なくなった風景ではなく、なくなる可能性がある風景といったらよいか。ゆいレール安里駅前の那覇市栄町市場である。牧志市場よりも生活よりといったらよいだろうか。那覇の中心から外れているので庶民的であり少し猥雑なところある界隈だ。
実際歩くとシャッターを降ろした店舗がめだち、おそらく経営者が高齢になって店を閉じ、それでいて新しい業態が出店する事がなく、いずれ消えてゆく街のようだ。店を開けているのは飲食店だけであり市場という物流の実態はなさそうだ。
市場、そして都市の賑わいの場が消える事は寂しいが、若い人達は小ぎれいな大型スーパーにゆく時代である。背後には食生活の大きな変化があった。すでに以前からの生鮮産品だけでは不足であり、洋食も中華もパスタもパンもケーキも、そして調味料もとなると海外からの輸入品等も含めてなんでもそろう総合スーパーの方が便利な時代である。
そんなわけで市場も撮影者の被写体からこぼれ落ちてしまった。次第に街は小ぎれいになり、どこも似たような風景が展開し、そしてつまらなくなった。
1969年の東京中央卸市場。今は豊洲に移転し開放型の流通市場に観光市場を付設し集客スポットとして建て替えられている。
OLYMPUS E-M1,M.ZUKO17mm/F2.8
Canon6L,50mm/f1,4
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