バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

ハジメマシテ…

2010年11月30日 23時10分00秒 | バス運転士

夜の某駅で、大きな荷物を持った外国人女性が「このヒト、にほんごワカラナイから…」と言いながら、同じく大きな荷物を持った外国人男性をバスに招き入れて200円を払った。そして彼女は持っていた荷物をバスに置いて去って行った…

終点の某住宅地に到着して、大きな荷物を二つも降ろさなければならない彼… 次の発車まで時間がない私… 黙って見ているわけにもいかず… 一緒に荷物を降ろし終わると、彼が私に対して「ワタシ、アタラシイヒトデス。ヨロシク」と言った。私は「ヨロシクと言われてもなぁ…」と戸惑いながらも「何か言わなきゃ…」と思って、結局、私も「ヨロシク…」と小声で言ってしまった… 何となく照れ臭い…

すると彼は「ココワ、ドコデスカ?」と言ったので、私は… バス停に書いてあるアルファベット表記を指差して停留所名を言ったところ、彼は納得したようだった。私はすぐにバスに乗り込み、バスを乗り場へ移動… 彼は「アリガトウ」と言って手を振っていた… ところで、あの女性は… 奥さん? 同僚? それとも…???


バスの発車時刻について

2010年11月29日 12時21分54秒 | バス運転士

市内中心部のバスターミナルから発車する、一時間に一本の路線を担当した時のこと… 運行カードを見ると、手書きで“××停50分、○○行き”と書いてあった。××停とは、バスターミナルを出て最初のバス停のことである。

私は「あぁ、そういえば… いつだったか××停に行くと、既にバスが止まっていて、ハザードを点滅させながら少しだけ前進して“先に行って!”とやられたことがあったような… あれはどこから来たバスなんだろう… 私のバスが先に着いて発車できればスムーズなんだけど…」と自分のボケ脳の引き出しを探っていた。

そんなことを考えながら、他のバスと同時刻にバスターミナルを発車した。すると、前のバスが同じ方向へ左折、左折… 私が「まさか!?」と思って、そのバスをよく見ると“○○行き”であった…

なぜだ… 同じ場所から同じ時刻に発車して同じ道を走って来ているのに… 私のバスは××停を47分発で、前のバスは50分発とは… しかも、それが同じバス会社にもかかわら… 否、バスと制服は同じでも“中身”が違うから駄目なのか…

その時は信号のつながりが悪く、既に50分を過ぎていたので、前のバスもすぐに発車してスムーズだったのだが… ということは、私のバスは一つ目のバス停で既に3分以上の遅れということで… なんだかなぁ…


お客様に有利な対処

2010年11月28日 17時33分38秒 | バス運転士

何か不測の事態が起こった場合などでも、常にそうなるように判断せよと言われている。もちろん、私も常にそう考えている… つもりである。

先日、某駅で乗った女性が運賃箱にカードを通した。すると「50円不足」と出てしまった。彼女は特に慌てることもなく、財布から50円玉を取り出して現金投入口へ… と思ったら、それは5円玉だった。

引き続き、運賃箱が「45円不足」を訴えていたので、私はすぐに「すいません…」と彼女を呼び止めた。そして、私が「5円玉…」と言いかけたところで気が付いた彼女は、財布から50円玉を取り出して現金投入口へ…

不足金が50円のところ、投入金が55円ということで… 私は少しだけドキドキした。果たして「運賃箱から5円玉が戻って来るのだろうか?」と… しかし、出てきたのは10円玉であった。そこで彼女が「いいんですか?」と言ったので、私は機械の“意思”を尊重して「いいですよ」と答えた。

どうやら5円玉を選び出す機能はないらしい… だからお客様に有利なように10円玉を… アンタは偉い! 少なくとも、ちょくちょく判断ミスをする私よりは…


お婆さんの目的地

2010年11月27日 23時24分46秒 | バス運転士

某駅のバス乗り場にお婆さんがやって来て、「このバスは… あのぉ… あそこ… 十字路に行く?」と言った。私は一瞬「十字路って… ほとんど十字路なんですけどぉ~」と思ったけれど、すぐに「バス路線が交差しているという意味なのか!?」と思い直して、「○○停ですか?」と聞いてみた。すると、お婆さんは「あ、そうそう」と言って席に着いた。

約10分後、○○停に到着して何人か降りたのだが… お婆さんは運転席の横までやって来て、前方を眺めながら「あのぉ… ここかねぇ?」と言った。私は「そんなこと私に言われても… 分かるわけないじゃん!」と思ったけれど、「行きたい所の近くに何かありませんか?」と聞いてみた。すると、お婆さんは「え~っと… 十字路…」と言ったので、私は「いやぁ… ほとんど十字路なんですけど…」と苦笑いするしかなかった。

十数秒後… 車内後方から“わざとらしい咳払い”が聞こえ… さすがに私も「困ったなぁ~」と思った時、お婆さんが「△△金庫…」と言ったのである。私は「ん? この辺にあったような…」と思って右側を見ると、そこには△△金庫が…!!! 私が窓の外を指差して「あ、ここにありますよ!」と喜んで言ったのだが、お婆さんは「あ、そう… ここかなぁ…」と呟くだけの鈍い反応… そこで私が「えぇ~っ!? まだ降りてくれないのぉ~!?」と思ったのがお婆さんに伝わったのか、「ここで降りるわ」と言って降りてくれた…。。。もしも、あのままお婆さんが迷い続けていたら… 私はどうしたでしょうねぇ~???


もしも無線が使えたら…

2010年11月26日 22時17分26秒 | バス運転士

そして昨日の朝、「完全弊社のように無線を使えれば良かったのに…」と思えることがあった。

私の運行カードには、同じ乗り場から4分早く発車するバスの行き先と時刻が書いてあった。そのバスはそこが始発ではないので、“少し遅れて来るかもしれないから、慌てて乗り場に着けないように!”という意味である。

私が待機場所に止めたバスの中から見ていると、そのバスはほぼ時刻通りにやってきて、20秒程度の遅れで発車した。しかし、乗り場にはまだ多くの乗客が待っていたので、私は「先発バスも行ったことだし、もう発車まで3分を切ったことだし…」と思ってバスを乗り場へ着けた。

ところが、私のバスに乗ったのは10名程度で、他の人たちはそのまま動かずに立っていた。そして、私が何か思うより先に、背後にバスの影が迫ってきたのであった… 私は「ゲゲッ… バスが来たけど… 何分なんだろう? ターミナル内をグルッと回った方がいいのかな? でも、運行カードに書いてないのだから、私のバスよりも後発に違いない」と思って、そのまま更に1分以上待って定刻発車したのだが…

完全弊社では、このような状況になった場合、すぐに無線で「何分発ですか? それじゃ、回ってきます」などと言えたのに… また、半弊社は“運賃先払い”なので、運転士がバスを降りて聞きに行くことも出来ないし… ♪もしもぉ~無線がぁ~使えたらぁ~