか。そんな路地が錯綜する飲み屋街などがある裏道を進むと浮島通にゆきあたる。浮島通りを越し、市場街は国道330号線まで続く。この画像はそのあたり、国道に出る手前で撮影した。国道に出るといかにもバス停という空気が漂うの開南のバス停がある。国道をこすと地元農家が出店してくる農連市場がある。
農連市場は、今再開発で姿を変えようとしている。私も最後の昔の姿をかろうじて記録してブログに書いていた(ブログ:2015年8月19日〜23日)。今は半分ぐらいが大きなビルに建て変わり、尚今も建設工事進行中である。最後まで残っていた戦後まもなくの那覇の風景は、ついになくなってしまった。
桜坂に続く道
平和通りから沖縄では大変数が少ないお茶屋の角を曲がると桜坂に続く。桜坂はかっての狭隘な飲食店舗が密集していたエリアと聞いたが、土地区画整理事業が行われ整然としてしまい、街の空気は一変している。
それでもこの桜坂を上がると名画を上映する桜坂劇場がある。私も、ここでドキュメンタリー映画「岡本太郎の沖縄」をみた。アーティストの岡本太郎は、沖縄が本土に復帰する前から沖縄を訪れ激写していた。
そんなことをしているとサブカルチューの世界を歩いているみたいだが、すぐ後ろにはハイヤット・リージェンシーホテルが建っている。このホテルの街側に泊まると、客室から牧志市場の混沌とした空間が客観的に眺められて面白いところだ。目下のところ私好みのホテルである。
美栄橋
東横インの側を川が流れている。農連市場から途中暗渠で抜けてきたカーブ川が、このあたりで地上に顔をだす。そんな川沿いの風景が、おそらく昔の沖縄の空気を、ほんのちょっぴりだけ感じさせてくれるようだ。ここの東横インも国際通りに出やすく、歩いて行ける範囲に昔からの定食屋が6軒あり、すぐ近くにはジュンク堂があるので、個人的には便利なところだ。しかしここのホテルはいつも一ヶ月先まで予約で一杯である。
さて街の徘徊には、ニコンF3+MD4を持参していた。今日の画像はすべてフィルムで撮影した。そしてネガ、ポジ、ネガ、ポジの順に編集した。ネガはラチチュードが広範囲であり柔らかい描写だし、ポジはデジタル同等のくっきりした描写だ。個人的には、ポジで良いかと思うが、ネガカラーも捨てがたい魅力がある。
それにしても、那覇の街の古さに着目するとニコンF3+MD4がよく似合う。でっ、間違って使ってみたFUJIのISO400のフィルムで撮影した画像がラチチュードが広く柔らかい写りだ。これはなかなか使えと再認識。今1980〜90年代のニコンのボディやレンズは破格の安さで売られている。フィルム画像がデジタル画像より綺麗だなんてことがわかったら機材の価格が上がるから、ここだけの話にしておこうね。
散歩ガイドブック
1)那覇まちま〜いガイド編集部編:地元ガイドが書いた那覇まちま〜いの本,ボーダーインク,2017.
2)新城和博:ぼくの〈那覇まち〉放浪記,ボーダーインク,2015.
3)仲村清司,藤井誠二,普久原朝光:沖縄オトナの社会見学,亜紀書房,2016.
沖縄県那覇市首里・牧志
ニコンF3+MD4,AiAF Nikkor50mm/F1.4
Carl Zeiss MacroPlanar100mm/f2.0,RVP,PRO400H
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