「終点での車内チェック(車内通路を後ろまで歩いて行って見ること)を、降車停ではなく待機場所でやっているとは… どういうつもりだ! 今後は、すべて降車停でやるように!」という内容の指示が、委託元から伝えられたらしい。一体、どこの誰が言い出したのか知らないが… その人間は、バスの運転はもちろんのこと、ひょっとすると通勤でも乗っておらず、終点の降車停がどんなところなのか知らない… ♪もしかしてだけどぉ~ もしかしてだけどぉ~ バスについては“私以上のド素人”なんじゃないのぉ~???
もちろん、終点の降車停にも様々あるので「今後は降車停で車内チェックをします!」と言える場所もあるかもしれないが… ほとんどの降車停は公道上にあるので、速やかに移動した方が良いと思われる。しかし、バスターミナルのようなバス専用の場所ならば、ゆっくりと降車停で車内チェック… できるはずがない! そこには昼夜を問わず、続々とバスが到着するからである。だって、そのためのターミナルなんだから…
数多くあるターミナルの降車停… 私が実際にバスで行っているところは、だいたい2~3台のバスが降車扱いをできる程度の長さである。バスの本数が多いところでは、一気に4~5台のバスが到着することも珍しくないので、そういう場合には4~5台目のバスは後方で待つことになる。だから、1~3台目のバスは降車扱いを終えたら“すぐに”移動する必要があるのだ。
さらに、某総合駅の降車停では… 様々な駐停車車両に邪魔されることも多く、通常は3台目でも降車扱いができるのに、後方で待たされることもある。時には、その後ろから4~5台目のバスが来ることもあり、“本当に速やかな移動”が求められる。加えて、そこの降車停の目の前には横断歩道用の信号があり、常に赤と青に変化しているので、降車扱いが終わって信号が青… そこで車内チェックをしていたら信号が赤… 後方で待っているバスは、さらに“無駄な時間”を過ごすことになるのだ。
もっと言うと… すでに発車時刻を過ぎている状態で到着するバスも珍しくない。そんな時に、前に止まっているバスがのんびりやっていたら… 多くの運転士さんは「早くしてくれ!」と思うに違いない。ただでさえ遅れてイライラしているのに、そんなところで怒りの炎に油を注がれて… その後の事故に繋がる可能性が高くなると言ったら… 言い過ぎだろうか。
また、上司は「もしも降車停で車内チェックをしている時に、後ろのバスからクラクションを鳴らされたり、そのバスの運転士から文句を言われたりしたら、営業所へ報告してくれ」とも言われたのだが… 私は「そういう問題ではない」と思った。「何分の電車に乗れるはずだったのに!」と思うお客様がいらっしゃることの方が問題なのに…
言うまでもなく、ルールを守ることは大切である。が、それに対する柔軟性も大切であり… 降車停で運転席から身を乗り出して、客席全体を見渡して待機場所へ移動… 万が一、そこで“背もたれの陰で見えなかった熟睡中の人”を発見したとして、そこで安全を確認しながら降りてもらって何が悪いというのだろう? 待機場所は“終点の一部”だという解釈ではいけないのだろうか…???
私は、自分が慌てることによって事故の確率を上げたくないので、これまで通り“少しでも落ち着いた精神状態で”運転できるように、バタバタする終点の降車停では運転席から身を乗り出して車内を見るだけにして、通路を後ろまで歩いて行って見る車内チェックは待機場所へ移動してからやろうと思っている。言うまでもなく、降車停から営業所へ帰る場合は、その場(降車停)で車内チェック… または、「すぐに降車停から離れなければ!」と思った時は、すぐに営業所へ帰らないで、とりあえず… ♪待機場所でぇ~ 車内チェックを~(い~じゃん、い~じゃん)…見逃してくれよぉ~!
