goo blog サービス終了のお知らせ 

極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

スティグリッツ教授のグミの実 

2010年07月17日 | 新弥生時代



ならぬもの じっと我慢の 天候の 耐えて輝く シーサイドリンクス





【低木樹の旅 グミ】



グミ(茱萸、胡頽子)はグミ科グミ属(学
名:Elaeagnus)の植物の総称で、果実は食
用になる。グミは大和言葉であり、常緑ま
たは落葉の低木でつる性のものもある。ま
た常緑性種は耐陰性があるが耐寒性は弱く、
落葉樹性は強い。葉は互生し、葉や茎には
毛が多い。また茎にはとげがある。花弁は
く、挿し木、取り木、接ぎ木などで簡単に
増やせる
。前年枝の節から伸びた新梢に開
花結実する。開花後がくの基部が果実を包
んで肥厚し核果様になる。果実は楕円形で
赤く熟し、渋みと酸味、かすかな甘味があ
って食べられる。形はサクランボに似る。
リコピンを多く含むが、種によってはタン
ニンを含むため、渋みが強いことがある。



 ぐみ          かみその
夏茱萸のあかあかみのる神苑に町の子供らあつまりあそぶ

                     王仁三郎


グミの樹はどの屋敷にも植生されていて、
この辺では野鳥が寄りつく風景をよく見か
ける。ところで、今日の歌は全英オープン
の石川遼の活躍を通して「ものの真贋」を
見抜く持続する努力(=能力)を身につけ
たいものだと、昨今のマスコミ周辺の非力
さ加減と自分の惰性を叱咤し詠った。


 
Joseph E. Stiglitz

【スティグリッツ教授の憂い】

新規考案にしろ、発明や閃きといったもの
の経験則として「自分がはじめて」という
錯覚は嘗てなら、世界で同じことを考えて
いる者は三人はいるという思いをもってい
たものだが、昨今の情報伝達の高速化が進
む『デジタル革命』下ではそれも通じない
という感覚は、iPs細胞人工多能性幹細
)の特許競争の渦中の当事者ならずとも
共感できるものだろう。

 アメリカとヨーロッパがようやく金融
 規制を改革するまでに、リーマン・ブ
 ラザーズの崩壊から2年近く、金融部
 門の無謀な行為によって生じた世界的
 な景気後退の始まりから3年以上の年月
 がかかった。アメリカでもヨーロッパ
 でも規制が勝利したことをわれわれは
 たぶん祝うべきなのだろう。なにしろ、
 世界が今日直面している危機-この先
 何年も続くと思われる危機-は、30年
 前にマーガレット・サッチャーとロナ
 ルド・レーガンの下で開始された規制
 緩和の動きの行き過ぎによるものだ
 いう、ほぼすべての人の合意があるの
 だから。規制のない市場は効率的でも
 なければ安定してもいないのだ。

 だが、戦いは-さらには勝利さえも-
 苦い味を残した。この失敗に責任のあ
 る人びとのほとんどが-アメリカの連
 邦準備制度理事会(FRB)や財務省の
  人びとも、イギリスのイングランド銀
 行や金融サービス機構、欧州委員会や
 欧州中央銀行、さらには個々の銀行の
 人びとも-自分たちの失敗を認めてい
 ないのである。

上記はダイヤモンド・オンラインのジョセ
フ・E・スティグリッツの『米金融改革に
派生商品禁止が入れば民主主義の勝利
』だ。
この論旨は『凌霄花と静かなる革命』の論
調とこれを田中宇的に見れば「多元主義派
vs. 英米派」ということになるが、スティグ
リッツは、米国人の経済学者で、1979年に
ジョン・ベーツ・クラーク賞、2001年にノ
ーベル経済学賞を受賞し、現在の最も活動
的且つ影響力のある経済学者の一人である
と紹介されているから二度驚きだ。なにせ
こちらはズブの素人で輝かし経歴など自慢
じゃないが何一つない(ただし、経済学の
勉強は20代から独学でやってきた)。        

 上院の法案のデリバティブに関する条
 項はよいリトマス試験紙になる。オバ
 マ政権とFRBは、これらの規制に反対
 することで、明らかに大手銀行に味方
 してきた。政府保護の対象となる銀行
 (実際に保護されるか、それとも大き
 過ぎてつぶせないために事実上、保護
 されるかにかかわらず)のデリバティ
 ブ取引に対する効果的な規制がこの法
 案の最終版で生き残るならば、全体の
 利益が利益集団に、民主的勢力が金融
 部門のロビイストに本当に勝利したこ
 とになるかもしれない(中略)これら
 の規制が法案から削除されるならば、
 それは民主主義にとって痛ましい日に
 なるだろうし、意味のある金融改革の
 可能性にとってはさらに痛ましい日に
 なるだろう。

