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礼文島内路川のアメマス、ヤマベ
2009-9-26 晴れ 午後 寒い
礼文島にはほどなく到着した。さっそく内路川(ないろがわ)へ入ったが小型アメマスが13匹釣れた。
かってこの一見とても貧弱な渓流にはものすごい数の小型アメマスがいたのだが、当時と較べると比較にならないほど激減している。
かなり入念にさぐったのだが13匹しか釣れず、ほとんどいなくなってしまったと言ってもよいほど魚がいなかった。
川の周囲の自然度低下も著しい。ヤマベ成魚が一匹釣れたのでサクラマスも少し遡上しているようだ。
私が1986年9月14日にオショロコマ1♀を釣って撮影したのはこの渓流である。しかし、オショロコマをおもわせる個体は今回は見られなかった。
もしかすると、オショロコマに再会できるかと淡い期待を持ってきたのだが、残念であった。私が24年前に釣ったのは礼文島最後のオショロコマだったのだろうか。
ここで撮影させていただいた渓流魚は全て丁寧にもとの場所にリリースしました。
これまで礼文島内路川での釣りについて、いくつかの記載がある。
大八木一雄氏は 「思い出の釣行記 礼文島のヤマベ釣り」 で 1971年8月21日、 内路川でアメマス、イワナ、ヤマベを二人で合計450匹釣ったと述べている。当時の状況を知るものとしては450匹の釣り果は決して多い数ではない。ここでいうイワナとはオショロコマのことであろうか。
それとも上流域にみかける暗色調で白点が小さい所謂エゾイワナ化したアメマスのことであろうか。画像などで示されていないため、赤点紋理などなにか特徴めいた記載がなければここでいうイワナがオショロコマであったのかどうかは判断は難しい。
佐藤成史氏は著書「瀬戸際の渓流魚たち」で内路川での釣りについて 1996-9月にエゾイワナが多数釣れたがオショロコマやヤマベは釣れていないことを述べている。
今回、上記の情報を提供してくださった 田中 篤氏は 1999年8月5日に内路川で約3時間の釣り行でエゾイワナ14匹、ヤマベ1匹を釣ったがオショロコマはみかけなかったという。
これらの状況から、内路川のオショロコマは恐らく1980年代には消えてしまった可能性が高い。
その原因として乱獲や人為的な環境悪化、アメマスとの種間闘争に敗北、または地球規模の環境変化(温暖化など)が考えられるが全て推定の域を出ない。
1970年代にはヤマベがかなり釣れていた様子が伺えるがその後1980年代までには激減して、現在では僅かに命脈を保っているに過ぎないようだ。
大八木氏の紀行文を見るまでもなく、かっての北海道でのヤマベ釣り師たちの狂気(1匹残らず釣る)を思わせる熱情を知っている私としては乱獲による減少を最も考えたいがこれも推定の域を出ない。
少ないながらサケも遡上しているようだ。産卵行動後斃死したサケ。
この項、続く。
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