「ジャズより他に神はなし」で知られる平岡正明さんの著作は100冊を超えるが、徹底した研究とアドリブが入るので、平岡さんの本は厚いものが多い。「平民芸術」は4センチもあり、まだ1センチほどしか読んでいない。評論は暫く間をおいても前ページとの繋がりが薄いので続けて読めるのだが、小説となるとこうはいかない。笠井潔さんのミステリー「哲学者の密室」は5センチを超える労作だ。途中まで読んで1週間も間をおくと解けかけた謎も、また謎になっているものだから数ページ遡らないと主人公の名前すら忘れていたりする。読み終えるのに笠井さんが書く以上にかかった。
平岡さんは昨年、「大落語」という本を書かれている。上下巻2冊でかなりボリュームがありそうだ。全部読みきる自信がないものだからまだ未購入だが気にかかる。ジャズと落語は相通じるものがあって、ジャズ評論家の油井正一さんはジャズの歴史を落語仕立てで解説していた。破滅型芸人と言われていた頃もある落語家、川柳川柳(かわやなぎせんりゅう)師匠の噺に「ジャズ息子」という創作落語がありジャズ・ファンには一度は聞いて欲しい傑作だ。
ジャズに夢中になって友達を集めてジャズの演奏をするうるさい息子と、日本古来の義太夫に凝っている父親との噺で、ジャズと義太夫という組み合わせが面白い。いろいろな楽器を口でやってみせ、両者の様子を交互に演じるあたりは圧巻。まさに軍歌からジャズまで熟す師匠の独壇場だ。毒が効いた文明批評もあり、にやりとさせられる。落ちは明かせぬが、ジャズファンなら、にやりとする「ジャムセッション」がくすぐりとなっている。
小生は噺のジャズ息子のように楽器はできないが、大きな音でジャズをかけ軍歌を歌う父から怒られたものだ。当時のジャズ息子は、今ジャズ親父になっている。
平岡さんは昨年、「大落語」という本を書かれている。上下巻2冊でかなりボリュームがありそうだ。全部読みきる自信がないものだからまだ未購入だが気にかかる。ジャズと落語は相通じるものがあって、ジャズ評論家の油井正一さんはジャズの歴史を落語仕立てで解説していた。破滅型芸人と言われていた頃もある落語家、川柳川柳(かわやなぎせんりゅう)師匠の噺に「ジャズ息子」という創作落語がありジャズ・ファンには一度は聞いて欲しい傑作だ。
ジャズに夢中になって友達を集めてジャズの演奏をするうるさい息子と、日本古来の義太夫に凝っている父親との噺で、ジャズと義太夫という組み合わせが面白い。いろいろな楽器を口でやってみせ、両者の様子を交互に演じるあたりは圧巻。まさに軍歌からジャズまで熟す師匠の独壇場だ。毒が効いた文明批評もあり、にやりとさせられる。落ちは明かせぬが、ジャズファンなら、にやりとする「ジャムセッション」がくすぐりとなっている。
小生は噺のジャズ息子のように楽器はできないが、大きな音でジャズをかけ軍歌を歌う父から怒られたものだ。当時のジャズ息子は、今ジャズ親父になっている。