デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

ローリング・ストーンズ

2006-04-16 11:52:09 | Weblog
 先月29日にローリング・ストーンズの道内初公演が札幌ドームで開かれた。当地からも小生と同世代の方が数名行ったようだ。誘われたが月末でもあり、外せない会議の予定もあり已む無く断念した。中高校生の頃はマイルスやエヴァンスよりもストーンズを聴いていただけに少しばかり悔いも残るが、小生のように仕事のために粉骨砕身努力する人は、そう簡単に休めない。(本当か?)

 ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツがジャズの冠を付けたアルバムを数枚出していて、写真はその内の一枚。「Long Ago & Far Away」と題されたアルバムは、バーナード・ファウラーのヴォーカルを全曲にフィーチャーしたスタンダード集で、どうにもジャズ・アルバムとは言い難い。チャーリー・パーカーの「ウイズ・ストリングス」をバックに初期のクルーナー・スタイルのフランク・シナトラが唄っていると云えば察しがつく。ワッツの名がなければ恐らく売れないだろうし、帯に「チャーリーが愛して止まない、デューク・エリントン~」というキャッチ・コピーがなければ小生も買うことはなかった。

 コピーは続く。「コール・ポーター、ルイ・アームストロングといった偉大なミュージシャン達の素晴らしさを再発見させてくれる」と。このアルバムを聴いてもスタンダードの魅力は再発見できても、ミュージシャン達の素晴らしさは再発見できそうもない。看板に偽りありだが、買った以上、納得する良い点を見つけるのを信条としている。コール・ポーターの「In The Still Of The Night」は、ジュリー・ロンドンやジョー・スタッフォードのスロー・テンポが定番になっているが、こちらはアップ・テンポで静かな夜が、賑やかな夜に変わる。再発見だ。パーカーのようなソロも聴ける。これで納得。

 当地から札幌まで車で約5時間要する。還暦を過ぎたストーンズを聴きに行った人は皆還暦前で、自由業の人もいるが、殆どは平日に時間を割けない立場にいる。札幌で急な身内のご不幸があった人が多いらしい。
コメント (6)
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