『雨ン中の、らくだ』(立川志らく 太田出版)
ライバルである兄弟子の談春がものした『赤めだか』に続く、志らくによる談志論と落語修行の記録。談志と自らにかかわる「松挽き」から「芝浜」まで18の噺を通して、「落語は人間の業の肯定」「落語はイリュージョン」という談志持論を解釈していく。『赤めだか』に劣らぬ良書。解説はわかりやすく、めざすところも説得力豊か。しかし、結局、落語を論じるのは落語家しかできないんじゃないかと首を傾げた。
『レヴィナス-何のために生きるのか』(小泉 義之 NHK出版)
109頁の簡便なレヴィナス入門書。引用される原文は、たしかに難解。用語ではなく言い回しの意味が取りにくい。でも、認識は深い、ということだけはわかる。
『奴らが哭く前に-猪飼野少年愚連隊』(黄 民基 幻冬舎筑摩書房)
昭和30年代、後に山口組と抗争を起こす明友会に憧れる大阪猪飼野の少年愚連隊の興亡。ただし、少年とは小学生である。明友会が殲滅された後、少年たちのその後が痛切である。
『私物国家-日本の黒幕の系図』(広瀬 隆 光文社)
広瀬隆の本はほとんど読んだことがないが、1,800円が105円とはあまりに気の毒なので。もちろん、広瀬氏に印税は入らないわけだが。
『世界の絵本画家たち』(ちひろ美術館・編 講談社)
タチヤーナ・マーヴリナ、エフゲーニー・ラチョフ、ボリス・ディオドロフなど、ロシアの画家の絵がとくにすばらしい。
『百万遍-古都恋情 上下』(花村 萬月 新潮文庫)
ハクイ女とヤル。男のいちばんの出世はそれだというコンプレックス小説。おいおい、と呆れながら上下巻読んでしまった、情けない。京都タウンガイドブックとして多少楽しめる。
(敬称略)
ライバルである兄弟子の談春がものした『赤めだか』に続く、志らくによる談志論と落語修行の記録。談志と自らにかかわる「松挽き」から「芝浜」まで18の噺を通して、「落語は人間の業の肯定」「落語はイリュージョン」という談志持論を解釈していく。『赤めだか』に劣らぬ良書。解説はわかりやすく、めざすところも説得力豊か。しかし、結局、落語を論じるのは落語家しかできないんじゃないかと首を傾げた。
『レヴィナス-何のために生きるのか』(小泉 義之 NHK出版)
109頁の簡便なレヴィナス入門書。引用される原文は、たしかに難解。用語ではなく言い回しの意味が取りにくい。でも、認識は深い、ということだけはわかる。
『奴らが哭く前に-猪飼野少年愚連隊』(黄 民基 幻冬舎筑摩書房)
昭和30年代、後に山口組と抗争を起こす明友会に憧れる大阪猪飼野の少年愚連隊の興亡。ただし、少年とは小学生である。明友会が殲滅された後、少年たちのその後が痛切である。
『私物国家-日本の黒幕の系図』(広瀬 隆 光文社)
広瀬隆の本はほとんど読んだことがないが、1,800円が105円とはあまりに気の毒なので。もちろん、広瀬氏に印税は入らないわけだが。
『世界の絵本画家たち』(ちひろ美術館・編 講談社)
タチヤーナ・マーヴリナ、エフゲーニー・ラチョフ、ボリス・ディオドロフなど、ロシアの画家の絵がとくにすばらしい。
『百万遍-古都恋情 上下』(花村 萬月 新潮文庫)
ハクイ女とヤル。男のいちばんの出世はそれだというコンプレックス小説。おいおい、と呆れながら上下巻読んでしまった、情けない。京都タウンガイドブックとして多少楽しめる。
(敬称略)