

早春、巨大ニジマスがオショロコマ生息域心臓部に遡上し産卵。
朝9時に北見市を出発。この日は、釧路川水系のとある支流に大型ニジマスが産卵に遡上していないか調べに向かった。
雨が降ってとても寒い。山道はひどくガスっている。
目的の川沿いの林道は雪が解けたばかりで、かなり荒れていた。
しばらくゆくと 太い大木が林道に倒れ込んでおり鋸でぎりぎりのところの枝を切ってやっと車がすり抜けられるようになっていた。
私のフォレスターではぎりぎりであった。川は増水してごうごうと流れ、水位がいつもより25cmは高い感じだが水は澄んでいた。



雨のなか笹の急斜面を滑り降りるように下って川岸にでた。早春の川は雪解けの増水でゴウゴウと流れるばかりで、たまりがほとんどない。
この時期、北見界隈の川の状況はどこも同じだ。やっと畳一畳ほどのたまりがありそこでオショロコマ アメマス幼魚を釣って撮影。















雨が降りしきりカメラが濡れ、撮影しにくくピントも合いにくい。オショロコマはここ独特の淡い明るい色調のオショロコマで腹は白、ヒレも赤や黄色にならない。
良型は4匹。川の状態は最悪だがオショロコマ魚体の状態はかなり良い。稀少なオショロコマは水中で手早く撮影後、全て丁寧にもとの場所にリリースした。
この特異なオショロコマが棲む渓流に、あろうことか放流ニジマスが繁殖中で、この時期、大型ニジマスが産卵のため上流域に遡上してくるのだ。
今日の目的はこの遡上ニジマス退治である。




F氏が44cmニジマスをかけ、岸に引きずり上げ私がむんずと掴んで確保。 そのあと私が54cm虹マスをかけこれは何としてもコントロール不能。
猛烈な引き。竿がつの字になって折れそう。必死に踏ん張るしかない。
まわりには魚を誘導できる浅瀬がない。うぃうぃと糸鳴りとともに魚に引きずり回される。
ついに敵は急流に乗って遁走を計る。竿をのされたらハリス切れは間違いない。流れに乗って走る魚と一緒に、私も川の中を必死に走った。
少し下流に浅瀬があり勢いずいている魚をそこへ何とか誘導、すごい勢いで浅瀬に突進した魚に、F氏が飛びついて確保した。




大型の2匹は一見♀のような顔つきだが、激しく放精し実は♂であった。ということは産卵行動中の♀もいるはずだが、その後はやや魚信が遠のいていった。
釣りチョッキが雨でぐしょぬれ。ポケットのバッテリーも濡れて放電してしまい、危うく撮影できないところだったが、別のポケットに濡れていないバッテリーを一個発見しニジマスたちの証拠写真を撮影できた。
雪解け水と降りしきる雨で川の増水激しく、これ以上の釣りは無理と判断して武装解除した。
この時期、雪解け増水にのって道東のオショロコマ生息域に大型ニジマスが遡上、産卵する。
この時期、そんな山奥に釣りにゆく釣り人は滅多におらず、産卵後の大型ニジマスたちはすみやかに源流域から下って本流域へと移動する。
そのため、早春、人気のない雪深い山奥、オショロコマの棲む源流域でニジマスが産卵していることを知る人は少ない。
しかし、そこのオショロコマが消えてゆくのを少しでも先送りするために、早春のデカニジマス釣りはわたしたちの年中行事となっている。
やにわにこんな記事をのせても、例えば一般のニジマス釣り愛好家の方々等に素直に信用してもらえる可能性は少ない。
現場をおさえ証拠写真を提示して地道に啓蒙してゆくしかないとおもう。
この項、続く。
近年、 放流ニジマスによる在来種オショロコマの被害は目に余る。しかし、その実態(http://blog.goo.ne.jp/dollyvardensalvelinus/e/c93883fda9f8c252a041180500cb8ba5 付近から連続記事あり
)は 一般のニジマス釣り愛好家の方々には ほとんど知られておらず、現状を知らぬまま ニジマス放流是か非か といった不毛の机上の空論がなされているように思われてならない。現状を知れば 今後どのようにしたらよいかは 自ずから先が見えてくるだろう。
2014年度調査での渚滑川のオショロコマの悲惨な現状には驚愕した。(http://blog.goo.ne.jp/dollyvardensalvelinus/e/92a66d2fcd8b7c832c7648b0f37cff64 付近から連続記事あり)
ニジマス放流の功罪と今後の方針に関する私見の関連記事と多数の写真 http://blog.goo.ne.jp/dollyvardensalvelinus/e/3fda9977da09b15e41a2cd0631348857 は オショロコマの森ブログ5 を覗いて見てください。

