今日は“車体が広告で包まれているからケツ札(余計なモノ)を付けてはいけない”ラッピングバスだった。だから、ここぞとばかりに、強引な割り込みをバンバンやっ… てない、やってない。そんなことやってたら、結局は「何時何分頃に何処で…」という苦情をもらってしまう。
さて、大晦日ということで… 確かに“ヘンテコな車”も走ってはいるけれど、(一部地域を除いて)交通量が少ないので慌てる必要はないのである。そんな落ち着いたムードの中、あるバス停に接近して行くと… ベンチに一人のお婆さんが座っていた。
私がバスを止めて前扉を開けながら「お待たせしましたぁ~」と言ったのだが、お婆さんの反応はイマイチで… 「ただ休憩しているだけなのかな?」と思ったら、ゆっくりと立ち上がり「すぐに降りるでね」と言いながら乗ってきた。
まずは、乗車口近くの座席に大きな買い物袋を置いて… 手提げバッグの中に手を入れてガサゴソガサゴソ… 「はい、お願いします」と、予想通りのフリーパス提示… 「はい、ありがとうございます」と私… それから再び大きな買い物袋を持って、別の座席へ… 着席した。
そのバス停に止まってから1分以上… 私は前扉を閉めて発車… すると、すぐに「ピンポ~ン!」と降車ブザーの音が鳴り、「次、止まります」と私… 「ご乗車ありがとう~」と言いながら、バス停で止まって中扉を開けると、お婆さんは二つの荷物を持ってゆっくりと降りて行った。バスの走行時間、約30秒…(グスン…)
このように、バスには様々な人が乗る… どんな乗客、どんな状況、どんな苦情(?)に遭遇しようとも、常に平常心で乗務できるように努力… えっ!? 若くて綺麗な女性が乗ってきたら、それだけで駄目じゃないかって? ハハハ… 皆様、良いお年をお迎え下さい!(あ、笑って誤魔化しやがって…)
昼寝休憩後の一本目… 営業所前のターミナル発のバスに、たった一人の乗客が… それは我々の上司の一人で「○○まで乗ります」と言った。○○とは、ターミナルを出て3つ目のバス停なので、私は「歩いて行って下さい」と言った。もちろん冗談で… 上司も笑っていた。
発車時刻になりターミナルを出て、一つ目のバス停を通過、二つ目のバス停も通過して、その先の大きな交差点の赤信号で止まった… その時、上司が「別にブレーキはキツくないよねぇ…」と言ったのである。
私が「は? なんのこと?」と思っていると、上司は「昨日、松井くんのバスのブレーキがキツいって電話があって、ドライブレコーダーの映像も見たんだけど… 駐車車両を避けるために車線変更しながら走っていたから、その乗客が悪い印象を持ってしまったのかも… と、他の上司と話していたんだけどね」と言った。
私は「はぁ… そうですか。確かに、私は“あれもこれも同時にやる”ということが、他の人たちに比べて極端に苦手なので、駐車車両に気を取られたりすると、バス停で止まるためのブレーキが僅かに遅れて… いつもより少し強めになることはあります」と言った。
しかし昨日は、そのような文句を言われるほどのブレーキを踏んだ覚えはないし… 上司たちがドライブレコーダーを見たならば、そのあたりも分かっているだろうし… 訳が分からなかった。信号が青になり、○○に到着すると、上司は「気にせんといて!」と言いながら降りて行った…
では、お言葉に甘えて、気にしないようにします。というか… 「逆に、オマエが何か気にすることがあるのか? 何も気にしないだろう!? もう少しいろいろと気にしろよ!」と言われそうな私です。
昨日の朝… ある転回場所で待機していたら、ある運転士がニコニコしながらやって来て「そのバス、ちょっと前に乗ったけど、どえらい寒いでね。プレヒーターが付いとるのに、全っ然!効かんでね」と教えてくれた。
私は「そうですかぁ… でも、一応スイッチを入れておかないと、乗客に“この運転士は暖房を入れない不親切な奴だ”と思われるから、とりあえず入れておきます」と答えてから、バスを乗り場へ移動させた。
始発地点を出て、しばらくして… 私は「あれ? ちょっとだけど… 暖かいような気が… しないでもないけど…」と思った。が、その後は言われた通り… どんどん寒くなってきたのである。乗客の男性がクシャミをして… 私も堪えきれずに「ハックション!」と… もちろん、マイクをオフにして…
その後も、始発地点を出た直後だけは暖かいような気がしたのだが、それも3回くらいまで… それ以後は、出発直後だろうと何だろうとずっと寒くなってしまった。エアコンは冷房専用だし… 石油ストーブなんて置いてないし… そうなると、車内温度上昇の頼みの綱は“乗客の体温”である。
しかし、バス停で止まるたびに扉を開閉しなきゃならないし… 運転席の周りは人口密度が低くて温度が上がらないし… あぁ、やっぱり6億… いや、2億円でいいから当てて、雇った助手に温めてもら…(まだ言うか! もういいわ!)
