二人分以上の運賃を一人がまとめて払う場合、普通は“先頭の人”が「(大人)三人分ね」とか「大人二人と子供一人です」とか言いながら乗ってくる。
しかし、時には「後ろが払います」と言う人がいる。そして、それがすぐ次の人ならばともかく、何人も後ろの人が「二人分です」なんて言うこともある。
そのように一言あればいいけれど、何も言わずに素通りしようとする人もいる。私が慌てて呼び止めると、そこでようやく「後ろが…」と口を開くのである。
今朝、あるバス停から数名の乗車があり、最後から二人目の女性が“そっぽを向いたまま素通り”した。が、何となく最後の男性と夫婦のような気がしたので、私は何も言わなかった。
しかし、男性は運賃箱へ200円を入れただけで行こうとしたので、私は「しまった、他人だったのか!」と思って既に“車内観覧席”まで行っていた女性に声を掛けた。
すると、後方へ行きかけた男性が、一度手にした荷物を再び下ろして、小声で何かボソリと言いながら、もう200円を入れて行った… 結局、バスに乗る前から降りた後まで、ずぅ~っと二人の間には会話がなかったのだが… 喧嘩でもしたのかな???
また、あるバス停から乗ってきたお爺さんが、やはり“にっこり笑顔で素通り”しようとしたので、私が「すいません…」と言いながら両手で長方形を作って「フリーパスですか?」と問いかけた。
すると、お爺さんは手に持っていた紙袋の中身を私に見せて行こうとしたのである。一瞬、何をしたいのか分からなかったけれど、私は「紙袋の中にフリーパスが入っているのか?」と思って「いや… 見えないんですけど…」と言った。再び、お爺さんが紙袋の中身を見せようとしたところ… 後から乗ってきたお婆さんが「ちょっと、何ボケてるの!? これを見せなきゃダメじゃない…」と言いながら、お爺さんの胸ポケットからフリーパスを取り出した。
お爺さん… 私のボケとは違って、本当のボケが…??? それはそれで心配ですが… ある意味、私のボケの方が深刻だったりして!? いや、ホント、最近、自分でもヤバイんじゃないかと思うことがあったりして…。。。では、良いお年をお迎え下さい。
終点の某駅まであと二つというバス停に、おばさんとお婆さんが立っていた。二人の位置に合わせてバスを止め、前扉を開けたのに中扉から乗ろうとして… すぐに前へ戻ってきて「(終点の)○○駅に行けば地下鉄に乗れる? 名古屋駅へ行きたいんやけどぉ~」と言った。私は「はい、乗れますよ。乗り換えないといけませんが…」と答えた。
これが私の“脳硬直”なところで… 最初の「地下鉄に乗る」という言葉に縛られてしまい、その後の「名古屋駅へ行く」という言葉が聞こえていても、頭に入ってこないのである。これまでにも、後になって「あ、しまった! 他にも選択肢があったのに…」と思ったことが何度あったことか…
しかし今回は… つい最近、自分が名古屋駅方面からJRを使って○○駅へ来たことがあったので、その二人が降りる時に「JRもありますよ。その方が乗り換えもないし…」と案内することができた。ボケな私としては“よくできました”です。ハハハ…
終点のB駅に到着したところで母子がやってきて、「すいません、間違えて乗っちゃって… ○○へ行きたかったんですけどぉ…」と言った。私は「○○ですかぁ!?」と少し困惑した。始発のA駅からならば、○○を通るバスが出ているのだが… 他営業所の“縄張り”であるB駅から行くにはどうすればいいのか分からなかったからである。
唯一、私が分かっていたのは“自分も走ることがある路線へ乗り換える”ルートである。だから「他の営業所のバス路線について分からないのですが… これでA駅へ戻る途中の△△で乗り換えるしかない… でしょう… ねぇ…」と答えるのが精一杯だった。
折り返しの発車時刻まで数分あったので、私はバスを待機場所に止めて携帯電話を取り出した。そして、こっそり“乗り換え”を検索して調べたところ… 私が言ったルートが最短で表示されたので、私はホッとした。が、その母子は△△で降りずに、その次の××で降りたのである。予定を変更したのか、そこから歩いたのか… まぁ、言っていたバス停と降りたバス停が違うことは多々あるので、特に心配はしていないけれど…
バスを運転する時の“ペース配分”は、路線によってかなり違う。途中のバス停で何度も時間調整が必要になるような路線もあれば、法定速度ギリギリ一杯で走っていてもどんどん遅れる路線もある。もちろん、曜日や時間帯によっても違ってくるのだが…
また、終点に到着してから折り返しの発車までの時間が、たっぷりとある場合とほとんどない場合がある。一概には言えないけれど… バスが遅れると分かっている“朝夕のラッシュ時間帯”には時間的余裕が欲しいのに、逆に余裕がなかったりする。
そんな時には「バス遅れましてご迷惑様でした」と言う。もちろん、迷惑を被った乗客が“被害者”であることは言うまでのないのだが… そう言った運転士自身も「トイレにも行けない!」なんてことがあったりして、実は“被害者”だったりする。ん? これでは被害者ばかりではないか! どこかに加会社が… あ、違った。加害者がいるはずなのだが… う~む…
で、今度は私が発車時刻を迎えて一度は扉を閉めたのだが、前扉のすぐ近くまで一人の男性が来たので再び扉を開けたところ… 後から後から来るわ来るわ駆け込み駆け込み!!! そして発車が遅れ… 次回はビシッと発車しよ… って、以前にも同じような“決意”をした記憶が…???
その折り返し、某駅から某住宅地へ向かっている途中… 私があるバス停で止まると同時に、前を走っていた某大手企業の社員用(と思われる)バスも20mほど前方で止まった。そして、私が発車しようとした時、左後方から走って来る男性がミラーに映ったので待っていたのだが、彼はバス停を素通り… と同時に前のバスが発車… 彼の足はピタリと止まった。彼が見えなかったのか、私の乗客だと思ったのか… あるいは“いつもいつも”だから、ビシッと行ったのかも!?