何があっても次の総選挙は消費増税選挙である
衆議院の任期は2013年8月29日で満了になる。あと1年を残している。しかし、野田佳彦氏は消費増税法案を参議院で可決、成立させるために自民党の谷垣禎一氏、公明党の山口那津男氏と密談し、「近いうちに」総選挙を実施することを決めた。
「近いうちに」が「2013年8月まで」の意味ならば密談の意味はなくなる。
自民党の谷垣禎一氏は、総選挙日程が先送りされると、9月の自民党総裁選で自民党代表の地位から降ろされる可能性が高まる。
そこで、野田氏に早期の解散・総選挙を求めたとされる。
消費増税法案は可決されたが、赤字国債発行法案はまだ可決されていない。赤字国債発行法が成立しないと、赤字国債による財源調達ができず、政府機能がマヒする可能性が生まれる。
遅くともこの法律は10月までに成立しなければならず、その可否が危ぶまれている。
谷垣氏としては、この法律を人質にして野田氏に解散・総選挙を迫れるということになるが、そのような強気の交渉姿勢を谷垣氏がとることができるか。明確ではない。
総選挙をめぐる大きな背景として考えておかねばならないことは、消費増税を主導している財務省が、総選挙日程をできるだけ先送りしたいとの意向を有していることだ。
消費増税法案の可決から時間を置かずに総選挙を行えば、総選挙が消費増税選挙になってしまう。これを財務省は避けたいのだ。
考えてみると、消費増税に賛成しているのは、日本の利権複合体である。
米国は日本からの上納金の財源が枯渇しないことを強く望んでいる。
官僚機構は天下り利権などの官僚利権を温存するために、消費増税を求めている。
財界は庶民に消費増税を押し付ける見返りに、法人税減税という利得を確保している。
利権政治屋は消費増税に賛成する見返りに、巨額の公共事業利権を得ることを財務省と確約した。
消費増税推進偏向報道を続けるマスメディアは、利権複合体の広報機関と化すことにより、利権のおこぼれを頂戴しようとしている。
この、米・官・業・政・電の五者=悪徳ペンタゴンが結託して、庶民に巨大増税を押し付ける政策が推進されているのだ。
これこそまさに「共謀共同正犯」である。
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この利権複合体にとっては、誰も真の悪役にならず、この巨大増税を強引に実現してしまうことが、最大の利益になる。
すでに、民自公の三党は結託し、大政翼賛会同然の対応を示しており、今後についても、民自公が大政翼賛体制を維持してゆくとの腹づもりを持つなら、あえて、早期解散に進んで、消費増税法の崩壊を招くリスクを冒す必要はなくなる。
このような利権複合体の談合状態が存在している可能性を否定できない。
消費増税法が可決されたと言っても、肝心要の主権者国民の同意を取り付けていない。
自動車免許に例えれば「仮免許」の状態で、「総選挙」という「本試験」に合格しなければ消費増税法は意味を持たない。
8月11日の朝刊各紙で、このことを的確に指摘したのは北海道新聞、中日新聞、西日本新聞などの地方ブロック紙だけで、全国紙は、「これで増税が決まった」、「賞賛すべき法律成立」といった提灯記事ばかりを前面に押し立てた。
日本のマスメディアが堕落し、権力の手先に成り下がっていることを改めて象徴する紙面構成だった。
国会が消費増税を決めたが、それは主権者国民との約束=契約を政権が踏みにじるものである。2009年、2010年の国政選挙で、主権者国民は消費増税を明確に否定してきた。
この「民意」を踏みにじって政府が行動するなら、何のための政権交代、何のための政権選択であったのかということになる。
日本の民主主義の根幹を破壊する暴挙を野田内閣が推進しているのである。
日本の民主主義に大きな汚点を残さぬようにするためには、何があっても、次の総選挙を「消費増税選挙」として、主権者国民が政治権力の暴走、国会の暴走にストップをかけなければならない。
国会が暴走して消費増税法を成立させてしまったいまこそ、このアピールをすべての国民に広げてゆかなくてはならない。
利権複合体と結託するメディアは、消費増税法成立後は、消費増税問題についての論議を行わないように誘導している。
いじめ、オリンピック、竹島、尖閣だけを報道し、消費増税問題についての国民論議を遮断しようとしている。
この現実を踏まえて、主権者国民は、逆に、消費増税論議を活発化させることが不可欠である。
いかなる総選挙先送り作戦が取られようとも、選挙のその日まで、「消費増税選挙実現」に向けて全力を注ぐ。主権者国民の粘り強い気力と執念、行動力が大きな果実を生むのである。
さて、次の総選挙における闘いの図式としては、すでに述べてきたように「三つ巴」となる可能性が高い。
三つ巴とは、
1.民自公密室談合大政翼賛勢力
2.主権者国民勢力
3.対米隷属新自由主義右翼勢力
の三つだ。
主権者国民が支援しなければならない勢力は、もちろん、主権者国民勢力である。
ただし、消費増税阻止の旗を掲げるなら、2と3の勢力が共闘することが必要になってくる。
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