いくらバス停とはいえ、そうそう何分も路上に止まっているわけにはいかない。それが朝の通勤時間帯であれば尚更… さらに他社バス停が10mくらい先にあり、他社の先発バスが来るとなれば尚更尚更… である。
私がバス停の少し手前で待機していると、予定通り一台の他社バスが来た。しばらくして、私は「もう来ないだろう」と思って、自分のバスの発車時刻の2分くらい前にバス停へ着けた。
約2分後、案内をして扉を閉めて右ウインカーを出して発車… と思ったら、ちょうど他社バスがすぐ右後ろに来たところだった。
私は「先に行かせてくれるだろう」と思ったのだが… そのまま目の前の他社バス停に止められてしまったのである。私は「えっ? 行かせてくれないの?」とちょっと驚いた。
しかし私は「ひょっとして、かなり遅れて来たのかな? それならばすぐに発車するだろうから、ちょっと待っていよう」と思ったのだが… 乗降客もないのに止まったまま… 結局、そのバスの発車時刻と思われる2分後に動き出した。
いつもは大人しく追走する私だが、今朝だけは「えぇ~い!」とすぐ次の他社バス停でそのバスが止まっているうちに追い越した。しかし、途中の某ターミナル手前までに5分くらい遅れてしまい「遅れた分、乗客が多いぞぉ~」と覚悟して行ったのだが… なぜか2台の先発バスも遅れていたらしく、ちょうど発車するところだったのである。
そのターミナルから既に私のバスは“連結の最後尾”になってしまい、そこからは“専用レーン”なので何も考えずにひたすら追走… すると、いつの間にか“追い越したバス”に追い付かれていた。まぁ… そんなもんだ。
風雨が強かったある日… 私はバスレーンくねくね路線を走っていた。すると、少しぼやけた感じの中途半端な光を反射させながら、前方の空中を飛んでいる物体を発見した。それは、無色透明のビニール傘だった。
その傘はしっかりと開かれた状態で、おりからの強風にあおられてフワリフワリと舞っていた。私は「お願いだから、変なところに落ちないで!」と思っていたのだが… 一般車道を走っていた車の前に落ちてしまったのである。その車は急ブレーキで衝突を回避し、直後の車もかなり強めのブレーキで追突を回避… 幸い、大事には至らなかった。
車を運転している時は「右から車が!」とか「左から自転車が!」などと注意をしているが、「上から傘が!」とか「下からマンホールの蓋が!」なんて考えていないからなぁ… もしも私だったら、思いっきり傘に衝突していたかもしれない。今後は上にも気を付けなければ…(無理!)
世間では新機能と言えるのかどうか知らないけれど、少なくとも私が目にしたのは初めての機能… ニュートラルシフトロック(と言うのかな?)。これがまた…
いつものようにバス停で止まって、降車口(中扉)を開けようとすると「ピピピピピピ…」と警告音が鳴って扉は開かない。
シフトレバーを“N”にしてアイドリングストップ状態にしないと中扉の開閉ができないのである(もちろん、アイドリングストップをオフにしておけばエンジンは止まらないけれど…)。
いつもこの種のバスに乗っていれば慣れるのだろうが、いかんせん営業所に1台か2台しかない(と思う)ので… このような機能が付いたバスの存在を忘れた頃に乗ることになるのである。
そして今朝、私が運転するバスの車内には、何度も何度も警告音が鳴り響いていた…
今朝の始業点呼で、ある上司から「昨日もケイロウゴリンがありましたので…」と言われた。
私は「ケイロウゴリンって… 敬老御臨終の略!? 運転士OBの誰かが亡くなったことをそう言うのかな?」と思ったが、確認のために「ケイロウゴリンですか?」と上司に尋ねた。
すると上司は、私が聞き取りやすいようにゆっくりと「ケイロウゴニン」と言ってくれた。
私は「ケイロウゴニン… あぁ、敬老誤認か!? フリーパスの使用について何かトラブルでもあったのかな?」と思って「あぁ、ケイロウゴニンですか!」と言った。
すると上司が呆れたような表情を見せながら「ケ・イ・ロ・ゴ・ニ・ン! ケイロマチガイ!」と言った。
ボケな私は、そこでようやく聞き取ることができて「経路誤認ですか! あ、いや… 敬老御臨(終)って、誰か亡くなったのかと思いました」と言った。その場にいた上司たちは「面白い!」と笑っていたが、私はマジで聞き取れていなかったので恥ずかしかった…
午前8過ぎ、某住宅地の発車10秒前… 左前方約5mには若い女性が、正面約20mの坂上には“旅行カバンを引いている”中年夫婦が、左後方約30mには若い女性が… みんな歩いて接近中だった。
私が車外スピーカーで呼び掛けると、予想通り左前方の女性だけが走り込んで来た。そして私はすぐに発車… と思ったのだが、彼女がカードを取り出すのに手間取ってしまった。すると、中年夫婦が「私たちも乗れるかもしれない!」と早歩きになって、かなりバスに近付いて来ていたのだが…
今朝の私はクールに発車した。手を挙げていた中年夫婦に軽く会釈だけして… なぜならば、僅か3分後にバスが出るし、“旅行カバン”は乗車に時間がかかるし、そうしているうちに後方の女性も来るし…
発車してすぐに一時停止して、安全確認のために左右を見たら… 一人また一人と乗客が歩いて来ていたのである。今朝はクールで正解だった… かも。