極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ムツとホワイトバイオ

2010年05月09日 | 環境工学システム論



いつもなら 昼が散歩の 早朝に 庭に咲く ジャーマンアイリス



武庫之荘駅北出口近景(2007年3月29日) 武庫之荘

昨日は、アポなしで武庫之荘は友人の山縣博
臣の家を訪問。今年に入り、旧知の人達との
再会を意識的に展開しているが(一期一会な
日々の実行)、経営する鉄工所の近況など、
阪神地区の製造業の不況ぶりを実聞し身を引
き絞まる思いで帰ってきたが、早めに着床し
たので朝早く起きることになる。昨日、出来
なかった庭木の剪定手入れを行っていると、
日中の気温が上がりいつもなら昼の愛犬シェ
ルの散歩なのだが、早朝散歩に切り換え家に
戻ってきたので、写真を撮るがついでに庭先
の紫のジャーマンアイリスが美しく咲いてい
るので写真を撮り普段の会話にはない、朝露
をたっぷり含ませた歌
を書く。 



 池 道彦

【ホワイトバイオという
    環境適合型工業生産技術】



携帯電話やテレビ、自動車などにも使われる
レアメタル(希少金属)を高濃度では毒にも
なるため処理が必要だがコストが高い。「廃
水を土の中にいる微生物を使い。安価に浄化
しながら、レアメタルを回収する」という一
挙両得な研究に注目が集まっているという(
「微生物がレアメタル回収 新たな循環型技
術」5月8日15時39分配信 産経新聞)。



「地球はバランスの世界で、その世界の底辺
にいるのが微生物。自然の中で動物の排泄(
はいせつ)物がなくなるのは、微生物が分解
してくれるから。本当の循環型社会をつくる
には“彼ら”の力を使う必要がある」と大阪
大大学院工学研究科の池道彦教授(環境工学)
はいう。研究のきっかけは微生物を使ってレ
アメタルの「セレン」を廃水から分離するこ
とに成功したことだ。セレンは半導体やガラ
スの着色などに使われる金属。廃水中では水
に溶けているため、通常は電気還元して集め
なければならないが、多大なエネルギーとコ
ストがかかる。微生物の中からセレンを取り
込む微生物「バチルス・セレナトアルセナテ
ィス」を新種を発見、世界で認められた。廃
水中のセレンは「セレン酸」という酸化物イ
オンの形で溶けているが、この微生物は、セ
レンに付いた酸素を使って呼吸することで、
セレンを元素状態に戻してくれる。セレンは
濾過でも水中から回収できるし、微生物の体
内にも残っているので燃やして回収すること
もできる。

 新興化学工業株式会社
                   
微生物は経費が削減でき、有害な副産物を出
すこともない。池教授らは現在、太陽電池に
使われるレアメタル「テルル」や「バナジウ
ム」などにも研究の範囲を広げている。セレ
ンの価格は数年前まで1㌔5百円程度だが、
今は1万円に高騰。実用化には、高い温度や
高塩濃度にも耐えられる微生物を見つける必
要があるというが、化合物メーカー「新興化
学工業」(兵庫県尼崎市)の協力を得て、回
収実験に成功。実用化に向けて一歩踏み出し
ているという。



この新聞をみて2つのことを思った。1つは
過去、6価クロム酸処理の除去処理に微生物
膜の吸着(バイオソープション:Biosorption
作用の発見と浄化処理方法の研究をしていた
ころの思い出と、もう少し突っ込んだ研究を
していたならばという思いと懐かし思い出だ
(特許:
P1998-165174A「有機酸を基質とする
凝集剤産生微生物とそれから得られる微生物
凝集剤及びこれを使った下廃水処理方法」、
池道彦ら)。

もう1つは『
スギと赤のアスパラガス』で触
れた海洋資源開発で深海での微生物は耐高圧・
高熱に優れているので、海洋微生物の応用利
用技術への期待である。尤も、これはメタル
バイオテクノロジーに限定されることではな
いが。



【微生物プロセス用語】

メタルバイオテクノロジー(Metal biotechnology):
生物技術の持つ省資源・省エネルギー性、高
い経済性と環境適合性を活かし、物理・化学
的手法では不可能な持続的な金属類と人類の
関係を構築するためのキー・テクノロジーとし
てにわかに注目を集めている技術である。

バイオリーチング(Bioleaching): 固相中の
金属類の液相への抽出作用(例) イオウ酸化
細菌が生成する硫酸による鉱物の溶解,糖類
醗酵で生じる有機酸による鉱物溶解、鉄還元
作用による鉄化合物の溶解など。



