バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

ICカードを… 持っている人、いない人

2016年02月29日 16時39分52秒 | バス運転士
あるバス停で乗ってきた若い女性が、無言でICカードをタッチ… すると「残額不足!」と出たので、私は「(ICカードに)入金ですか? (支払い方法は)現金ですか?」と… 言うよりも先に、彼女が運賃箱へ千円札を挿入しようとしたので、慌てて制止して「入金ですか?」と尋ねると、「はい」と答えたのだった… 多分、最初から残額不足であることを分かっていて、「早く精算しなきゃ!」という想いが強過ぎたのだろうなぁ…

また、あるバス停で乗ってきたおばさんが“2枚の千円札”を持っていたので、私は「ICカードに入金かな?」と思ったのだが… おばさんの手にはICカードが見当たらなかったので、「う~む… どの乗車券(磁気カード)を買うにしても、千円あればお釣りが出るんだけどなぁ~」と思った。すると、おばさんが「ICカード、買えますか?」と言ったので驚いた。

「ICカードを必要とする人は、とっくの昔に買って持っている」と思っている(実際、滅多に売ることがない!)ので、通常はカバンの中に仕舞い込んだまま… 私は「あぁ~、ICカードが2000円じゃないか! カビが生えてなきゃいいけど…(生えるかいな!)」と思いながら「はい、ありますよ」と答え… 急いでICカードを取り出し、「え~っと… 預かり金500円が含まれていますので、1500円分だけ入っています」と簡単に説明した。

それにしても、今更ICカードを購入とは… ひょっとして、紛失してしまったのだろうか? それとも、精算やら何やら… すべてを顔や指紋による認証システムで済ませている未来からやって来たのだろうか? いやいや、あの顔は… 何とか星雲のナニナニ惑星からやって来た宇宙…(こらぁ~! あんな綺麗なおばさんを宇宙人だなんて… あ、そういえば… 昔、テレビで“金髪美人の金星人”というイメージ図があったよなぁ~ ハハハ…)

飲食店に例えるならば…

2016年02月28日 19時49分48秒 | バス運転士
先月の運転士ミーティングでは「時速40キロで走行中の場合… 青信号の交差点の手前40mくらいから、アクセルペダルではなくブレーキペダルの上に足を載せて、いつ黄信号に変わっても安全に止まれるように準備せよ」というような話を… 「そんなこと、すでにやっている運転士さんは多いんじゃないの?」と思いながら聞いていた。実際、私も“順調に走れている時”は、そういうことをやっている。バスが遅れている時は… ヒ・ミ・ツ!(何が秘密じゃ! バレバレだろうがぁ~!)

その話の通り、交差点の30~40m手前で黄色に変わってくれればいいけれど… 20mくらい手前で「もう止まれん!」と思うと同時に黄色に変わることも多々ある。そうなると、速度を落としている分だけ交差点を通過するのに時間がかかってしまい… 交差点の広さや信号の変化によっては、交差点の奥の横断歩道で危険な情事… 否、状況に陥ってしまうのだ。それが嫌だからと、やや強めのブレーキを踏むのだが… バスは停止線を越え、横断歩道の上でデカイ顔をすることになってしまうのだ。

さて、これまでにも「お客様のため!」「安全確保を最優先!」ということで、「速度は49キロまで!」「歩車分離式だろうが矢印信号だろうが、左折時は必ず一旦停止!」「バス停の近くに歩行者がいたら、バスを止めて扉を開けろ!」などなど… バスに乗らない人や“時間を気にせず”バスに乗っている人は、「それはいいことだ!」と思うかもしれないけれど… とんでもない! すべて“これまでよりも時間がかかることばかり”である。

これを飲食店に例えるならば… オーナーから「お客様の健康を考えて、塩分カット・糖分カット・脂肪分カットで料理を作れ!」と言われて… 調理師が「それでも美味しい料理を出せるように!」と研究に研究を重ね、準備も怠りなく… 数週間後、お客様に満足してもらえるような料理を提供… 評判も上々、お店の売上アップに貢献したのだった… ではない。

ウチの場合、「これまで通りの作り方から、ただ“塩分・糖分・脂肪分をカット”しろ」と言われるので、マズイ料理を提供することになり… 多くのお客様は不満足に感じているに違いな… いや、まさかと思うけれど… バスが遅れれば遅れるほど喜ぶ乗客がいたりして!?(そうそう、遅れているバスに向かって手を上げて走って来る“関係者”もいたよなぁ~ ハハハ…)

飛び石(?)クラクション

2016年02月27日 20時24分09秒 | バス運転士
一昨日の乗務中… 夜遅くなると青信号が極端に短くなる交差点… 私は3台目で信号待ちをしていたのだが、青に変わっても先頭のマイカーが動かず… 思わず「プッ」と“飛び石クラクション”を鳴らしてしまった。近年、2台目の車がクラクションを鳴らさないことが多いのは、余計なトラブルに巻き込まれたくないからだろうか…

しかし、ムカついた時に使われる爆裂クラクションと違って、こういう“お・し・え・て・あ・げ・る♡クラクション”は必要(できれば綺麗なお姉さんに教えてもらいたい!)と思っている私は、「だからこそ、バスが鳴らさなければ!」と使命感に燃えていたりして…

