最近、営業所に“例の速度超過!”がよく来るらしく… つい先日も「法定速度40キロの道路で42キロも出ていた!」と怒鳴り込んで来たようだ。我々の委託元へはもちろん、以前は警察にも「なんで捕まえないんだ!」と怒鳴りこんだことがあるらしい。そして、警察も「10キロ未満は誤差の範囲なので捕まえることはない」と説明したとか何とか…
ウチの営業所だけでなく、委託元も警察も… み~~~~~んなが「一般人の感覚とは掛け離れたことを言う人間がいる」と分かっているのだから、何十回でも何百回でも言わせておけばいいだけの話だと思っていた。だから、運転士は今まで通り“暴走するわけでもなく、チンタラ走るわけでもなく”ごく普通に走っていれば良く… もしも怒鳴り込まれたら、その度に上司が頭を下げればいいではないかと…
ところが、毎日のように始業点呼で「(その人が乗ってくる)巡回路線のA停からB停までは絶対に40キロを超えないように!」と上司から言われ…(まず“その区間だけ”というのが気に入らない!) さらに今回は運転士一人一人が呼ばれ、“個人面談”という形で念を押されてしまったのである。そこで、どのような説明をされるのか一通り聞いたのだが… 「法律と言われてしまうと何も言えない」とか何とか… とにかく、最後まで“お客様”は出てこなかった。
私が「その人と我々だけの問題ならばいいですよ。遅れたバスを待っているお客様がいるんです」と言うと、「それとこれとは話が違う。運行時間を延ばせないかと、委託元にお願いした。すぐにどうこうということはないだろうが…(中略)…苦情を言われると分かっていることをやっておいて、その尻拭いを上司にお願いするのはおかしいと思わんか?」と言われた。
私は「それはおかしいですよ」と答えながら、「それこそ話が違うだろう」と思ったのだが… 今日、私は“外せない用事”があって早く帰宅したかったので、それ以上の時間の浪費を避けようと「努力はします」とだけ答えた。当然、納得なんてしていない。なぜならば、その人の場合は“苦情ではない”ので、聞く必要がないのに… そのせいで、何人ものお客様に“更なる迷惑(普通に走っていても7~8分遅れることが多々あるのに、40キロ以下で走ったらどうなることやら…)”を掛けることになるのに…
たった一人の“メチャクチャな言い掛かり”に従う指示が出されて… この暑い中、バスが遅れて困る(体調を崩す!?)のは多くのお客様… それで「何分遅れとるんだ!」と怒られるのは運転士…。。。では、40キロ以下で走って誰が喜ぶのか? それは“目標達成”した本人と、営業所へ怒鳴り込まれなくなってホッとする上司だけである。結局、自分たちのことしか考えていないのか…(まさか、苦情が少ないと、優秀な上司として評価されるのか!?) これまでの上司らの言動などを考え合わせると、そう思えて仕方がない。これでは“お客様満足”ではなく“上司満足”だな。ハハハ…
そうそう、その「速度超過!」と怒鳴り込んでくる人というのが… ある運転士さんと私を足して2で割ったような感じらしいのだ。なるほどぉ… 私に似ているということは、福山雅治に似ているということかぁ…(何処をどう見ても似てない!) ん? 誰もそんなこと言ってないって!? そうだ、誰かが「その人、横山やすしに似てた」って言ってたっけ… なるほどぉ… 福山雅治と横山やすしを足して2で割った感じの松井ねぇ…(誰もそんなこと言ってないし!)
朝7時前に、回送で営業所を出た。ある大きな交差点を、5~6台目で右折待ちしていた。信号が青になり、少しだけ前進して、対向車が途切れ… れれれ… 突然、交差点の真ん中で右折待ちしていた先頭車両のドライバーが、ドアを開けて車から降りてしまったのである。
私は「なんだぁ~? すぐ後ろの車のドライバーと何かあったのかな?」と思ったのだが、どうやら違っていたようで… そのドライバーは、片手でハンドルを操作しながら自分の車を押し始めたのであった… 後続車はスイスイと追い抜いて行き、私のバスもノロノロと… 何とか右折矢印が出ている間に追い抜くことができたのだった…
午前8時半頃、あるバス停に一人の女性が立っていたので、私は「○○停、止まります」と言いながらバスを減速させて、バス停で止まっ… その時! その女性が顔の前で右手を左右に「違う違う」と言うように振ったのである。
私は「もっと早く意思表示してくれたら有り難かったんだけどなぁ… もう止まる寸前だもんなぁ… これで止まらなかったら、後続車のリズムが狂うだろうし、危ないかもしれない」と思って、バスを止めた。
一応、形だけでも扉を開けて、またすぐに閉め… と、その時! その女性が乗ってきたのである。私は「なんで手を振ったの?」と不思議に思ったが、すぐに「あぁ、暑かったからパタパタと扇いだだけか…」と分かった。ふぅ~、危ない危ない…
午後1時前、前半最後の終点に到着すると、一人の男性が前から降りながら「乗り心地が良かったです」と言ってくれたのだが… あなたは誰? まさかのモニター!? いや、自ら身分をバラすことはないから… 古いバスを選んで乗っているバス好きな人だったのかも…???
時は流れて… 夜8時半過ぎ、あるバス停で降車客扱いをしながら「このタイミングならば、100mほど前方の青信号を突破できそうだ。その先のバス停と、さらにその先の信号を考えると… その差は大きい!」と思っていた。
「さぁ、中扉を閉めて発車だぁ~」と思って扉を閉め… と、そこで再び「ピンポォ~ン!」と降車ブザーが鳴ったのである。私は「まだ降りる人がいたのか? うっかり寝てしまっていたのか?? 急遽、降りることにしたのか???」と思って、再び中扉を開けたのだが… シ~ン… 動きも返事も何もなかった…
改めて発車しようと扉を閉めたところ、またすぐに「ピンポォ~ン!」と降車ブザーが鳴った… 誰だぁ~!? 無駄なことする奴はぁ~!! “お陰様で”行けるはずだった青信号は赤に変わり… 約2分のロスとなってしまった。その赤信号で止まった時、車内から「ふぅ…」というような溜息が聞こえてきた。文句があるなら、ボタンを押した奴に言ってくれぇ~!!!
今日は朝から雨、雨、雨… しかし、私の嫌いな雷様はいらっしゃいませんでした。さて、雨が小降りになった午後、私は路上の水たまりに気を付けながらバスを走らせていた。先月だったか… “バスの泥はねに対する苦情”があり、クリーニング代がどーのこーのということがあったらしいので… もっとも、そんなことがなくても注意しているつもりである。
学生時代… ある晴れた日の午後、テニス部の仲間と遊びに行くことになっていたので、私は“お気に入りのトレーナー”を着て出掛けた。国道沿いの歩道を歩いていたら、午前中に降った雨で出来た水たまりの泥水を、爆走して行ったダンプカーによって思いっ切り頭からかけられてしまい… 真っ白なトレーナーには、泥水の模様が…
さて、あるバス停に接近中… それよりも50mほど手前の歩道上に、一人の男の子が傘を差して立っていた。私は「乗客ではなさそうだ」と思って、そのまま走行… と思ったら、ちょうど男の子が立っている位置の路上に、大きな水たまりがあることに気が付いた。
私はすぐにバスを減速させ… と、その時! その男の子が、差していた傘を徐々に下げて、道路の方へ向けたのである。私は「えっ!? まさか… バスが水たまりの水を飛ばすのを期待しているのか!? そして、それを傘で受け止めようと… 確かに、子供だったら… 少なくとも、私だったら“たとえ頭から水をかぶったとしても”それを喜ぶけれど…」と思った。
僅か数秒間… 私は「期待に応えるべきか否か!?」を迷いに迷って… 結局、しっかりと減速をして、男の子の期待には応えることができなかった… くぅ~、何とも言えない… この気持ち… もしも、その男の子が自分と同じ性格だと分かれば、思いっ切りバッシャ~ンとやってあげたんだけどなぁ~! なんちゃって…
某駅を出発して、最初のバス停を通過して… 突き当たりのようで突き当たりでない交差点の信号が赤に変わったので、私は先頭で止まることになった。しばらくして、交差点の左角の建物の陰から母子が現れて、歩道上で立ち止まった。
私は「そのままバスの前を横断するならば青信号なんだけど… 道路の向こう側へ渡りたいのかな?」と思ったのだが、お母さんが道に迷っているような… 愛を求めているような…(なんじゃそりゃ!?) そんな表情に見えたので、私は「ここで“乗せて!”なんて言われたら困る… けど、目を合わせたら負けそうな気がする」と思って、バスの前方やや右寄りの方向をジィ~ッと見ていた。
そろそろ信号が青に変わりそう… と、その時! バスの左側のすぐ近くから「バイバーイ!」という元気な声が聞こえたのである。反射的に視線を移すと、歩道に立っている男の子が手を降っていた… 私はすぐに左手を振りながら、バスを発進させた。
そして、左折をする時にお母さんを見たら、私に向かって頭を下げていた… さらに“助手席のお婆さん”も、男の子に向かって手を振っていた… う~む… お母さんの最初の表情は何だったのだろうか? 「この運転士は、いい歳こいて独身だし…(なんでそんなこと分かるんだよ!) そんなオッサンが子供に向かって手を降ってくれるなんて有り得ないだろうなぁ…」という表情だったに違いない。
それにしても、私が男の子に気が付くまで… 「バイバーイ!」と言われるまで… 男の子はずっと手を振ってくれていたのだろうか? もしも、そうだとしたら申し訳ないことをしたなぁ~ オッサンのつまらん想像で無視する形になってしまって… まぁ、でも… 最後はお互いに笑顔でバイバイできたから良しとしよう。なぜか、お婆さんも手を振っていたし… ん? まさか… お婆さんのお孫さんだったりして!? そうすると… 私が部外者だったのか!? ハハハ… 恥ずかしい…
先日、時々テニススクールで一緒になる男性に誘われて、毎週その人が某公園のテニスコートを借りてやっているというサークルに参加させてもらった。社内の先輩運転士に誘われてやる時もそうだけれど、最初に少し練習をして、後は適当にペアを替えながらダブルスでのゲーム、ゲーム、ゲーム… いつもテニススクールでレッスン中心の私には、とても良い刺激になった。
さて、交代でゲームをやるということは、休憩時間もあるということで… その時に、初対面の人たちといろんな話をすることになるのだが(私の場合はゲーム中もギャーギャー叫んでいるけれど…)、そういう場合、大抵は「バスの運転士?」「どこを走ってるの?」という話になるのだが…
その時は、サークルのメンバーの中に「アイドリングストップミュージックが好きだった」という人がいて驚いた。しかも、その人は曲名まで覚えていて… 「そういえば、最近は聞いたことがないなぁ~」と残念そうに言ったので、私は「何だか分かりませんが、上の方から禁止令が出たんですよ」と答えた。
すると、その人が「苦情か何かあったんですか?」と言ったので、私は「そういう話もあるみたいですね」と答えたのだが… 実は、運転士の中でも好き嫌いが分かれていて… 何とも言えないところである。が、特に害があるわけでもないんだし… アイドリングストップミュージックについては、運転士一人一人の判断に任せてもらってもいいと思うのだが… どうですか? 上の方の人たち! もしも、ごく一部の苦情による禁止令だったとしたら… おまんら、許さんぜよ!