Zooey's Diary

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歌舞伎「桜の森の満開の下」

2017年08月22日 | 劇、オペラ、コンサート


昨夜、八月納涼歌舞伎「桜の森の満開の下」を鑑賞。
野田秀樹と坂口安吾と歌舞伎のコラボ。

私はごく若い学生の頃、野田秀樹の舞台を観ていた時期があったのです。
駒場東大の、物置のような古く汚い小劇場(小劇場のような物置と言うべきか)で。
友人がその演劇に関わっていたので、よく誘われて。
まだ若い野田秀樹や如月小春が、夢の夢眠社として活躍していた頃。
訳が分からないままに、言葉遊びや、狭い舞台の熱気に圧倒されました。
こうして書いていても、あの駒場のうっそうとした緑の草いきれや
埃臭い物置や、汗の匂いが蘇って来るようです。



で、納涼歌舞伎。
行きの電車の中で青空文庫の「夜長姫と耳男」(坂口安吾)だけ読んで。
ヒダの王家の下に、夜長姫のために仏を造るように招かれた匠・耳男は
両耳をそぎ落とされながらも、必死になって仏を彫り続けるのだが…
耳男を勘九郎、夜長姫を七之助。

只でさえ分かりにくい坂口安吾の世界を、野田秀樹が口笛吹きながらいじりまくって
それを歌舞伎の舞台に表現した、という感じ。
天智天皇の時代なのに、舞台には冷蔵庫やヤクルトが現れる。
広い舞台の上に、所狭しと奇怪な鬼たちが跋扈する。

訳が分からないままに、それでも終盤、私は落涙。
舞台中央の巨大な桜の樹から花びらが降りしきり、プッチーニの「私のお父さん」が流れ、
夜長姫が息絶えるところで。
「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならない」
という夜長姫の言葉が、いつまでも耳に残りました。



その後、帝国ホテルのオールド・インペリアル・バーへ。
お酒が弱い私はバーなんて殆ど無縁で暮らしているので、とても新鮮。
帝国ホテルの中2階の、あんな奥まったところに隠れ家のようにあったのですね。
コメント (8)
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