昨日、昼頃出勤の途中… 前を行くマイカーに続いて右車線を走っていたら… 突然、後ろから「パパパパパァ~ン!」とクラクションが聞こえてきた。まぁ、確かに… 前を行くマイカーの前方はガラ空きで、右車線にしては流れが遅いと言えば遅かったので、その気持ちは分からないではないけれど… かなり激しい“飛び石クラクション”であった。当然、無視…。。。

うん、そうだ! クラクションが、狙った車・自転車・歩行者だけに聞こえるようにしたらいいかも… と思ったけれど、「周囲には聞こえないんだから!」と、クラクションが激しくなる可能性大… ならば、クラクションではなく、狙った相手に「青になりましたよ」などの声が聞こえるようにすれば… そうすれば、私もバスの運転中… 歩道上の女性に狙いを定めて声を掛けられるのになぁ~ ハハハ…(小心者が何を言うか! そんな勇気もないくせに!)


気さくな(?)お爺さん

2016年02月26日 22時05分53秒 | バス運転士
「□□停、行きますか?」「△△に行きたいんですけど… 何処で降りたらいいですか?」「帰りの乗り場は何処にあるの?」「私鉄某駅に近いのは◇◇停ですか?」「××へ行くには、※※停で乗り換えればいいですか?」などなど… 最近、いつも以上に質問をされることが多く… 私の有効回答率は5割くらいだろうか…???

さて、今日も某地区(郊外)巡回バスをやっていて何人かから質問されたのだが、その中の一つ… あるバス停で時間調整停車をしていた時、1人のお爺さんが反対側のバス停からやって来て「○○停、行く?」と言ったので、私が「○○交差点を通りますけど、バス停は違いますよ」と答えたところ、お爺さんは「それでもいい、乗るわ」と言って背後席に座った。

数分後、○○交差点の100mくらい手前にある▽▽停で止まり、1人の女性が降りたのだが… お爺さんに動きが見られなかったので、私が「○○交差点が目の前にありますけど… よろしいですか?」と呼び掛けたところ、お爺さんは「あ、じゃ、降りるわ。ありがと」と言って中扉の方へ向かったので、私も「ありがとうございました」と答えた。

私がバスを発車させようと中扉を閉めた時、ちょうどお爺さんが前扉の外を歩いて行くところだったのだが… 再び「ありがと!」と言いながら手を上げたので、私も左手を上げて応えた。そして、バスを発車させて○○交差点を直進突破… と思ったのだが、交差点を過ぎてすぐに右折して某飲食店に入ろうとする車のせいでドン詰まり… そのまま信号は赤に変わってしまった。

私が「あ~ぁ… これをキッカケに、ズルズルと遅れなければいいんだけど… おっと、さっきのお爺さんに追い抜かれちゃうなぁ~」と思いながら左ミラーを見たのだが、歩道上にお爺さんの姿はなく… 「あれ? どこさ行った?」と思っていたら、反対側の歩道上を歩いていて… またもや私の方を見て「ありがと!」と手を上げてくれたので、私も右手を上げたのだが… 「あぁ、これが魅力的な女性だったらなぁ~」と…(こらこら、気さくなお爺さんに感謝、感謝!)


昨日の話の補足ではないけれど…

2016年02月25日 16時20分24秒 | バス運転士
先日、私が某地区(市街地)巡回バスをやっていた時のこと… あるバス停を定刻で通過… せずに、ハザードランプを点滅させながら止まり、駐車ブレーキを掛けてフットブレーキから足を離し、後方から来ていた旗艦バスに… ん? 字が違うな。ま、いっか… 言うことを聞かんバス(それはオマエのことだろ!)に追い抜いてもらった。

私が「さて、乗降客もいないようだし… 発車するかねぇ~」と思って、右ウインカーを出した瞬間! 20~30m前方の左脇道から、1人のお婆さんが手を上げて出てきたので、私は左ウインカーに切り替えて前扉を開けたのだが… そのお婆さんは、脇道を出た所で立ち止まったまま、こちらを見ていたのである。(何となく嫌な予感…) そう、乗客はお婆さん1人ではなかったのだ。

お婆さんは脇道の奥の方を振り返っては「早く、早く!」と手招きをして… こちらを向いては「ちょっと待ってて!」と手を振って… しかし“もう1人の乗客”はなかなか姿を現さなかった。すると、お婆さんがバス停まで走ってきて、「すいません、もう少し待って下さい」と言った… と、ここまではよくあるパターン…

そこで私が「えぇい! 発車時刻を過ぎて早1分! 今日こそは息子が借りた10両、耳を揃えて返してもらうぞ! さもなくば、この娘を… ヘッヘッヘッ…」と、アホな妄想をする間もなく… お婆さんは、車内の乗客に対して「お待たせしてすいません」と頭を下げたのである。もしも、昨日の話のお婆さんが乗っていたら、どう思っただろうか…

しばらくして、脇道から意地の悪い…(こらこら!) 違う違う! 足の悪いお爺さんが現れて、い・そ・い・で・バ・ス・に・乗・り… 結局、2分半遅れでの発車となってしまったのだが… この巡回バスは所々で時間が余るように設定されているので、そこからバス停6区間くらい進んだ辺りでは定刻に戻って時間調整停車… お爺さんとお婆さんは幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし…