Zooey's Diary

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「喜望峰の風に乗せて」

2019年01月17日 | 映画


この作品の感想を書くことは難しい。
私は普段、映画の感想を書くときストーリーについては、予告編で知り得る内容までにとどめています。
未見の人の感動や驚きを奪っては申し訳ないと考えるからです。
しかしこの映画に関しては、ネタバレをしないことには感想も批判も書けない。
ということで、最初にお断りします、ネタバレありです。

1968年、ヨットの単独無寄港世界一周レースに参加した男の実話に基づく海洋冒険ドラマ。
航海計器の会社を経営するビジネスマンのドナルド・クロスハート(コリン・ファース)は、
会社経営が行き詰ったこともあり、人生の一発逆転を狙ってレース参加を決意します。
スポンサーを募ってヨットを造り、大きな借金を抱え、愛する妻(レイチェル・ワイズ)や
子どもたち、街中の人々に見送られて出発。



しかしヨットは次から次へとトラブルに見舞われて、操縦不能となる。
ドナルドは自分の甘さを痛感することになります。
レースコースは、イギリスから大西洋を南下して喜望峰から南氷洋、
オーストラリアの南から南アメリカの南端ホーン岬を廻ると設定されているが、
いつまでたっても大西洋から抜け出せない。
大きな借金を抱えてレースをリタイアすることは、身の破滅を意味する。
かと言ってこのまま航海を続けても、遭難することは目に見えている。
思い余ったドナルドは、実際よりも進んでいるように無線で報告してしまう。
妻子や地元の人々、マスコミはドナルドの優勝への期待に湧き立ちます。
孤独と焦燥に駆られたドナルドがしたことは…

大海原を何か月もあてどなく漂う、小さなヨット。
嘘をついてしまったばかりにその後、無線で連絡をすることもできなくなり、
日々やつれて行く男の姿が悲しい。
死ぬも地獄、生きるも地獄。
一人の人間の孤独と苦悩とが、痛いほどに伝わります。



「喜望峰の風に乗って」という邦題、そしてこのポスター、予告編から
実話を基にしたサクセス・ストーリーだと思い込んでいました。
喜望峰に行ってもいないのにこの題って、これはミスリードではないでしょうか。
原題は「The Mercy(慈悲)」。
もっとも只でさえマイナーな作品なのに、内容を正直に伝えたら
集客率は更に下がってしまうのかもしれません。
東京は日比谷シャンテのみの上映。

公式HP http://kibouhou-movie.jp/

#welovegoo
コメント
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