デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

北海道新幹線と Blue Train

2016-04-03 09:05:39 | Weblog
 先月26日に開業した新幹線で北海道が沸いている。E5系とほぼ同仕様のH5系と呼ばれる流線型の車両は見るからに速そうだし、何よりも美しい。鉄道マニアではないのでE5系と聞いてもピーンとこないが、レコードマニアのブルーノート1500番台と同じように鉄道ファンにとっては憧れの車両のようだ。高速化に向けた課題もあるとはいえ新幹線で本州と北海道が結ばれることは喜ばしい。

 電車、列車、鉄道のジャケットが何枚かある。レトロな汽車に追いかけられるジャック・ウィルソンの「Ramblin'」に、鞄一つぶら下げて貨物列車にただ乗りするジミー・スミスの「Midnight Special」、訳ありの女性が列車で一人旅するレイ・ブライアントの「Lonesome Traveler」、昼間ジャズ喫茶でリクエストしても受け付けてくれないオスカー・ピーターソンの「Night Train」。そして、「Night Train」が新青森発なら、新函館北斗発はグイードとも表記されるギド・マヌサルディ(Guido Manusardi)の「Blue Train」だ。進行方向とタイトルが少し違うだけなので、青函トンネルを抜けたあとでは見分けが付かない。

 イタリア出身で欧州各地を転々と回りながらその地を訪れるアメリカのミュージシャンと共演することで腕を磨いたピアニストだ。このアルバムは当時住んでいたスウェーデンで67年に録音した初リーダー作で、ベースは地元のスチュア・ノルディン、ドラムはアルバート・ヒースが参加している。このヒースのサポートが素晴らしく、マヌサルディのジャズ・フィーリングを余すことなく引き出している。「Poinciana」、「Autumn Leaves」そして「I Fall In Love Too Easily」、お馴染みのスタンダードはよくありがちな欧州の理論ピアノではなくスウィング優先のアメリカン・スタイルだ。

 H5系の色は上部が常盤グリーン、下部は飛雲ホワイトでその境目となる中央に彩香パープルの帯が入っている。雄大な北海道の大地を走るのに最高のデザインと色だ。北海道日本ハムファイターズは、この配色でユニフォームを作っている。開業日の試合で着用したのでご覧になった方もおられよう。札幌までの延伸は2030年の予定だが、球団、道内企業、道民が一体となれば早くなるかもしれない。
コメント (6)
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