今の時代にフィルムカメラの二眼レフについて書くのですから、それ自体を知らない世代が増えているので、まわりくどい書き方になります。
被写体のアップはできるのか?。最短撮影距離1mですからマクロレンズではありませんし、レンズ交換も一部の機種を除けばできませんのでマクロ撮影はできません。でも被写体によっては、マクロ的な撮影は考え方によって可能ではないですか。
ここでは、葱坊主をアップで撮影しました。背景のボケ方は自然ですね。いわゆる背後などのボケは大変綺麗ですし、逆に画面全体にピントを行き渡らせれば、ものすごくシャープな画像になります。このあたりが、二眼レフの魅力かな。
さらにいえばこの頃の証明書用写真は、二眼レフで撮影していた。ネガをそのまま引き伸ばし機を使わないで密着プリントですから、大変画像がシャープなのです。ネガサイズ6×6cmにたいし、証明書用写真が3×4cm程度ですから密着プリントでゆけるわけです。今にしてみれば、かなり贅沢な証明書用写真になります。
ちなみに私の実家は、小学校6年頃まで写真屋をやっていた。当時はライツのコピーの国産カメラなども販売していましたが、たいした利益にはならなかった。その後プリント屋に転じてなんとか商いが続いたわけです。ミラノフォトサービスという名前でした。プリントの職人さんを雇い、そしてお袋が証明書用の写真撮影をしていました。写真屋とはいえ、同時高かったRolleyなどを買う余裕はとてもなく、その頃一番安かったRICHOの二眼レフでした。その二眼レフを構えてお袋がエイッ、ヤッという感じで撮影していたわけです。そんな体験があるから、このブログで写真の話題が多く登場するのもDNAのなせる技でしょう。
でっ、もちろん家は豊かではなかったから、その後私はいつもお下がりの標準レンズばかり。嫌気がさすほど標準レンズだったですもん。だから今では機材マニアにもなっちゃいますよ(笑)。
それはさておき、二眼レフは一部を除き標準レンズしかありません。それも潔すぎるわけです。だから機材を抱えて後ろに下がったり前に出たりでファィンダーの視界を調節する、つまり人間がズームだったわけ。それでも正方形というプリミティブな視界は、とてもアーティスティックで、今でもひかれるものがあります。正方形という幾何形体は、こだわり続けたら奥が深いです。
1995年筑波市春日、ROLLEIFLEX,Zeiss Opton Tessar1:3.5 f=75mm,Velvia100F
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