バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

♪緑の車、走りノロノロ真っ赤なランプ~

2012年08月31日 17時00分58秒 | バス運転士

朝9時過ぎ… A駅前から某住宅地へ向かう途中のB駅を、予定よりも少し遅れて発車した。しばらく走ったところで、緑色のマイカーに追い付いた。そこは片側二車線の道路で、その“緑車”は左車線をゆっくりと走っていた。

すると、緑車が一瞬だけブレーキを踏んだので、私は「ここで左折するんだ」と思ったのだが、緑車はウインカーを出すことなく、再び加速して直進し続け… 20~30mも走らないうちに、またブレーキを踏んだので、私は「さっきは左折する道を間違えたのか」と思った。

が、またまたウインカーも出さずに加速して直進し続けた。加速と言っても、止まりそうな速度からの加速なのでたいしたことはなく、緑車は40キロ前後の速度でノロノロと走り続けていたのである。

「バスなんて、どうせバス停で止まるから…」と思っていたのだが、その時は乗客が少なく、バス停で待っている人もなく、通過&通過の連続だった。緑車の方は、相変わらず20~30m進んではブレーキランプ点灯&再加速の連続だった。

さすがに私も「こんな車の後ろにいたら、どんな目に遭わされるか分かったもんじゃない」と思いながら右ミラーを見て、「幸い、後続車も来ていないし… 緑車は40キロくらいで走行中だから、49キロ以下でも抜ける!」と決意して追い越した。

しかし… まぁ… 世の中、そんなもんで… 次のバス停に待ち人がいたのである。結局、そのバス停で乗車扱い中に、緑車に追い越し返されてしまい… 再びブレーキランプ&ノロノロ地獄を味わう羽目になったが、「ここから先はバス停で止まりそうだ」と思った私はすべてを諦めた。

結局、その後は予想通りバス停で止まることが多くなり、緑車の行方は分からなくなってしまったのだが… 少なくとも約2km(実際にはそれ以上!)はブレーキ&ノロノロ運転を繰り返していた緑車… そのドライバーの目的は一体… お金持ちの家探し?(おい!) 一人歩きの女性探し?(こらこら!) 超能力で被害者探し?(結局、見つからない!) 単なるバスへの嫌がらせだったりして…


ボケでも分かる性能の違い

2012年08月30日 21時58分25秒 | バス運転士

4月に「49キロ以下で走れ!」と言われてから、ずっとスピードメーターばかり見ていた(危ねぇな!)けれど、いつの間にかあまりスピードメーターを見なくなっている自分に気が付いた。

しかし… アクセルを踏み込んで、それなりに加速した時には、反射的に「50キロ以上出てないよな?」と確認してしまう。で、ちょいちょい「あっ! 出ちゃったか?」となり、50~51キロを記録することもある。

バスの大きさ、エンジン音、道路の勾配、乗客数、車体のガタつき(?)等々… その時によって条件が違うので、スピード感覚に誤差が生じるのも仕方がない… ということにしといてちょ~!

さて、営業所には様々なバスがあるけれど… こんな私でも「走らんなぁ~」っと分かるバスもある。いつもは40キロくらい軽く出る上り坂なのに、アクセルペダルを床にめり込ませるほど踏んでも25キロくらいしか出ず… さすがの私も「なんじゃこりゃ?」と気付くのである。

逆に、いわゆる中型の新しいバスは元気が良くて、アクセルペダルを軽く踏んだだけなのにギュ~ンと加速してしまい… 私が「おっとぉ~!」とスピードメーターを見たら55~60キロに針が… なんてこともあった。(公式記録は53キロ)

きっと他の運転士は“スピードメーターなんか見なくても49キロ以下で上手に走っている”に違いない… そんなことすら出来ない私には、いつか書いたように“女性ナビゲーター”が必要だなぁ~! ハハハ…(仕事のナビゲーター探しもいいけれど、人生のパートナー探しはどう… あ、聞くだけ無駄だったな。ハハハ…)


気になる紙屑

2012年08月29日 19時36分55秒 | バス運転士

終点の某駅前に到着して、数名の乗客が席を立ってバラバラと降りて行っ… その時、通路に紙屑のようなモノが落ちるのが見えた。もしも、それがハンカチや帽子などの“必要なモノ”ならば、すぐに「落としましたよ!」と声を発するところだが…

「落としたのか捨てたのかわからないけれど、どうせゴミだろう」と思った私は黙っていた。実際、最後に通路を歩いてきた高校生も、その紙屑が見えているはずなのに素通りして行ったので、私は「やっぱりゴミだ!」と確信した。

それからバスを待機場所へ移動させて… と、そこへ一人の女子学生がやって来て「すいません、忘れ物をしちゃって…」と言ったので、私は「はい、どうぞ」と言いながら前扉を開けた。

すると、彼女は“通路に落ちている紙屑”を拾って「ありがとうございました」と言いながら降りて行ったのである。私は「あれはゴミじゃなかったのか! いや、一度は捨てたけど、良心の呵責に苛まれて戻ってきたとか? いやいや、そんな面倒なことしないわなぁ~」と思った。

それにしても、あの紙屑は何だったのか… そんなに大切なモノだったのか… 彼女がもう少し遅く来てくれれば、私が忘れ物チェックをしながら、じっくりと紙屑を見ることが出来たのに…

そうしたら、その紙屑には“とんでもないこと”が書かれていて、彼女に「見ぃたぁな~」と言われ、命を狙われることになっていたかもしれない(アクション映画の見過ぎ!)。まぁでも、迫ってくるのが若くて綺麗な女性だったら、命の一つや二つくらいどうってこと…(あるある! あぁ、アホに付ける薬はないのか…)


ウォーターハザード!?

2012年08月28日 22時21分13秒 | バス運転士

夕方、終点の某駅前に到着した。次の発車まで15分くらいあったので、私はバスを待機場所へ移動させ、横向きの客席に座って通路に足を延ばし… その時、クシャミが出そうになったので、左手を口の前に持ってきて「ハクション!」とやった。

それから、何気なく左隣りの座席に左手を置いた時、左手に“水分”が付着しているような感じがしたので、私は「ありゃ? クシャミした時に鼻水が出たのか!? まさか座席を汚してないだろうなぁ…」と不安を感じつつ、改めて隣りの座席を触ってみた。

すると、やはり座席にも水分が… 一瞬「しまった!」と思ったけれど、すぐに「おや?」と思った。私の鼻水にしては、水分量が多く感じられたからである。よく見ると、その水分は“座席のほぼ中央”にあり“長さ12~3cmの楕円形”に広がっていた…

「ひょっとしてコレは…」と思った私は、確認のために左手の臭いを嗅いでみたのだが、その水分は無色かつ無臭だった。「その水分が何であれ、とりあえず座席を使えるようにしなければ!」ということで、カバンからポケットティッシュを取り出した。

そして、座席にグッとティッシュを押し付けると、水分を吸収して色が変わった。一つのポケットティッシュがなくなるまで、それを何度も繰り返し… 私がグッと体重をかけてもティッシュの色が変わらない程度まで、水分を取り除くことができた。

“謎の水分”を手で感じながら作業をするのは嫌だったけれど、すでに二度三度と触った後だったので、「どうでもいいや!」と思いながら復旧作業に精を出し… 作業終了後、トイレで手を洗ってから運転席に戻った。

それにしても、あの水分は何だったのだろうか? やっぱりアレは… えっ!? そんなに気になるんだったら、嗅覚だけじゃなくて“味覚”も使えば分かっただろうって!? なるほど! 次回はそうしてみよ…(アホか! 変な趣味があると思われるぞ!)


ローバッテリーエラー

2012年08月27日 21時30分22秒 | バス運転士

休憩室のない某駅近くの終点に到着した。次の発車まで20分ほどあったので、私は「バッテリー保護のために…」と思ってバスの電源を切った。そして、徐々に暑くなっていく車内で休んでいた。「休めた」と言えるかどうかは別として…

発車時刻が近付いて、私がバスの電源を入れたところ「ピピッ、ピピッ、ピピッ…」と何かの警告音が聞こえてきた。その日のバスの運行をセットする画面に“ローバッテリーエラー”と出て、運転席の頭上にある機械が警告音を発し始めたのである。

私は「あぁ、ちょっと前に他の運転士が陥った状況と同じだなぁ~。頭上の機械のスイッチを一度切って、再び入れればそれで解決だ」と余裕しゃくしゃくだったのだが、何度やっても機械は「ピピッ、ピピッ、ピピッ…」のまま… 迫る発車時刻… 私の気持ちに余裕はなくなってしまった。

それでも自分なりに考えて、その機械と関連してそうな他のスイッチも切ったり入れたりしてみたけれど… まったく駄目だった。結局、営業所へ電話をしてアドバイスをもらうことになり、まずは私がやったように「スイッチのオンとオフ」を言われて再びやってみたが、やはり駄目だった。

次に「その機械に挿入されているメモリーカードの出し入れ」を言われてやってみたが、これも駄目だった。さらに「そのカードに入っているボタン電池の出し入れ」を言われたのだが… 焦っている私には、それが簡単に出し入れ出来るような構造になってないように見えた。

その時、“ボタン電池が入っていると思われる部分”のフタ(?)がコンマ何ミリだけ浮いていた(突出していた)ので、私は「この浮いている分だけでも中のボタン電池を押し込めば、電池を出し入れしたことになるんじゃないか?」と勝手に解釈して、フタをグッと押し込んでみたところ、見事に機械が復活したのであった…

バスに装備されている機械が“ローバッテリーエラー”となったら、普通は「バスのバッテリーが弱いのか!?」と思うじゃんねぇ… まさかメモリーカードの電池が… しかも、その電池が古くなったとかじゃなくて、ただカードの中での接触が悪いだけのような…(要するに原因不明!) まぁ、電気を使う生活は便利でいいけれど、“目に見えない世界”は分からないことだらけだなぁ…