Zooey's Diary

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カッパドキア

2008年09月07日 | トルコ旅行2008
カッパドキアという、なんとも不思議な語感の名前は、ヒッタイト語なのだそうです。
有史以来初めて鉄器を使ったという、あのヒッタイト族の言葉です。



標高千メートルを超えるアナトリア高原中央部に、見渡す限り岩石地帯が広がる台地がカッパドキアです。
キノコやエントツ、ラクダのような形の奇岩・巨岩が果てしなくそびえ立つ様は、とても地球上の景観とは思えません。何処か他の惑星に来たようです。
この不思議な風景は、柔らかい地層と硬い地層が、途方もなく長い年月をかけて、重なり合い侵食されて生み出されたのだそうです。

歴史の本やガイドブックによると、3世紀半ばにローマ帝国の弾圧を逃れたキリスト教の修道士たちが、ここに移り住んだのだそうです。
彼らが作った住居・教会などが、今も無数に残っています。12世紀に作られたという洞窟教会には、当時のフレスコ画が今も鮮やかにありました。
クリスチャンたちは、常にペルシャやイスラム勢力に追われていたので、隠れ場所を、どんどん地下に掘り下げていったのだそうです。
1985年に発見されたカッパドキアの地方都市カイマクルには、地下8階、深さ65メートルに及ぶ巨大なものが。
地下1階にワイン製造所、地下2階に食堂、他に居間、寝室、そして最下層に教会。地下5階をつなぐ通路には、外敵が襲ってきた時通路をふさぐため、1トンもの大きな石を転がして通路を閉じる仕掛けもあるのですって。



カッパドキアは、夏は最高温度35度にも上がる(私が行った時も非常に暑かった)のに、冬はなんとマイナス25度まで下がり、一面雪に覆われるのだそうです。
現地人ガイドは、洞窟の中は、年中17,8度に保たれて快適なのだと説明してくれました。
確かに、洞窟の中に入るとひんやりとしました。
しかし、あくまで小さな洞穴なのです。
光も射さず、風も入りません。
勿論、通気孔が完備していて呼吸はできますが、潜るにしたがってどうしようもなく息苦しく感じました。
こんな暗い洞穴に2,3日のキャンプならともかく、永住するなんて、私には考えられません。
こんなところに何世紀にも渡って隠れ住んでまで守ろうとした宗教というものの、人間に与える力の凄さを、改めて考えさせられました。
コメント
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