田代政弘元検事不起訴処分に対する審査申立実現
「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が不当に強制起訴された陸山会事件で虚偽のねつ造した捜査報告書を検察審査会に提出したことなどで、虚偽有印公文書作成容疑などで刑事告発された元東京地検特捜部の田代政弘元検事に対する最高検の不起訴処分(容疑不十分)に不服があるとして、市民団体が8月23日、東京第1検察審査会に審査を申し立てた。
最高検が田代政弘元検事などに対する不起訴処分を決定したのは6月27日のことだ。それから2ヵ月の時間が経過した。日本の警察・検察・裁判所制度の前近代性を示す、重大事案であるにもかかわらず、2ヵ月の時間が経過するなかで、ことの重大性は忘れ去られ、世の中はなにごともなかったかのような空気に包まれるようになる。
消費増税問題、原発再稼働、TPPなどの重要問題も同様である。
国民的な大論議になりながら、時間の経過とともに問題が風化され、人々が問題の重要性を忘却し始める。
国民の意向を無視してものごとを強引に推し進める権力者にとっては、この時間の経過による風化こそ、何者にも代えがたい貴重な天の恵みということになるのだろう。
逆に言うと、ものごとが不正に決められてしまうことに対して市民が、粘着力を持って、最後の最後まで食い下がる執拗さが大切なのだと思う。
このたび、田代元検事、佐久間検事、木村検事に対する最高検の不起訴処分を不服とする検察審査会への申し立てが行われたが、このような市民の行動が現状を変える原動力のひとつになる。
八木啓代さんが代表を務める「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」がこの行動を実行された。
八木啓代さんのブログにこのことについて次のような書き出しで報告を示された。
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「お待たせいたしました。
すでに各種報道でご存じでしょうが、昨日、午後4時、田代政弘元検事を虚偽有印公文書作成及び行使と偽証、さらに、佐久間元特捜部長と木村検事を虚偽有印公文書作成及び行使の共犯容疑で、検察審査会に申立を行いました。
不起訴裁定が6月の27日のことですから、いくらそのとき八木が北極にいたからといって、なんぼなんでも2ヶ月は時間かかり過ぎじゃないかと思われた皆様、済みません。
この申立書と全証拠資料のボリュームをご覧になったら、納得していただけると思います。」
市民の会は、この事案に関する綿密な分析、検討を加えたうえで、膨大な関係資料を添えて検察審査会に審査申し立てを行ったのである。
市民の会が提出した資料は以下の通り。
審査申立書
「別紙 最高検の不当性と本件の明白性」
「別添資料1 田代報告書と石川議員反訳対照表」
「別添資料2 実際の取調べ状況対照表」
「別添資料3 最高検報告書対照表」
「別添資料4 田代報告書及びインターネットに流出した計7通の報告書」
「別添資料5石川議員録音反訳書」
「別添資料6 石川知裕氏回答書」
「別添資料7 東京地裁決定が認定した平成22年5月17日の取調べ状況(決定要旨2〜5頁)」
「別添資料8 東京地裁決定が認定した勾留中の取調状況(決定要旨7〜13頁)」
「別添資料9 平成24年4月26日政治資金規正法違反被告事件判決要旨」
「別添資料10 報道資料」
八木さんは、審査申立書について、
「これはですね、検察審査会の審査員の方達は、法律の専門家ではいらっしゃらないので、法律論を述べるというのではなく、まっとうな普通の常識で判断しても、今回の田代不起訴がいかに非常識で、また、最高検報告書が論理破綻しているかを、簡潔に述べさせて頂きました。
それほど長いものではありませんので、お時間のない方も、これはお読みになっていただきたいと思います。」
と記したうえで、「別紙 最高検の不当性と本件の明白性」について、次のように紹介している。
「こちらは、当会のイケメンで優秀な法曹チームの皆様が、法律論の観点から、最高検報告書の矛盾点を、ばっさり斬って捨てたものでございます。法律用語が使われていますが、なかなか痛快ですので、ストレス解消になると思います。」
まずは、「審査申立書」と「別紙 最高検の不当性と本件の明白性」をじっくりとご購読賜りたいと思う。
さらに、証拠資料集についての八木さんの言葉は以下の通り。
「それから続くのが、じつに楽しい証拠資料集でございます。
はい。少し時間も経ってしまいましたので、6月末の不起訴報道に、メディアの皆様が、どう反応されたかということを、今一度、審査員の皆様にも、メディアの皆様にも思い出して頂きたく、添付いたしました。
とにかく、検察がまともに捜査をしてくれないので、あたくしたちが調査をしていたのでございます。」
八木さんをはじめ市民の会の諸氏、さらに協力くださった法曹メンバーの皆様に心より敬意を表したい。
上杉鷹山の言葉
「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も
成らぬは人の 為さぬなりけり」
をいま一度かみしめなければならない。
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