片側三車線の道路にあるバス停の手前にダンプカーが止まっていたので、私は真ん中へ車線変更して通り過ぎ… と思ったら、そのダンプカーの運転席のドアが全開で、ドライバーは下半身を露出… 否、否、否! 下半身だけドアから出したうつ伏せの状態で、何やらゴソゴソやっていたのである。
ダンプカーは高さがあるので、普通車は問題なく通れるけれど、大型車は通れない。しかも、そこは大型車がたくさん通るところなので、私は“危険”と判断… さらなる車線変更をしながら、プッと軽いクラクションを鳴らして通り過ぎた。(自分が大きな車に乗っているのに分からんのかなぁ…)
で、ダンプカーの陰になって見えなかったバス停を確認&通過して、一気にその次のバス停に到着… その直前で「ピンポーン!」と降車ブザーが鳴り、私は「ご乗車あり…」と言いかけて気が付いた。車内のバス停表示が、通過したバス停のままであることに… 「あ、すいません。前のバス停のままでしたね…」と言いながら、慌てて“バス停表示送りボタン”を押した。
そのボタン… いつもバス停通過時に押すのだが、今回はクラクションを鳴らすために“右手でポンと叩く動作”をしてしまったので、ボタンを押す動作が抜けてしまったのである。いつもと違うことを一つやると、いつもやっていることが一つ抜けてしまう… あぁ、ボケな私の“ところてん式記憶回路”は容量1つ…
また、ある始発地点を出たところで、唯一の乗客である男性が「このバス、○○に行きますよね?」と言ったので、私は「はい、行きますよ」と答えた。その直後、小さな交差点の信号が赤になってバスが止まった時、男性が「△△(某コンビニ)を右に曲がりますよね?」と言ったのだが…
私は「この先のT字路にあるのは◇◇だし、右へ曲がってからあるのは☆☆だし… △△なんて何処かにあったっけ? う~む、多分◇◇のことだろう」と思って「え、あぁ… 右へ曲がりますよ」と答えた。
信号が青に変わり、私はバスを発車させてT字路に向かって直進して… 「おっと、その前に一つ目のバス停で止まらなければ!」と思って左ウインカーを出そうとした時、「カッチ、カッチ、カッチ…」という聞き覚えのある音に気が付いた。
私が「ん?」と思って確認したところ、なんと右ウインカーが点滅中だったのである。言うまでもなく、すぐに左ウインカーに変更したのだが… どうやら… 先程の信号待ちで、男性に「△△を右に…」と言われたことに対して、あれこれ考えながら「曲がりますよ」と答えた時に右ウインカーを出してしまったようで… あぁ、ボケな私の“単細胞的思考回路”は直線1本…
あるバス停へ向かって行ったら、何やら“人だかり”が出来ていた。私は「バス停の前の店舗で売り出しでもやっているのかな?」と思ったのだが… それは数名の大人と大勢の子供たちで、店舗とは無関係の乗客であった。
私が前扉を開けると、まずはお年寄り3名が乗り… 続いて子供たちが「ワイワイガヤガヤドドドドドォ~!」と乗り込んできて、その団体の代表と思われる男性がICカードを差し出しながら「大人3人と子供33人でお願いします」と言った。
なぜか分からないけれど、運賃精算時に入力できる人数が15名までなので、私は「すいません、一度に33名の精算が出来ないので、分けてお願いします」と言いながら、とりあえず“大人3、子供13”と入力した。そして、運賃が表示される画面を指差し、男性と一緒に確認しながら精算… 続けて、同じように“子供10”を2度精算した。
先日、あるバス停で10名ほどの中学生(女子)がバスを待っていたのだが… 先頭の子から「土日切符ください」と言われて販売し、「ウィ~ン… ンガンガジ~コジ~コ… ピヨン!」と運賃箱でカードに日付が印刷されて… 次の子も「土日」「ウィ~ン…」次の子も「土日」「ジ~コジ~コ…」次の子も「土日」「ピヨン!」と…
さらに、最後の子がバスに乗って来ないで「お金がない~!」と言い出す始末… 一人の子が座席から戻ってきて、その子の財布の中を覗き込んで「誰か、お金貸してぇ~!」と叫んだ。すると、別の子が座席を立ってきて、その子に100円玉を差し出した。そして、それを受け取った最後の子は「土日切符ください」と言った… 「ンガンガンガンガ…」と私が故障しそうだった。ま、中学生だから… こんな感じなんだろうなぁ~