バスレーンくねくね路線のあるバス停で20名ほどの降車があった。その中で一人のお婆さんが“手帳”を開きながら、弱々しい声で「おねがいしますぅぅぅ…」と言った。その手帳に“フリーパス”を挟んでいる人は多く、当然そこにもフリーパスが… ん? なかったのである。
私は、そのお婆さんの醸し出す雰囲気から「多分、フリーパスが手帳から抜け落ちて、ポケットかバッグの中にあるのだろう」と思って「ありがとうございます」とだけ言った。お婆さんもすべてを分かった様子で、バスを降りてからフリーパスを探していた…(実は、本当になかったりして…???)
先日、一般路線のあるバス停から乗ったオバサンが、何かの身分証みたいなカードを見せて乗ってきたので、私はすぐに呼び止めた。するとオバサンは「何よ!?」という顔をして振り返り、再び身分証を見せてくれた。
私が「これは…」と言いながらカードを指すと、オバサンの表情も変わって「あらやだ… ちょっと待って… (フリーパスを)忘れて来ちゃったかも…」と言いながら手提げ袋の中を探し始めた。「すぐに出てくるだろう」と思った私は「とりあえず座って探しておいて下さい」と言ってバスを発車させた。
しばらくして、オバサンが運転席の横へやって来て「ゴメン、やっぱりないわ… これじゃ駄目?」と言いながら保険証を見せたのである。私が「う~む…」と迷っていると、オバサンは「ほら、これを見れば70歳だって分かるでしょ?」と続けた。そういう問題ではないのだが…
結局、私はオバサンの迫力に負けて… というよりも、正直そうな印象を受けたので「えぇ… まぁ… どうぞ…」と認めてしまった。まったく… しょうがないなぁ~ お互いに…
営業所の前を出発して、某駅へ向かっていた。最後のバス停を通過して、青信号になったばかりの交差点を左折しようとしたところで、ちょうど横断歩道に向かって歩いている二人連れがいた。足を怪我していて速く歩けない男性に、女性が付き添っているという感じの二人だった。
私は「特に慌てる必要はないから、二人が渡り終えるのを待とう」と思ってバスを止めたのだが… 横断歩道の直前で、女性がわざわざ男性の歩みを止めさせ、私に対して「先に行って下さい」という動作をしてくれたのである。私は有り難く先に左折させていただいた…
ある路線の途中にある某住宅地停を発車、右折してすぐにある横断歩道の脇に二人の女の子が立っていたので、私は右折態勢のままバスを止めた。すると、女の子たちは手を上げて元気よく渡って… 行かなかった。
年上(お姉さん?)と思われる女の子(小学校3~4年生?)が私に対して「お先にどうぞ」というジェスチャーをしたのである。少し怯えたような表情を… いやいや、少し緊張したような表情を見せながら… そして私は彼女に対して“禁止されている”挙手をして、有り難く先に右折させていただいた…
決して、クラクションを鳴らしたりプレッシャーをかけたりしたわけではありませんよ。念のため!
彼女はカバンの中に手を入れて、ゴソゴソやりながら扉に近付い… と思ったら、「あっ! すいません。ちょっと待って下さい!」と言って、慌ててケータイで話し始めたのである。少しずつバスから離れながら…
私は、彼女の発言と行動の真意を読み取れず、車外スピーカーを通して「発車しますよぉ~!」と大きな声で呼び掛けた。が、彼女は私に何の説明もせずに、ケータイで話し続けていた。
私が「もう行ってしまおう」と思って「行きますよ! いいですかぁ~!」と言った時、電話中の彼女がバス停の前にあるビル(マンション?)を見上げているのに気が付いた。そこでようやく私にも見えてきた… 彼女が定期券(あるいはカードなど)を忘れてしまったということが… そして、そのビルに自宅があるのだろうということも…
私は少し迷ったが「まぁいいわ! 目の前の青信号一回、お前にくれてやるわぁ~!」と腹をくくった。すると次の瞬間、ビルを見上げていた彼女の足元に「チャリンチャリィ~ン!」と一枚の硬貨が降ってきたのである。
それが500円玉であることは、運転席から見ていた私にもすぐに分かった。そして彼女は電話を切って「すいません」と言いながらバスに乗って… 諦めていた目の前の青信号にも間に合って… めでたしめでたし…
毎週、休日の午前中には“テニススクールライフ”を楽しんでいる。練習時間(80分)の間には何度か“おしゃべりタイム(水分補給タイム)”があり、受講生同士はもちろん、冗談の好きなコーチ(ひょっとして全員!?)との会話も楽しめる。
練習では、目標としてカラーコーンをよく使うのだが… あるコーチが色の違うコーンを4つほど並べて、最後の1つを置く時に「松井さんの好きな緑!」と言った。私も「えっ… なんで知ってるの? 昔、好きだった“みどり”のことを!」と叫んだ。もちろん、コーチの発言には何の根拠も狙いもないのだが…
そして、サーブの練習の最後にコーチが「松井さん、緑!」と言ったので、私もその気になって狙ってみたものの、見事にハズレ… 私は「あぁ~、やっぱり振られちゃった…」と言った。すると、そこでコーチがサーブを一本… 見事に的中ぅ~! 私は「あぁ~、後輩にみどりを盗られたぁ~!」と叫ぶしかなかった…
なぁ~んて書いていたら、「あの子も好きだった」「この子も好きだった」などと思い出し… 片思いだけだったら何十人いることやら… まぁ、男なんてみんなそんなもんでしょ? あ、一緒にするなって!? ゴメンナサイ… しかしまぁ、そんなことを思い出すなんて、私も年老いたってことですかねぇ~???
週末のある日、私はそのバス停と某駅を結ぶ路線を何度も走る勤務だった。その一回目… 発車時刻になり1mくらい前進したけれど、左右から来る車が途切れず待つこと約1分… 気が付けば、バス乗り場に二つの人影があり… 私は扉を開けた。
それから1分ほど待ったけれど、左右から交互に車が来るという最悪の展開が続き… 結局、約3分遅れの発車となってしまった。通勤客以外の乗客も比較的多い路線なので、バスはさらに遅れて… 中には「何でこんなに遅れてるの?」という表情を見せる人もあった。私の気のせいかもしれないけれど…
某学校前のバス乗り場の二回目… やはり発車時刻から1分ほど待たされ、「よし、車の流れが途切れるぞ!」と思った時、左遠方から走って来る女性を発見した。が、「そこで彼女を待つことによって、さらに何分待たされるのか…」と不安を感じた私は「10分後には同じバスがあるから…」と“好きなのに別れなければならない女性を想うような気持ち”で発車した。
某学校前のバス乗り場の三回目… またまたすぐには車の流れが途切れず、待っている間に左遠方から迫ってくる女性の姿が… しかし、二回目とまったく同じようなタイミングで車の流れが途切れたので、私は“涙で頬を濡らしながら”バスを発車させた(ウソ)。
某駅に到着してから約10分後… 今度は某学校前へ行く発車時刻を迎えた。そして私は扉を閉めて発車… その時、後方の駅から走ってくる3人の高校生らしき人影がミラーに映った… の、だ、が… 私は行ってしまったのである。某学校前と違って、駅からの発車はそんなに慌てなくても良かったのに… すぐに気持ちの切り替えができない私…