              『同上』

オバマ政権は中道リベラルで現実的な対応
を取っているため対アフガン・イランアジ
ア政策や軍事的プレゼンスに新鮮な切れ味
がなさそうに一見できるが実はなまなかな
タフさを備えている。いや、米国というの
は基本的にタフさが売り物で、時として世
界にとって要らざるお節介として映る。



話はそれたが教授の話。Globalization and Its
Discontents
(『世界を不幸にしたグローバリ
ズムの正体』)を書き、グローバリゼーシ
ョンの必要性は認めた上、東アジアの奇跡
は、最小政府を志向するワシントン・コン
センサスに従わなかったからこそ実現した

ものとし疑問を呈している。同書ではIMF
批判を展開、その本来の使命のグローバル
な経済の安定に寄与せず、貧困を固定する
ような制度設計をした米国金融セクタに不
満を表しているという。生憎、この本は読
んでないが論調に彼此の相違はないだろう
と高を括っている ^^;。


 岡本正宏

【システム生物学とアミノ酸相互作用網】

システム生物学(systems biology)は、シス
テム工学の考え方や解析手法を生物学に導
入し、生命現象をシステムとして理解する
ことを目的とする学問分野。(1)システ
ムの構成要素の同定を目的とする網羅的な
解析(2)システムの動的な特性の解明を
目的とする研究がで(3)最終的には生命
現象のシミュレーションを範疇に含まれる。

具体的には、細胞内成分のネットワーク(
遺伝情報、シグナル伝達、代謝等)の解明
が一つの目標。蛋白質間相互作用(Protein-
Protein Interaction
)のネットワークが一例。
多数の蛋白質の複雑な影響を研究する可視
化や総合的データ解析が重要である。蛋白
や遺伝子のネットワークを主眼とする研
究分野をネットワーク生物学(Network Biol-
ogy
)と呼ぶというが、岡本正宏・四方菜穂
子・牧幸浩らの『システム生物学的手法を
用いた血中アミノ酸相互作用ネットワーク
の推定』(JBA,2010 vol.68)から「生物学
ネットワーク環境システム概論」の参考に
取り上げた


必須アミノ酸マイナスワン試験:ラット
を用いて、食餌成分として、ターゲットと
する一つの必須アミノ酸のN量をGlnで置
換した食餌(マイナスワン食)を6週間与
え、サンプリング時刻に尾静脈採血し、血
中のアミノ酸濃度の測定から代謝物質のフ
ローネットワークと制御ネットワークは異
なることが予想される。

感度解析:推定されたどの二つのアミノ
酸相互作用が、必要不可欠なものかを感度
解析法の推定結果と生物学的実験事象が一
致している。

回復試験:マイナスワン食を6週間食餌と
して与えて、血中アミノ酸濃度を測定した
後、6週間後に標準食に戻し血中アミノ酸
濃度を測定した結果、スレオニンがアミノ
酸のインバランスセンサーのような役目を
しているのではないかと推測することがで
きる。

参考:「酵素反応系の帰還制御をモデル
    とした適応型規路の設計・開発」

生命生体渋滞学:システム生物学の分野
では、代謝経路、細胞内シグナル伝達系等、
ネットワークやパスウェイ等を研究対象に
しているが「パスウェイは物の流れを記述
したもので、制御のネットワークを表した
ものではない」。インターネット、交通、
代謝の3つは全く異なる分野だが、トラフ
ィック(渋滞)解消の目的は共通。代謝では
酵素の活性調節など。代謝系や神経系は人
工知能に対比した自然知能で、有効かつ、
数少ないフィードバック制御や帯域制御で
物資濃度の恒常性を維持している。恒常性
が崩れ物質が蓄積することは「渋滞」に相当
する。



予期せぬ外乱を受けても渋滞しにくい機構
を有している
。細胞内代謝系や神経系から
恒常性維持の機構を学び、換骨脱胎して情
報通信や交通分野の渋滞解消の機構として
適用することが可能であり、このような機
構を知識として工学分野に適用可能だとし
岡本らの研究により「生体生命渋滞学」の創
成提案を行うという。とはいえ、マグレに
しても「生物学ネットワーク環境システム
概論」の参考にという目論見は外れていな
かった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする