コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

涙のチャーハン

2020-04-29 07:28:00 | 食べ物
「家にすっこんでろ!」といわれて、全国的に昼飯問題が浮上しております。家族で昼飯となれば、そのメニューは、焼きそばか、スパゲッティナポリタンか、チャーハンしか思い浮かばない、というご家庭が多いかと存じます。

おかあさんが作ったものはそれなりに美味しいはずですが、「たまには俺が作るよ」とキッチンに立ったおとうさんの場合はどうでしょうか。たいていクソ不味いものが出来上がり、家族の信望をさらに失うという場面が予想されます。

そこで、今回はコウ・ケンテツから学びましょう。BSで放映されていた「アジアの食卓」を訪ねて歩くシリーズはよかったですね。

【完全保存版】料理研究家コウケンテツが教える市販の袋麺とソースで最高に美味しい極上の焼きそばをつくる3つのポイント



シャキシャキの野菜炒めと、ソース味がしみ込んだ焼き麺をべつべつに作るのがポイントのようです。2人分に対して添付のソースを1袋しか使わないのもなるほどです。たいてい、水を差してから添付のソースを入れて、びちゃびちゃのソースの味しかしないか、「これではいかん(汗)」とそれを炒めすぎて、まるで見かけ××のような焦げ味しかしないものになりますからね。

【完全保存版】超簡単!料理研究家が本気で教える!喫茶店の味をおうちで再現する方法!絶品ナポリタンの作り方



ウインナーを超斜めに薄くチョリソ切りにして火を通りやすくする、茹で上がりのスパゲッティにマヨネーズを和えてコクを出すなどにはなるほどでした。やはり、ソースと麺を別々に作るのがポイントですね。たいてい、玉ねぎとウインナを炒めてから麺を入れて、ケチャップどぼどぼ味付けしながらフライパンをぶん回して、赤い焼うどんが皿にのるという赤面の結果ではなかったでしょうか。

これに、「あみ印チャーハンの素」を使った、けっしてママではなく、「昭和のかあちゃん」がつくった、ネギだけチャーハンが加われば、どなたの胃袋にも最強のメニューとなるはずです。作り方は↓です。

映画に観る名シーン02 「最後のチャーハン」タンポポ


小学ガキの頃は町工場街の大田区蒲田にいたので、近所にはこういうとおちゃんやかあちゃんばかり、その家の「マサル」「ケイコ」「カツミ」「ヨシアキ」ちゃんたちが遊び友だちでした。

19歳の頃、伊丹十三のエッセイで、コーヒーは豆を挽いてドリップするもの、スパゲッティはアルデンテに、といったスノッブな生活知識を得たものですが、伊丹十三がネギチャーハンにまで通暁しているのには驚きました。

映画では登場しませんが、ふつうチャーハンといえば、「あみ印チャーハンの素」を使うと決まっていました。しょっぱいピンクの粉末で2袋で、3合か4合のご飯を炒められます。



いくらねだっても、買ってくれなくて、叱られて、あるいはいじめられて、涙をこらえながらネギチャーハンをかきこんだことのない人は、幸せな子ども時代はなかったといえます(いえねーよ)。

(敬称略)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 名もない時代の名もない国で | トップ | 再びネギチャーハンについて »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

食べ物」カテゴリの最新記事