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Zooey's Diary

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アカデミー賞有力候補「ノマドランド」

2021年04月06日 | 映画

この映画は先週観ました。
ゴールデン・グローブ賞の作品賞&監督賞を受賞、アカデミー賞の本命候補とも言われているようですが、私はあまり好きにはなれず、なので感想を書くのも遅れたのでした。



リーマンショックの煽りを受け、住まいも職も失った60代女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)。
夫も亡くなり、ひとりぼっちの彼女は、あちこちで肉体労働をしながら車上生活の遊牧民(ノマド)として生きていく。
アマゾンの巨大な工場での仕分け作業であったり、国立公園のキャンプ場の清掃であったり。
そういった短期の職場や、オートキャンプ場でのノマドのコミュニティなどで人々と語り合ったりはするが、あくまで深入りせず、さらりとした付き合い。
それぞれが事情を抱え、人生の悲しみや喪失感などを背負っている。



彼女に好意を寄せる男性ディブや、口喧嘩をしながらも同居を勧める姉もいるが、ファーンはそういったところでの束の間の滞在を楽しむものの、ひっそりとそこを離れる。
厳しい冬の大自然の中、狭くてみすぼらしい車の中での一人っきりの生活を、彼女は選ぶ。
それは、亡き夫との思い出を大切にしたいというファーンの矜持なのか。
これといったストーリーも盛り上がりもなく、ドキュメンタリーのように淡々と彼女の生活が描かれる。
ファーンが一本道で車を走らせ、雄大な風景に吸い込まれて行って、映画は終わります。



画面に現れる大自然の光景は、息を呑むほどに美しい。
作品の根底を流れるのは、米国の自由を尊ぶ、独立独歩の精神か。
ファーンとディブ以外の出演者は、みな実際の車上生活者なのだそうです。
この作品を観て、魂が洗われるようだとか究極の癒し映画だとか言う人もいる中で面白くなかったと言うのは、感性の鈍さを暴露するようで気が引けるのですが。
それでも私は、しっかりとストーリーがあり、感動する山場があり、人と人とがぶつかり合う映画が好きなのです。
コメント (6)
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