あるバス停から数名の乗車があり、車内は立ち見客が出るほどになった(何を見るんだよ!)。その後すぐに赤信号で止まり、私が右前方の歩行者用信号をボォ~ッと見ていた時…
車内中央あたりから「ちょっと、あんた… あの運転士さんの名前、見える?」と言うお婆さんの“控え目な声”が聞こえてきた。それに対して、おばさんが小声で「まついさんです…」と答えていた。
私は「聞こえなかったことにしよう」と思って、そのまま右前方の歩行者用信号を眺め続け… 否、もう信号なんて目に入っておらず、おばさんが「下の名前は“しょうじさん”か“まさしさん”か…」と言っている声に聞き耳を立てていた。
信号が青に変わり、私はバスを発車させたのだが… 様々な憶測が頭の中を駆け巡った。真っ先に浮上したのは「まさかの車内モニター!?」だったが、さすがに… そんなバレバレなことは… 常識的に考えて有り得ない。
では… なぜ、お婆さんは私の名前を知りたがっているのか!? その場で“姓名判断”をやって、降りる時に結果を手渡してくれるとか? しかも、まさかの“有料鑑定”だったりして!?(そんなアホな… 占いの押し売りかよ!)
そういえば… お婆さんが「見たことある」と言っていたような… 普通に考えられるとしたら、運転士が乗客に対してやった“善行か悪行”である。お婆さんは、私の顔を見て“過去の出来事”を思い出したのかもしれない。
が、制服&制帽姿では、私とソックリに見える運転士もいるようなので… お婆さんの勘違いの可能性もある。まぁ、いいや。善行だったら私に似ている運転士さんで、悪行だったら元々低評価の私ということで…
私が一人でアレコレ考えていたのを知ってか知らずか、お婆さんは他の乗客と一緒に黙って降りていってしまったのである。その後、営業所などに私宛の善行か悪行の一報が入ったとも聞いていない。う~む… 一体なんだったんだ、お婆さん… ひょっとして、数年前のお見合いパーティーで一緒だったとか!? ハハハ…(ないない!)
今日は昼寝休憩のある勤務だったけれど、私にしては珍しく“予定”が入っていた。そう、キャバクラ嬢からのラブコール… 違う違う! もう行ってないし! もう行かないし! 宝くじが当たったら分からないけど…(とか言いながら、買ってもいないし!)
月曜日に、九州にある某FMラジオの番組(深夜放送)の方から「バスの運転士さんに話を聞きたい」という内容のメールがあった(ブログから私を知ったということだった)ので、その人と携帯で話をしていたのである。(詳細は月刊ブログで… 明日アップ予定)
電話を切った瞬間は、頭の中が真っ白だったけれど… その後、少しずつ思い出してきて… 「ちょっと昔の話が多すぎたかなぁ~」とか「年収を言い忘れたなぁ~」とか… で、結局、今日は昼寝が出来なかった。
後半の勤務中にも「子供に癒されるって言ったけど、その横の若いお母さんにも目が行ってしまうと言わなきゃいけなかったなぁ~」などと反省しきりで… きっと、自分で聞いたら「駄目だな、このオッサンは…」と思うに違いない。あぁ、こんなことなら、一杯飲んで電話に出れば良かっ… ウソです!
上空に流れ込んだ寒気の影響で曇り始めた午後… 私は乗降客の多いA駅の一つ手前のバス停で一人のお婆さんを乗せた。次のA駅まで僅か200~300mだが、そのような利用は決して少なくない。足の具合が悪いお年寄りにはキツイ距離だと思う。
お婆さんの着席を確認して発車しようとした時、前方100mくらいから走ってくる学生らしき女性2人を発見した。私が「終点のB駅へ行くのかな?」と思って待っていたら、バスに飛び乗った彼女たちは「A駅へ行きますか?」と言ったのである。
あまりにも意外な質問に対して、私は「はぁ… すぐそこですけど…」と答えながら「学生さんは定期だから、無駄ということもないか!」と思った。その間に2人はICカードで「ピッ」「ピッ」と精算して車内通路を後方へ歩いていったのだが…
運賃箱の画面には“定期表示”ではなく“金額表示”が出ていた。つまり、彼女たちは運賃を払ったということである。私が「まぁ… 僅か一区でも、乗る乗らないは自由だからなぁ…」と思いながらバスを発車させると、すぐに「次はA駅~」と車内アナウンスが流れた。
すると、後部座席から「えぇ~!?」「なにぃ~!?」と笑いながら叫んでいる彼女たちの声が聞こえてきたのであった。あら、やっぱり… 納得して乗ったわけじゃなかったんだ。彼女たちが走った距離、そのまま逆に向かえばA駅だったんだもんね。うん…
まぁ、「デジたこ先生は厳しいのだ!」ということで、デジたこ先生全員の“指導方針”が統一されているならともかく… そうではない。“苦情があるくらい乗り心地の悪い”バスを、私がいつものように(いつも以上にブイブイ!?)運転したにもかかわらず、「素晴らしい運転! 100点!」などと出たりするのだ。
また、「時速49キロまで! 一瞬でも一キロでもオーバーしたら面接だ!」と言われている状況で… ちょっと厳しい“アナめた先生”に当たることもある。確かに、その時は「ドキッ」「ムカッ」とするけれど、それはそれで… いいかもしれない。
というのも、アナめた先生の顔をチラチラ見ながら運転しているのだが、下り坂などで「50を超えたぞ!」と針で指摘されることがあり、「ゲゲッ… こんなんで面接かよぉ~」と思っていたら、勤務終了時の“デジたこ先生の評価”では「48キロ」だったりすることもあるからである。
さらに、アナめた先生によっては“顔のシワ(目盛り)”が多く、パッと見ただけでは速度が分かりにくい場合がある。すると、その分“長時間の脇見運転”をすることになってしまうので… 若くて綺麗な(新しくて見やすい)デジめた先生に変わらないかなぁ~!(無理!)
あるバス停に1分ほど遅れて到着した。一人のお婆さんを乗せて、扉を閉めて発車… と思ったら、走ってくるお爺さんの姿が左ミラーに映った。どうやら、道路の反対側からバスの後方を回り込んで来たようだった。
私が前扉を開けたまま待っていると、そのお爺さんは扉の外で立ち止まり、バスの後方をチラッと見たのである。「ひょっとして…」と思って再び左ミラーを見ると、そこにはもう一人の走ってくるお爺さんの姿が映っていた。
一人目のお爺さんが乗ってからも、そのまま待っていたところ… 二人目のお爺さんが駆け込んできて、なんと「このバス遅れとる?」と言ったのである。まさかの発言に、私は「は… ぁ…」としか言えなかった。
逆に、予定時刻よりも早く到着したバスに駆け込んできて「ちょっと早いんじゃない?」と言われることはたまにある。そんな時、私は「えぇ、もうしばらくお待ちください」と言ったりする。
しかし… ずっと待っていたわけでもない乗客に「遅れとる」と言われたのは… あまり記憶にない。まさか… 扉を開けて待っていた私に喧嘩を売っておいて… それに対して私が「ムカッ」と言ったところで… 「ハイ、苦情です~」ってか!? その手は桑名の… だぜぃ! ハハハ…