コタツ評論

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ミリオンダラーベイビー

2005-11-17 14:24:43 | ノンジャンル
他愛ないが、泣ける場面。フランキーが新調したガウンをマギーに着せるところ。男が女に何かをプレゼントする。「他の人のものかと思っていた」。好きな男からプレゼントされた女の舞い上がりたいような喜び。その喜びを喜びとするときの男の微笑。覚えのある人は思い出すよ。
まだまだある。「あなたは私を見ていた!」「哀れみをこめてな」「嘘をつかないで!」「・・・」。70歳をとうに過ぎた男でも、こんな風に口説かれたら地獄にだっていきまさあね。
「アイキャント」。フランキーは木偶のように繰り返す。練習でも試合でも、けっして、「アイキャント」とはいわず、他人にもいわせない男が。
「私の名前を呼ぶ観客の声が聞こえなくなるのが怖い」とマギー。多くの元ボクサーに取材したのだろう。どうしてか、前ボクサーとはいわない。ボクサーがたんなる職業ではないからだろう。
「誰でも一度は負ける」。負けたデンジャーの口許に浮かぶ自嘲の笑み。「俺はダメさ」。夢見る瞳が現実の苦さに曇るとき。しかし、デンジャーはジムに戻ってくる。スクラップがはじめてみせる晴れやかな笑顔。
ところで、女性ボクシングの世界タイトルマッチのギャラが100万ドル! 男の日本チャンピオンや東洋太平洋チャンピオンはギャラ100万円ももらっているかしら。
コメント
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