コタツ評論

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鰯雲人に告ぐべきことならず

2019-09-22 04:45:00 | ノンジャンル
庭に防草シートを張った経験からいうと、屋根にブルーシートを張る作業は短時間に済む簡単な作業といえる。

難しいのは屋根に上って降りることだ。装備も経験もない素人が試みるのは、危険極まりない。ましてや、瓦などが飛ばされて雨漏りがするような破損した屋根には、専用の足場が無いなら解体屋や鳶職でも上がらない。

そんな知見がありながら、私も屋根に上がろうと思っていた。TVのアンテナ線がショートしていて、交換する必要があったからだ。

TVのアンテナケーブルを付け替える作業自体はそれほど難しくはなさそうで、作業時間も30分はかからなさそうだった。

問題は屋根にどうやって上がり、降りてくるかだった。2週間ほど真剣に検討したが、どう考えてみても「多少の危険」では済みそうに思えなかった。

ならば、電気工事などの専門業者に依頼すればいいだけなのだが、引っ越しでかなりの出費を強いられて、とにかく節約したかった。命やケガと数万円のどちらが惜しいかを2週間も考えたわけだ。

台風15号の被害に遭った千葉県下では、これまでに屋根からの転落事故で52人もケガ人が出ていると知った。

もちろん、TVアンテナどころの話しではないく、雨露を凌ぐ屋根の補修を迫られながら、頼みたくとも業者は払底しているなど千葉の被災者の深刻さには比べようもない。

それでも、「なんとかしなければ」と焦燥感に駆られながら屋根を見上げただろう人たちを他人事には思えない。

建設現場では、朝礼の最後に、KY活動(ケイワイ=危険予知)として、夏場なら熱中症をはじめ、転落や倒壊など最近の現場事故例を紹介し、身近な危険に注意を促した後、みなで「ご安全に!」と唱和するのを慣例としている。

屋根の上にはイワシ雲が広がっているが、また台風が近づいているそうだ。被災している方々をはじめとして、みなさん、どうか「ご安全に!」。

※タイトルは、https://twitter.com/karanotomo/status/1174462986242555904 から拝借しました。


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