お昼前の★★駅行き… バス停で止まるたびに乗客が増えたり減ったりしていたが、だいたい20人くらいのお年寄りと4~5人の若者を乗せて走っていた。もちろん“助手席”にも誰かが座っていたけれど、それがお年寄りなのか若者なのか、男なのか女なのか、私は把握していなかった。というか、把握する気もないけれど…
路線の半分を過ぎた頃… ある交差点を左折する時、私は安全確認のため、周囲をじっくりと見ていたところ… 助手席の人が“何か書いている”ことに気が付いた。一瞬「モニターか!?」と思ったが、さすがに“そんなバレバレの席”には座らないだろう。
そうそう、今月は“接客サービスなんちゃって月間”ということで… お役所の手先が大挙して乗り回っているらしいので、私は「そうか、そうに違いない! きっと、終点で多くのダメ出しを食らうんだろうなぁ~」と思った。
終点の★★駅に到着… いつの間にか30~40人ほどに増えていた乗客が、前&中扉から一斉に降りて行く… が、案の定、助手席の人に動く気配はなかった。そして、全員が降車を終えると同時に席を立ち、私に声を掛けてきた。
見ると、その人は“とても上品で優しそうなお婆さん”で、私に一枚のメモを手渡したのである。そこには、外見に見合った“上手で丁寧な文字”で「あなたを愛して…」 否、「揺れるバスで…」と書かれていた。
一瞬、私は「えっ!? バスが揺れるって… 先日のモニター!? そんなバカな…」と思いながら、文章を最後まで読んでいたところ、お婆さんが補足してくれたのだが… 要するに“揺れるバスの中で、目の周りの化粧をしている女性が(背後席に)いたので、危ないから注意するように、車内放送とポスターをお願いしたい”とのことだった。
正直なところ、私は「はぁ!? そんなこと…」と思ったけれど、お婆さんの上品さに敬意を評して、とりあえず「ありがとうございました」と答えて、立ち去るお婆さんの後ろ姿を見送ったのだった…
あくまでも、お婆さんのニュアンスは“化粧禁止!”ではなく“目を傷付けないように~”であった。きっと、お婆さんは仏様のような方… 否、実は“既に仏さん”だったりして!? ひぇ~!(オマエに近寄ってくるのは、そんなもんだろうな。ハハハ…)
午前10時過ぎ… 各バス停でお年寄りを乗せながら走っていた。そんな中、あるバス停から一組の母娘が乗ったのだが、お母さんは左手に2つのバッグを、右手には折り畳まれたベビーカーを持って、ただ立っていた。
私が「お支払いは…」と言おうと思った時、娘さん(2~3歳?)が右手にお金を持っているんだという雰囲気が伝わってきた。しかし、その子の性格なのか、ただ戸惑っていたのか… とにかく、娘さんの動きがゆっくりだったので、お母さんは無言で運賃投入口を指差した…(ちょっと変な感じ…)
が、それ以前に娘さんの身長が少し足りず、運賃投入口に手が届きそうで届かなかった… それを見たお母さんは、右手に持っていたベビーカーを立てておいて、無言で娘さんを抱き上げた。そして娘さんが500円玉を入れたのだった…(やっぱり変な感じ…)
その母娘は終点の2つ手前の“最近リニューアルオープンした某大手スーパー”の前にあるバス停で降りたのだが… 終点の某駅に到着すると、一人のお爺さんが「これ、忘れ物だけど… 多分、さっきの子供連れの…」と言いながら、白い布製のバッグに女の子向けのキャラクターが縫い付けられたモノを差し出した。
私はお爺さんに御礼を言いながらバッグを受け取り、車内チェックをして… あまり時間がなかったので、すぐにバスを乗り場へ移動させた。その後、定刻に某駅を発車して、約3分後には“母娘が降りたバス停(もちろん、さっきとは道路の反対側)”に到着…
すると、バス停には十数名のお年寄りが並んで待っていたのだが、先頭のお婆さんの横に“母娘”が立っていたのである。私は、続々とフリーパスで乗車するお年寄りを横目に見ながら、お母さんと再会の握手&ハグ… 否、「これですよね」と言いながら、運転席の横に置いておいたバッグを持ち上げた。
