三浦しをん氏の「仏果を得ず」を読んで以来、ずっと文楽を観てみたいと思っていました。
昨日、国立劇場でようやく叶いました。
チケットを申し込んだ6月の際には、9月中旬にはコロナは余程収まっているかと思ったのですが…
伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)。
伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)。
「沼津の段」では、東海道中を急ぐ十兵衛が、貧しい老人足の平作を気の毒に思い、荷物を持たせる。
平作は喜ぶが、重い荷を持ってろくに歩けず、結局足を痛めてしまう。
十兵衛は平作の家に寄ることになり、美しい娘・お米が精一杯のもてなしをするが、ひょんなことから十兵衛は実は幼い時に養子に出された、その家の息子であることが分かる。
そこまでは分かりやすいのですが、実は十兵衛と平作はある仇討騒動の敵同士であり、親子と名乗れない事情があったのです。
親子の情愛と義理人情が複雑に絡まり合い、それが大勢の人を巻き込んで「伏見北国屋の段」「伊賀上野敵討の段」と続きます。
舞台の人形の動き、右袖の太夫の語り、三味線、そして舞台の脇上の方にある字幕、その三ヶ所を目で追うのに精一杯。
親子の情愛というのはいつの時代も変わりませんが、仇討ちの義理人情というのは分かりにくいなあ…
初演された1783年の頃は、人々は深く納得しながら鑑賞したのかしら?
その頃の演目が今も変わらず上演されるというのも、考えてみれば凄いことですが。
国立劇場の小劇場は、コロナのせいかガラ空きでした。
幕間であっても、ロビーでちょっと喋ると係員に注意されるのには驚きました(勿論マスクしているのですが)。
銀座「オステリア・ダ・カッパ」で食事を。
カルパッチョのサラダ仕立て、イチジクの生ハムとゴルゴンゾーラ添え、アワビのトマトソースリゾット、ローストポーク、パンナコッタの八朔ソース添え。
久しぶりの銀座で秋の味覚、美味しく頂きました。