バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

アイドリングストップしているけれど…

2010年09月30日 23時54分12秒 | バス運転士

以前、オートマチック式のアイドリングストップバスに“遊ばれた”話を何度か書いたけれど、マニュアル式のアイドリングストップバスの中にも、ちょっと変な奴がいて…

マニュアル式の場合は“ギアがニュートラル”“速度がゼロ”“クラッチがつながっている(クラッチペダルを踏み込んでいない)”の三つが揃えば「プスンッ!」とアイドリングストップする。そして、クラッチペダルを踏み込めば「ブルルン!」とエンジンスタートする。

その日のバスはとても敏感というか気が早いというか… ペダルを踏み込んだ状態から、左足を少し(3~4cm)上げただけでアイドリングストップしてしまうような奴だった。

だから、赤信号で止まった時に「もうすぐ青信号に変わりそうだから、アイドリングストップしないで待とう」と思って、クラッチペダルを踏み込んだまま… のつもりだったのに、ちょっと油断して左足の力が抜けただけで「プスンッ!」となってしまい、結局、青信号での発進が遅れることがあった。

また、ある交差点で同じようにアイドリングストップしないで待っていて、「さぁ、青信号に変わるぞ!」とギアを入れたと同時に「プスンッ!」となってしまったこともあった。ギアを入れる瞬間、私の左足がわずかに浮いてしまったのかもしれないが…

とにかく! ギアが入っているのに、アイドリングストップしてしまったのである。本当のエンストならば「ビィー!」と警告音が鳴り響くのに、そうなっていないということは… やはりアイドリングストップしているのである。

私はそのままクラッチペダルを踏み込んでみたが、やはりギアが入っているのでエンジンは掛からなかった。そこで、ギアをニュートラルにしてから、もう一度クラッチペダルを踏み込んだところ、「ブルルン!」とエンジンが掛かったのでホッとした。

たまに「エンジンが掛からなくなった」と、バスが立ち往生していることがあるのだが… それを聞いたベテラン運転士は「アイドリングストップなんてしとるでだわ!」と言ったりする。実際にバスの整備をしている人の話によると、やはりエンジンにはかなりの負担になっているようで… そして今日も、私は不安な気持ちのままアイドリングストップをしているのである。


before and after

2010年09月29日 17時38分30秒 | いろいろ

運転免許証の更新に行った時のこと… 受付を済ませて、視力検査をやって、写真を撮った後… 担当の警察官が私の免許証をジッと見ていた。私は「えっ!? 何もやってない! はずだけど…」と思ったが、すぐに警察官が「随分と変わったねぇ~」と言った。

そう、警察官は“5年前に撮った私の顔写真”を見ていたのである。ホッとした私は「えぇ、職場でも“病気じゃないか!?”と言われるくらいでして… 先日も、近所のおばさんから“えらい印象が変わったねぇ~”と言われまして… 去年の健康診断と比べて15kgも減ってましたよ」と喋る喋る…

警察官が「へぇ~、羨ましいねぇ… (自身のお腹をさすりながら)私なんかコレだもんなぁ~」と言ったので、私は「一年ほど前からテニスを始めたこともありますが、食べたいものを我慢している部分が大きいですから… これも結構、大変なんですよ」と言った。警察官は「そこまでやらなきゃいかんかぁ…」と残念そうに呟いた。

5年後… 今回とは逆に20kgくらい太っていて、また「随分と変わったねぇ~」と言われたりしてね。ハハハ…


定期券から妄想の世界へ

2010年09月28日 19時01分17秒 | バス運転士

通勤通学の時間帯は、定期券の使用が多い。その中には、見せ方が中途半端な人もいるけれど、「たまたまそのように持ってしまったのだろう」と思っている。しかし、まったく券面を見せない場合は、さすがに止めてみるのだが… これが不正でも何でもなかったりする。

また、見せられたものが、定期券ではなくて“某店のポイントカード”や“飼い犬の写真”などの場合もある。明らかに悪気はないと分かるのだが、「すいません…」と声を掛ける。

