

最後のオショロコマと巨大ニジマス、2014年、渚滑川支流サクルー川水系原子川
2014-6-15 (日) 曇ったり雨が降ったり
しばらく林道をもどったところで何となく、はるか下方に、もしかしたらといった小さなたまりを発見した。
この狭い林道で駐車スペースはまったくない。
今日、この林道に車はこない、クマさんしかこないと勝手に決め込み、林道のど真ん中に車を止め、かなり苦労して斜面を下り川に降りた。
私の姿を見て今日初めて見る小魚が1匹走ったような気がした。おおっ、魚がいた。

気を取り直して、せっせとさぐるがどこをさぐっても、やはりまったく魚信なし。やはり原子川のオショロコマは消えてしまったのだろうか。
ついにあきらめて私が竿をたたみはじめた時突然、妻が釣ったーっと叫ぶ。


彼女の得意技、元祖粘り釣りでほんの狭い水域で8匹のオショロコマが次々と釣れた。
完全に諦めていただけに涙がでるほど嬉しかった。
彼女が言うには30cmほどの2個の岩の隙間に総計8匹のオショロコマがまとまって隠れていてそれが一匹づつ釣れてきたという。
最初8匹は狭い一カ所に群れる形で泳いでいたが人間の姿を見て、8匹すべてが、ぴゆーっと逃げ込み、まとまって隠れたという。
しばらく間をおいてから、気配を消して慎重にエサを流すことを繰り返すうちに、やっと警戒心がとれて釣れ始めたもよう。









よくぞ生き残っていてくれた。オショロコマたちは水中で手早く撮影し全て丁寧にリリースした。
妻がでっかい魚も釣りたくなったというので原子川下流域の、いかにもニジマスポイントといったところでデカニジマス仕掛けに取り替え、振り込んだ。

とたん相当大きなニジマスがヒット。竿がギューンとつの字の形に思い切り曲がったところでパーンッと独特の音とともに針がはずれ巨大魚は遁走。
その後は当たり無く竿をたたんだ。彼女は竿が破壊されなかっただけもうけものなどとうそぶき、やせ我慢を言っていた。
結局、原子川での釣り果は、僅かに生き残ったオショロコマ8匹とデカニジマス1匹釣り逃がしといった悲惨な結果になった。
あれほどまでにオショロコマが多かった原子川の変わり様に、ひたすら愕然とするばかりであった。
降りしきる雨の浮島峠を越えて、高速道路を走り、丸瀬布から遠軽まで自衛隊車列の後ろをまったり、のろのろと閉口しながら走ったりしながら 約2時間40分で北見の自宅にもどった。
ひどく疲れた。渚滑川水系のオショロコマに今何がおこっているのか、このところ気になって仕方がなかった。
今回の調査で、私の予想を遙かに超える悲惨なオショロコマの状況が確認できたが、さてそれならどうすればよいのだろう。
このまま、漫然と渚滑川水系のオショロコマが消えてゆくのを見ているしかないのだろうか。
次週、また泊まりがけで滝上町へでかけて、今回調査できなかった残りの水域を調べてみる予定である。
この項、 続く。

