

エゾイワナに圧倒されつつあるM川水系KMP川の稀少オショロコマ。
2011-10-10 (月) 曇り のち雨

今回、初めての KMP川の最源流まで釣り登ってみたがヤマベとエゾイワナ化したアメマスが多い。特にエゾイワナが多い川である。

もしかするとオショロコマがいるのではないかと期待するのだが、釣れてくるのは当初エゾイワナばかり。
まわりをみると原生林は皆無で二次林、三次林、ないしカラマツほか何種類もの松の植林地が続く。

この細流は、一般的にオショロコマの棲む他の源流域の渓流と一見したところ外見的に同じだが、一つだけ大きな違いがある。すなわち、この川はいわゆる健全な原生林、オショロコマの森を流れているわけではないということだ。

かってこの付近一帯は入植地であったようで小学校跡地を示す石の記念碑もあった。
林道を相当の距離走って、流れがかなり細く、浅くなりまさに源流域といったあたりで、ついに小型オショロコマ2♀♀が釣れた。











しかし、その後は再びエゾイワナばかりであった。
天候が悪化しつつあり、一応オショロコマは確認できたので引き返すことにした。
しばらく下ったたまりでオショロコマ1♀、さらに数Km下ったおおたまりで最後のオショロコマ1♀を追加した。




結局、この日はオショロコマ4♀♀を釣って撮影できた。この渓流ではオショロコマは、現在かなり低密度だが広い範囲にかろうじて棲息していることがうかがえる。
ここのオショロコマが、おびただしい数のエゾイワナ化したアメマス勢力に圧倒・駆逐されつつあることがよくわかる釣果であった。
この日も撮影させていただいた渓流魚たちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。




KMP川と連なる本流M川は大型ニジマス繁殖水系として有名だが、幸い今回はまだニジマスの侵入は確認されなかった。
ここのように、アメマスがオショロコマを圧倒しつつある渓流は他にもあるが、どちらかというと山岳渓流よりも平野部渓流にそれが多い気がする。
知床半島ではウトロ側(オホーツク海側)はシマトッカリ川、羅臼側(太平洋側)渓流では伊茶仁川を境にアメマスは分布せず、知床岬方向の渓流はオショロコマ一色になることは興味深い。
それを明快に説明できる理由を長年、考えてきたが、そのうちこのブログでご紹介しましょう。
アメマス、オショロコマ混生水域では、一般に下流域(平野部)にアメマス、源流域(山岳地帯)にオショロコマといったパターンが一般的である。
この項、続く。 ヤマベを呑み込むどう猛アメマスは次項で登場します。


この渓流は源流域まで広大な松の植林地の中を流れていました。まわりは、すでにオショロコマの森ではなかったのです。