バイオミネラリゼーション(Biomineralization):
金属類の鉱物化作用による液相等からの固化・
回収(例) 金属(Se, Teなど)酸化物イオンの元
素態への還元による固形化、鉄酸化・マンガ
ン酸化による酸化物マットの形成と他の金属
類の吸着・不溶化など。



バイオボラタリゼーション(Biovolatalization):
金属類の気化による液相・固相からの除去・
回収(例) HgレダクターゼによるHgイオンの
元素態Hgへの還元・揮発化、SeやAsのメチル
化による揮発化など。

バイオソープション(Biosorption):金属類の
細胞表面や分泌物等への吸着による除去・回
収(例) 細菌、酵母、カビ、藻類などの細胞
表面への吸着、細胞外多糖(バイオポリマー)
への吸着など。





 neuromarketing

【第5次産業始動】

『デジタル革命』の第6則(『
雪割草と未体
験ゾーン
』)の具体的な展開が始まり、産業
が誕生しつつあることをTVで知る。その1
つが、東芝デジタルプロダクツ&ネットワー
クの「集中力測定器」で、ヘッドホン型測定
器を頭にセットし、パソコン画面上に「集中
力」を計測するというもの。原理は脳のα波
を脳波の強度を検出するもの。用途としては、
自分がどんな状態の時に集中力やリラックス
度が高まっているのか、徐々に見えてくるの
で「集中力をある程度制御のトレーニング機
器といえる。価格は2万円前後になるという。

 science shopping

もう1つは、新しい経済理論を目指すニュー
ロエコノミクスや、アンケートなど従来の市
場調査方法を用いる代わりに、脳活動から消
費者の嗜好をさぐる方法のニューロマーケッ
ティングというもの。後者は第3次産業に還
元されるが、前者はいろいろな分野と結びつ
くことで超能力開発に貢献する。ただし、電
極を挿入し直接的な脳への刺激を与える医療
治療面での応用には安全面などの社会活動的
側面や倫理的な側面に大きく影響するので並
行しての開発研究が必須となる。

MacBook  1984 Apple's Macintosh Commercial



Scombrops boops
【赤、黒、銀の三色ムツ】



ムツ(鯥)、学名 Scombrops boops は、スズ
キ目・ムツ科に分類される魚の一種。肉食性
の大型深海魚で、食用に漁獲される。成魚は
全長60cmほどだが、1mを超えるものもいる。
体は紡錘形の体型で、目と口が大きく発達す
る。幼魚の体色は赤褐色、黄褐色だが、成魚
は全体的に紫黒色となり、腹側が銀灰色を帯
びる。また、幼魚の口の中は白いが、成魚の
口の中は黒い。インド太平洋とアフリカ南部
沿岸の大西洋に分布し、日本でも北海道以南
で見られる。成魚は沿岸から沖合いまでの水
200~700m ほどの深海の岩礁域に生息し、
海山や大陸棚斜面などの傾斜地に多い。食性
は肉食性で、小魚・頭足類・甲殻類など小動
物を幅広く捕食する。


図 世界の漁獲高(as boops boos not scombrops boops

産卵期は生息域の水温が上昇する10~3 月で、
この頃には成魚が水深100m付近の浅場まで移
動する。分離浮性卵を産卵し、孵化した仔魚
は流れ藻につく。稚魚は海岸部の岩礁や内湾
の藻場で見られ、タイドプールに入ることも
あるが、成長につれ深場に移り生後 3年・全
40cmほどで性成熟する。釣りや深海底引き
網などで漁獲され、大型魚で引きも強いため、
深海釣りの対象として人気がある。釣り場が
重複するメバル類などを釣る際に、鋭い歯で
ハリスを切られることもある。繁殖を控えて
浅場に移る冬が旬とされ、この時期は「寒ム
ツ」と呼ばれる。

 
Scombrops boops   (Houttuyn, 1782)

身は脂肪が多い白身で、脂が多い様を表す「
むつっこい」「むっちり」などの言葉が転じ
て「ムツ」という名前がついたともいわれる。
刺身、煮付け、鍋料理、味噌漬けなどに利用
される。また、卵巣はムツゴといい、たらこ
に似た味で珍重される。赤ムツはDoederleinia
berycoides (Hilgendorf)、黒ムツはScombrops gilberti 、
銀ムツはDissostichus eleginoides と魚種が全く違う
ので要注意。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする