バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

見てない、分かってない…

2015年12月31日 16時00分51秒 | バス運転士
某地区(街中)巡回バスをやっていると、必ずと言っていいほど「某総合駅へ行きますか?」「△△停へ行くよねぇ?」と聞かれるバス停があり、その度に「行きません」「行きますけど、遠回りします」と答えている。また、私は前扉を開けると同時に「不安だったら聞いてね!」と思いながら「巡回バスです!」と言っているのだが… 巡回バスの経路を熟知しているのか、黙って乗り込む人もいる。

しかし、目の前の小さな交差点をバスが左折した瞬間に「ピィー!」と降車ブザーが鳴り… たった今、乗ったばかりの人が降りて行く… そんな光景は珍しくも何ともない。先日も、バス停に1人のお婆さんが立っていたので、「巡回バスです。某総合駅には行きませんよぉ~」と言ったのだが… お婆さんはフリーパスを提示しながら無言で乗り込んだので、「あぁ、分かっているんだな」と思った。

そこへ、スーツ姿の男性4人組がやって来て「これ、△△停へ行くぞ」と言ったので、私は慌てて「△△へは遠回りですよぉ~」と叫んだ。すると、「えっ!? そうなのかぁ…」と言いながら後ずさりし、ちょうど背後にやって来た某総合駅行きのバスの方を見たので、私も安心して扉を閉めて出発したのだが… バスが左折した瞬間、「ピィー!」と降車ブザーが鳴り、先に乗ったお婆さんが降りて行ったのだった… やっぱり見てなかった、分かってなかったのかぁ~!

さて、そういう私もボケの中のボケなので、人のことを言っていられない。先月だったか、マイカーの「ピピッ」という開錠反応の悪い時があったり、エンジンを止めた時に「ピー」という音がしたりして… ある日、某運動場の休憩室で「今朝は、エンジンが掛かるまで何度もトライして… 焦ったよ」と言ったら、「その電池交換、自分で出来ますよ」と教えてもらったのだった…

また、今月は… 少し早めに近所のスーパーで“サルの鏡餅”を3個だけ買っておいたのだが、今週になって「あと2個は必要だな」と思って買いに行ったところ… 既にサルが売り切れていたので、「仕方がない、“ダルマの鏡餅”でいいや」と思って買って来たのだが… ダルマを飾った翌日に気が付いた。ダルマに“合格”と書いてあることに… あぁ、このボケは… 一体、何に合格するつもりなんだか… では、良いお年をお迎え下さい。


若い男女と青い運転士

2015年12月30日 14時06分57秒 | バス運転士
あるバス停にて… 先頭の“比較的若い男女”が、後続のお年寄りに順番を譲ったのを見て、「おぉ~ 私には出来ない… 素晴らしいなぁ~」と思いながら、10名ほどのお年寄りの乗車扱い(フリーパス提示の確認)をしたのだが、元気なお年寄りばかりだったので、1分も経たないうちに乗車&着席を完了した。

が、お年寄りに順番を譲った男女は、バス停で痴話喧嘩… 否、何か分からないけれど話し合いを続けていた。雰囲気を察した男性が、ゆっくりと前扉に近付き、バスのステップに右足を掛けてフリーパスを提示… と、そこで振り向いて「行こうよ!」と女性に声を掛けたのだが、女性は「いってらっしゃい!」と言うように手を振った。

すると、諦めの悪い(?)男性が「いいじゃん、一緒に行こうよ」と女性を説得し始めたのだが… 女性は「私、何も用意して来なかったから…」と両手を広げて見せたのだった。その様子を見ていた私は「はい、これで一件落着…」と思ったのだが、私以上に(?)諦めの悪い男性が「あぁ、それじゃ…」と言いながらポケットから財布を取り出した。

私が「ひょっとして!?」と思っていると、予想通り… 男性は財布から“介助者用フリーパス”を取り出して提示… それを確認した女性は、急いでバスに飛び乗ったのだが… 青になっていたはずの信号は、再び赤に変わっていた。ま、そういう細かいことの積み重ねで遅れることもあるのがバスなので… 少し遅れたくらいでは“遅れの案内(遅れた理由)”は言わない(言えない)のである。

(まぁ~ とか何とか言っちゃってぇ~! ホントは、その仲睦まじい男女が羨ましかったんじゃないのかぁ~? だから、いい年こいてケツが青いオマエはスネちゃって、「バスが遅れたくらいでガタガタ言うんじゃねぇ~!」って思ったんじゃないのかぁ~? どうだぁ~ 図星だろう~! ハハハ…)


お婆さんの好きなもの

2015年12月29日 19時44分33秒 | バス運転士
昨日、市内を巡回中…(おいおい、警察じゃないんだから… ただの巡回バスだろうがぁ~) 昼間は多かった乗客も、日没時刻が近付くにつれて少なくなり… 途中で「まだ誰か乗っているのかな?」と思っていたら、1人のお婆さんが席を立って通路を歩いてきたので、「まさか… 乗り間違えた!?」と不安になった。

ちょうどバスが赤信号で止まるのと同時に、お婆さんが運転席の横に到着… 運賃箱の上に何かを置いたのである。何かと思って見てみると、それは“黄色い箱に入ったチョコレート”だった。そして、お婆さんが「美味しいよ。季節限定で… 私、好きなんだわ」と言ったので、私は「ありがとうございます」と答えて受け取った。

さらに、お婆さんが「それ、お酒が入っとるで… 今、食べちゃダメだでね。仕事が終わってから食べやぁ~」と教えてくれたので、私は「えっ、そうなんですか! クビになっちゃうから… 帰ってから食べます。ありがとうございました」と答えながらカバンの中にしまい、我が家への“おみやげ”とさせてもらった。

その箱には“冬季限定”“香り豊かなりんごのお酒”“洋酒使用 アルコール分2.6%”“お酒が入っていますので、運転時などはご遠慮ください”と書いてあり、せっかくなので実験開始… チョコレート一粒を口の中で噛み砕いた直後に“携帯アルコールチェッカー”を試したところ、「0.90」という数値が飛び出した。その後、チョコレートを飲み込んでから再チャレンジして「0.17」、3度目で「0.09」、4度目で「0.05」、5度目でようやく「0.00」となったのだった… お婆さん、ごちそうさまでした。


はぁ~~~??? ひぇ~~~!!!

2015年12月28日 22時24分23秒 | バス運転士
今日は、昼から某地区(街中)巡回バスを担当… いつも以上にデタラメな駐車車両が多く、早々に私は“戦闘モード”に入っていたのだが… 途中から「♪遅れているのは~ 私のせいじゃない~(そんな歌、どこにもねぇぞ!)」と“諦めモード”に切り替わっていた。

そんな精神状態で、ある片側一車線(右折レーン付き!)の交差点に差し掛かった時のこと… 3台の普通車が信号待ちで止まっていたのだが、右折レーンには1台もいなかったので、私は右折レーンに進入して停止線まで… 行かずに、3台目の普通車の右斜め後ろで止まった。

なぜならば、3台目の普通車が“2つの車線を区切っている白いライン”を、なぜか踏み越えて止まっていたからである。私のバスは“いわゆる中型”だったので、3台目の普通車よりも前に出ても問題はなかったのだが… 諦めモードだった私は後ろに控えたのである。

すると、しばらくして3台目の普通車が1mくらい前進したので、私は「まだ信号が赤なのに… このドライバーは“せっかちさん”なのかな?」と… その時! 3代目が… 否、3台目が止まると同時に運転席の窓が開き、そこからジェイソウルブラザーズ… 否、ブラザートムのようなオバサンが顔を見せたのだった。

オバサンは、決して窓から顔を出した訳ではなく、ドアミラー越しに私の顔をジィ~~~~~っと睨み付けながら、何かブツブツと呟いていたのである。そんな顔に魅せられ… 否、そんな顔を見せられた私は「はぁ~~~??? なんですかぁ~? 何か言いたいことがあるなら、営業所でも何処でも電話すればぁ~?」と思いながら、バスを1mくらい前進させたのだった。

が、営業所へ電話が入った様子はなく… 私は、無事に帰宅してしまっ… ん? まさか… そのオバサンが特別な情報網を持っていて… 今夜、このブログにコメントを書き込んだり、私の携帯へ電話を掛けてきたりして!? さらに、丑三つ時には私の枕元に立っていたりして!? ひぇ~~~!!!


ある日の午後の黒い塊

2015年12月27日 21時51分28秒 | バス運転士
あるバス停に接近して行くと… 黒くて大きな塊が見えてきた。その正体は… 数名のお年寄りと“20~30人の男子中学生”であった。(相変わらず、男子には人気があるなぁ~ そういえば、テニススクールで一緒になる若夫婦の息子さんからも、熱い視線を送られているらしいじゃないか! ハハハ…)

私はバスを止めて、前扉を開けながら「お待たせしました、某駅行きです…」と言ったのだが、乗ったのはお年寄り2人だけだった。中学生軍団に動きが見られなかったので、私は前扉を閉めようとレバーを… と、その時! 黒い塊の中から「何でもいいから乗れぇ~!」という声が聞こえてきたのである。

私が「何でもいいからって… どういうこと!?」と思う間もなく、「お願いします」「違うんじゃ…」「俺は乗るよ」「えっ… いいの?」「いいから乗れ!」などと言いながら数人の中学生が乗ってきたのである。その後も黒い塊の中から「いいから乗れぇ~!」という声が聞こえていたけれど、中学生の流れは止まったままだった。

いつまでも待っている訳にいかない私は、念のため、バスに乗った中学生に「よろしいですか?」と尋ね、「はい、いいです」と返事をもらってからバスを発車させたのだが… 「もしも乗り間違えだったとしても、もう中学生だし… 男子だし… 一人じゃないし… 一日乗車券だし… 行き着く先は市内だし… まぁ、大丈夫だろう」と自分の中の不安を消したのだった。

(そのオマエが“お年寄り専用フリーパス”を持つようになって、意味不明なことを呟きながらバスに乗った時には… 不審に思った運転士から「もう大人だし… 男だし… 独りだけど… フリーパスだし… 行き着く先は地獄だし… まぁ、時間の問題だろう」と思われるに違いない。ハハハ…)