そんな時、なぜか不愉快そうに「ほれっ!」と言わんばかりに定期券を見せる奴もいるけれど… 普通は「あらやだぁ~!」と照れ笑いを浮かべながら定期券を見せてくれるので、私は「ありがとうございます」と言う。精一杯の“オッサンの微笑”を浮かべながら…

そこで、笑顔の素敵なおばさん(と言っても私よりも年下だろうが…)に「独身ですか?」なんて聞けるはずもなく…(そんな勇気があれば、とっくに結婚してるわな!) もしも私に石田純一が乗り移って聞けたとしても、「運転士が仕事中に乗客をナンパしていた!」という苦情の電話やメールが、本人からではなく“ただ見ていた人たち”から殺到するに違いない。

ということで、誰か“逆ナン”してくれないかなぁ~? それならば、苦情にはならないでしょう!? しかし… 返答が難しい。キッパリ断ってしまうと、それっきりになってしまうだろうし… 二つ返事でOKすると、それはそれで苦情になりそうだし… と、またどうでもよい妄想の世界に浸る私であった…


飛びます飛びます!

2010年09月27日 19時43分19秒 | バス運転士

夕方、車内スピーカーを通して、いきなり「ご乗車ありがとうございました」と言ってしまった。これから始発の某駅を発車しようという時に… 「乗ったばかりで、もう降りろってか!?」なんて言う人はいませんでしたが…(言ってくれた方が気楽だったりして!?)

バスを乗り場に着けて前扉を開けて、「ありがとうございます」と言いながら乗車扱いをして、周囲を見回して乗客の有無を確認して… 「さて、発車前の車内&車外案内をしよう」と思ったのだが… なぜか、その瞬間“今、ここへ到着した”と勘違い… したのかどうか、自分でもよく分からんのだが…

それは、マニュアル車でクラッチを踏むのを忘れて“本気(マジ)エンスト”してしまう時も同じで… それまでの数時間、ずっとクラッチ操作をやって運転していたのに、突然“オートマチック車だ”と勘違い… するのかどうか、ホントに自分でもよく分からんのだが…

とにかく、いきなり飛ぶんです。何だか分かりませんが、飛ぶんです。言うまでもなく“飲酒”なんてしていませんからね。もちろん“クスリ”なんてやってませ… ん? そういうモノをやっていないのに飛ぶ方が危ないんじゃないかって!? う~む… 洒落にならなかったりして…


真夜中のドアを叩きぃ~

2010年09月26日 20時15分56秒 | バス運転士

先日、市内中心部を真夜中(午前1時半頃)に発車する勤務をやった。幸い、その日は聞いていたほどの混雑もなく(と言っても超満員であることに変わりはないが…)、「順番に奥の方へお詰め下さい」などと言う必要もなく(と言っても前扉の内側にも人が立っているほどだったが…)、時間通りに出発した。

ロータリーをグルッと回り、一般道に出てから右折して、5車線(かな?)の真ん中で赤信号待ち… すでに300mほど走った後である。そこで突然「ドンドンドンドン!」と音がした。誰かが外から「乗せてくれ!」と言わんばかりに前扉を叩いたのだ。しかし、私が態度を示す間もなく、その男性はバスの進行方向へ走り出した…

信号が青に変わり、私は「何なんだ!?」と思いながらバスを発車させた。すると、その交差点を過ぎてすぐのところで光っている、バス停の存在に気が付いた。私は「なるほど、このバス停で乗せてもらおうということか!」と思ったのだが… 残念ながら、そのバスはそのバス停を使用しないので、そのままサヨウナラ… それを認めてしまったら何でもありになってしまうので…

その後、無事に終点の某駅に到着… が、やはり“就寝中”の男性が1名… 私は忘れ物チェックをしながら「終点ですよぉ~!」と声を掛けた。すると男性は「あぁ… えっ!? 終点???」と叫びながら立ちあがった。私は「おいおい、まさか何とかしてくれなんて言わないよなぁ…」と不安になったが、その男性は黙って降りて行った… どこで降りるつもりだったのか分からないけれど、結局はタクシーに乗ることになったのだろうか… 市内中心部から乗るよりも近いことを祈る。