その時、お母さんが「ありがとうございましたぁ~」と、とても嬉しそうな声を出したので、私は「終点でお客様が持ってきてくれたんですよ」と答えながら、ウインク&投げキッス… 否、普通にバッグを手渡したのだが、その時のお母さんは“無言で行動する変なお母さん”ではなく、私の目を見て御礼を言う“笑顔の素敵なお母さん”だった。(♪目と目で通じ合う~)
「早くトイレに行きたい!」と思いながら15分くらい走っていた。終点の営業所前ターミナルに到着すると、数名のお年寄りが降りて地下鉄の出入口の方へ向かい… 私は運転席から身を乗り出して、とりあえず“簡単な車内チェック”を… すると、座席の上に黒いカバンらしきモノを発見した。
私はマイクのスイッチを車外にして「黒いカバンを忘れた方、いらっしゃいませんかぁ~」と呼び掛けたのだが… 多分、それの持ち主は真っ先にバスを降りて行き、すでに私の声が届かない所まで行ってしまっていたのか、バスの近くにいる人たちは誰も反応しなかった。
私はバスを待機場所に移動させて「トイレに行きたいけど、すぐに気が付いて戻ってくるかもしれない… どんな人なのか分からないけれど、キョロキョロとバスを探すような動きをするだろうから分かるはず… とにかく早く来てくれぇ~!」と祈りながら、カバンを取りに座席の方へ…
それはカバンではなく“ビニール製の衣装ケース”で、ポケットには“告別式の案内など”が書かれた紙があり、昼頃の新幹線で東京方面へ行く予定らしかった… 時刻は10時半過ぎ… 私はバスで5分ほど待っていたけれど、それらしき人が現れなかったので、目の前にある自分の営業所へ「忘れ物でぇ~す」と届けておいた。
後で聞いたところ… その持ち主は、地下鉄に乗ってすぐに気付いたらしく、隣りの駅から電話をしてきたとか… そして、新幹線の時間まで余裕があったので、再び地下鉄に乗って戻ってきたとのことだった。
もしも、そこが営業所前ターミナルではなく、バスの通過点の一つだったら… おまけにバスが遅れていて、終点で営業所へ連絡している時間もなかったとしたら… その人は手ぶらで行って、現地の紳士服店で新たな礼服を購入… いや、お金がもったいないから、他の斎場へ行って… そこで帰る人を捕まえて、礼服を借りたりして…(そんなアホな!)
以前、「週末には、スポーツウェア姿の学生さんによる団体乗車に遭遇することがある」と書いた記憶があるのだが… 昨日の午後、私は制服姿の学生さんによる団体乗車に遭遇してしまった。某高校前のバス停で…
その前のバス停までは、乗客も少なく順調に走ってきたのだが… ある交差点を右折した瞬間、私の目には“歩道を歩いている大勢の学生さん”が飛び込んできた。一瞬「ゲゲッ!」と思ったのだが、すぐに「あぁ、ちょうど下校時間だから、バス停の数十メートル先にある校門から出てきただけのことかぁ~」と気付いた。
そして、いつものように左ウインカーを出して、「ま、この行列の中の何人かは乗客だろうけど…」と思いながらバス停に接近… すると、予想以上に“立ち止まっている学生さん”が多いことに気が付き… 「ウゲゲゲゲッ!」と再び驚いた。なんと、立ち止まっている学生さんの列が、校門の辺りまで繋がっていたからである。
それから一人ずつ… ICカード、1日乗車券、現金200円、雨に濡れてシワシワの千円札… 「まだ乗れる」「まだ大丈夫」と言いながら続々と乗車して超満員… バス停には十名ほど残っていたが、諦めた様子で立っていた。バスは約5分遅れで発車… 超満員なので、一人だけ降りる場合も時間がかかり… 結局、終点では10分くらい遅れてしまった。
朝、登校時間には雨が降っておらず、午後、下校時間には雨が降っていて… 晴れの日と比べたら、自転車通学の学生さんが加わっただろうし… 練習中止になった部活の学生さんも加わったかもしれない。
いつか書いた“3回ほど「詰めてください」と言っても詰めず、「詰めろ!」と言ったらノロノロと詰めた学校”と比べたら、今回の学校では一度「詰めてください」と言っただけだが、実は言わなくても詰めてくれていた。が、やはりノロい… 動きに若さが感じられないんだよ… なぁ~んて、半世紀オジンゲリヲンに言われたくないか。ハハハ…