6日目。
上の地図の、一番下にある横長の大きな島が、クレタ島です。
ここには紀元前18~16世紀頃に栄えたミノア文明のクノッソス宮殿の遺跡があります。
クノッソス宮殿!
子どもの頃親しんだ、ギリシャ神話に出てくる巨大な宮殿。
そこには入ったら二度と出られないという迷宮があり、その奥に住む牛頭人身の
怪物ミノタウロスは、アテネの子どもたちを生け贄として食べていた。
その怪物をやっつけようとアテネの王子テセウスが向かうのですが
クノッソス王の娘アリアドネが、彼に一目惚れするのです。
複雑な迷宮から脱出できるようにと、マリアドネは彼に糸玉を渡す。
テセウスは怪物を倒し、入り口に結び付けられた糸を手繰って無事に迷路を脱出。
そこから、難問解決の道しるべのことを「アリアドネの糸」と言うようになったようです。
しかし、その後、アリアドネは酒の神ディオニッソスに手籠めにされ、
テセウスは恩人アリアドネを簡単に見捨ててしまう。
子ども心になんだかなあと思ったことを覚えています。
このクノッソス宮殿にはまた、ダイダロスとイカロスの話もあります。
この迷宮を設計した科学者ダイダロスは、迷宮を破られてしまった罪で
息子イカロスと共にミノス王によって、塔に幽閉されてしまう。
科学者ダイダロスは鳥の羽を使って巨大な翼を作り、そこからの脱出を図ります。
決して高く飛びすぎてはいけないと息子に忠告するのですが
大空に舞い上がる嬉しさにイカロスはつい高く飛びすぎ、
接着剤に使った蠟が太陽の熱で溶け、哀れまっさかさま。
「イカロスの翼」という言葉が人間の傲慢さや科学への過信を批判する言葉として
使われるのは、そこから来ているようです。
1000以上もの部屋があったとされる宮殿跡は、今は殆どが崩れ落ち、
大半は土台が残っているだけの、広大な土地でしたが…
あの神話の舞台が、実在していたなんて
それだけで感激ものでした。
広大な遺跡の片隅に、クジャクがいたのが印象的でした。
(遺跡にも犬がいた)
参考にさせて頂いた本
「ギリシア神話を知っていますか」 阿刀田高
「名画の謎ギリシャ神話編」 中野京子